タイ 上から撮るか、下から撮るか

落ちそうで落ちない黄金の岩とパゴダ ランプーン

日本人の父とタイ人の母を持つ写真家、野見山大地さんの連載「タイ 上から撮るか、下から撮るか」。ドローンによる空中撮影から水中での撮影まで、ひとひねりした視座の写真を得意とする野見山さんが写真と文章でお届けします。第7回は、タイ北部の古都ランプーンです。由緒あるものからユニークなものまで、必見の仏教施設が目白押しです。(トップ写真は黄金の岩とパゴダ)

【動画】美しく彩られたワット・プラタート・ハリプンチャイ境内(低速度撮影)

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タイ北部の仏教文化の中心地

ランプーンはチェンマイから南へ約30キロ、車なら1時間弱で行ける距離で、チェンマイから日帰りできる観光地としても人気です。13世紀までモン族のハリプンチャイ王国が都を置いていた古都としても知られています。古くからこのあたりの仏教文化の中心地で、ランナー様式と呼ばれる仏塔が見られる、とても魅力的な場所です。

高僧シーウィチャイ像が鎮座する寺院


ワット・ドイ・ティには、クルーバー・シーウィチャイ(1878~1939)の像があります。ワット・プラタート・ドイ・ステープ寺院への参道を建設したり、多くの寺院を開いたりして、タイ北部では知らない人がいないと言われる高僧です。

落ちそうで落ちない黄金の岩とパゴダ ランプーン

ワット・ドイ・ティのクルーバー・シーウィチャイ像を空撮

像の高さは30メートル近くあり、ランプーンに向かう際に通る道路からも見えます。僕が行った日も多くの学生が学校行事で訪れ、シーウィチャイの生い立ちや業績などの説明を僧侶から受けていました。

ロイクラトン祭りの時期になると寺院は彩られ、熱気球コムローイも打ち上げられます。

【動画】シーウィチャイ像とコムローイのハーモニー

クルーバー・シーウィチャイ像とコムローイのコラボレーションは幻想的で多くの写真家も訪れます。

仏像、仏像、また仏像、の先には

ワット・プラプッタバート・プラタート・インカウェーンは、タムヒン山頂にそびえたつ寺院です。ランプーン市内からは車で30分弱で、山頂の入り口の階段まで行くことができます。そこから200段以上の階段を上りますが、多くの仏像があり、とても不思議な世界に迷い込んだ気持ちになります。

仏像、仏像、また仏像(低速度撮影)

山頂の寺院に着くと、トップ写真で紹介した巨大な黄金の岩とその上に乗っている黄金のパゴダを見ることができます。黄金の岩と黄金のパゴダはミャンマーのチャイティーヨー・パゴダ(ゴールデンロック)が有名ですが、タイにもいくつか存在します。ワット・プラプッタバート・プラタート・インカウェーンもその一つで、黄金の岩の上に、黄金のパゴダが絶妙なバランスで立っています。

【動画】黄金の岩とパゴダがある寺院を空撮

その昔、この岩を見つけた住民がいくら押しても全く動かなかった、という逸話があるほどです。

酉年の仏塔に巡礼する人々


ワット・プラタート・ハリプンチャイは11世紀に創建された、ランプーン市内のほぼ中心にある、街の象徴とも言われる寺院です。タイの第1級王室寺院にも格付けされています。黄金の仏塔はタイ北部で最も美しいとも言われ、高さ46メートルの大きさに圧倒されることでしょう。

落ちそうで落ちない黄金の岩とパゴダ ランプーン

高さ46メートルの仏塔

境内には多くの鶏像がまつられています。タイ北部では「プラタート・プラチャムピークート」と呼ばれる、生まれた年の干支に属する仏塔に巡礼する習慣があります。ワット・プラタート・ハリプンチャイの仏塔は酉(とり)年に属しているため、境内に多くの鶏像があるわけです。僕自身も酉年なのでなにかご利益があると信じています。

ロイクラトン祭りの時は、ここもほかのお寺同様に彩られ、近くの道路は歩行者天国になり、多くの屋台が出て、山車が練り歩いてにぎやかになります。

落ちそうで落ちない黄金の岩とパゴダ ランプーン

ロイクラトン祭りの際の彩り


落ちそうで落ちない黄金の岩とパゴダ ランプーン

彩られた境内


落ちそうで落ちない黄金の岩とパゴダ ランプーン

祭りの山車


落ちそうで落ちない黄金の岩とパゴダ ランプーン

祭りで盛り上がるランプーン

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PROFILE

野見山大地

写真家
1993年、日本人の父とタイ人の母の間に生まれる。幼少期をタイで過ごす。自分の目で世界を見るために写真家を志し、カメラを片手に世界一周、アフリカ縦断を行う。これまで70カ国以上を訪れた。資格マニアでもあり、車やバイクの大型免許、ゾウ使い、小型船舶、ドローン操縦者、ダイブマスター、調理師などの資格を持つ。写真家として国内外で活動し個展開催や写真集も出版する。都内を中心に展開するタイ料理屋「チャオタイ」の副社長でもある。

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