楽園ビーチ探訪

エリアごとにガラリとイメージが変わる タイ・クラビ

パンガー湾を挟んで、プーケットの対岸に位置するクラビ。粘土細工のようにいろんな形をした岩山が唐突に鎮座していたり、浸食されてギザギザになった岩壁がそそり立っていたりといった、石灰岩から生まれた「カルスト地形」ならではの不思議な光景が広がっています。そして沖合には130もの島々が浮かび、干潮時に砂の道が浮かび上がる「砂州(さす)」もあります。ジャングルやマングローブの林もあり、多彩な自然環境に恵まれています。

(トップ写真:タップ島から隣のモー島を結ぶサンドバンクは大混雑)

連載「楽園ビーチ探訪」は、リゾートやカルチャー、エコなどを切り口に、国内外の海にフォーカスした読み物や情報を発信するビーチライターの古関千恵子さんが訪れた、世界各地の美しいビーチや、海のある街や島を紹介いたします。

独特の地形が生み出すいくつものビーチ

プラナンビーチ

本土にありながら、ボートでしかアプローチできないプラナンビーチ

クラビは広範囲にわたって、拠点となるエリアが点在しています。移動の拠点となるアオナンビーチ、ローカルな雰囲気を味わえるクラビタウンなどが代表的なエリアです。さらにライレイビーチやプラナンビーチといった、石灰岩の複雑な地形が行く手を阻んでいるため、海からボートでしか行くことが出来ないエリアもあります。

クラビの各エリアはそれぞれ距離があるため、短い滞在期間ではいくつも回ることが難しいです。そのため滞在場所をどこに置くかで、旅のイメージも変わってきます。

ロッククライミング

独特の地形をいかしたロッククライミングも人気だ

これまでプラナンビーチやクロンムアンビーチの隠れ家系ホテルに滞在したことはあったけれど、1日ツアーで出かける以外は、ホテル内におこもりしたのみ。ホテルは満喫したけれど、クラビというエリアの全体像がどうもつかめません。そこで今回はアジアの刺激的な喧噪(けんそう)も味わってみようと、ローカルな魅力が詰まったクラビタウンに拠点を置くことにしました。

ナイトマーケット

毎日開かれる、クラビタウンのナイトマーケット。ウィークエンド・ナイトマーケットが有名ですが、そちらは週末のみ

ローカル感を楽しむ

信号機

原始人が岡持ちのように信号機を持っている交差点

クラビタウンは、クラビ川沿いにのびるウタラキットロードと、デパートがあるマハラットロード、この2本がメインの通りとなっています。目を奪われたのは、デパート近くの大きな交差点にある信号機。なんと原始人が信号を持ったデザインなのです。あとで知ったのですが、クラビ県内で最古の原始人の骨が発見されたことがあるとか。とてもシュールな交差点です。

パッタイ

屋台で調理中のパッタイは、麺が食べ頃に近づくにつれて炒める音が変わるのです。面白い!

ナイトマーケットではフルーツやテイクアウト用のおかずやデザートを売る露店に加え、パッタイや、好きなおかずをご飯に乗せるカオゲーン(ぶっかけ飯)の店もあります。放課後の学生たちとひとつのテーブルを囲んで屋台メシをいただくのも、旅の楽しさです。

30分に1本のシャトルバスでクラビタウンからアオナンビーチへも足を延ばしてみました。

約1キロの海岸線に沿って土産物店やレストランが並び、ネオンもきらびやか。サンセット時には堤防にツーリストが一列に並んで、水平線に沈む最後の光の筋まで眺めています。どうやら、クラビのビーチリゾートライフを楽しむなら、アオナンビーチの方がよさそうです。

サンセット

アオナンビーチのサンセット

人気の島巡りツアーに参加

浅瀬

タップ島の周囲はごくごく浅瀬。干潮時には砂州が浮かびあがります

クラビで観光客から人気のアクティビティーは、アイランドホッピングツアーです。石灰岩でできた島々を、昔ながらのロングテールボートやスピードボートで1日かけてめぐることが出来ます。今回はプラナンビーチ、タップ島とガイ(チキン)島、ポダ島の周辺の四つのビーチや島を回るツアーに参加しました。

チキン島

ガイ島はニワトリの頭のような形をしていることからチキン島とも呼ばれます

プラナンビーチはすぐ沖にコ・ラン・ノックとコ・ラン・ナイの二つの島が浮かんでいます。

ロングテールボートを派手に飾り立てた船上レストランがお目見えしていました。タップ島とチキン島は干潮時に浮かびあがる白砂の道を歩いて渡る「タレー・ウェーク(「割れる海」という意味)」がタイ国政府観光庁の「Unseen Thailand(まだ見ぬタイ)」に選ばれています。

エリアごとにガラリとイメージが変わる タイ・クラビ

タップ島から隣のモー島を結ぶサンドバンクは大混雑

そしてポダ島ではライレイ半島や石灰岩の島々を眺めながら、ランチ&ビーチでのんびり。実は、これらの島やビーチは10年前にも訪れたことがあります。当時の写真と見比べると、自然の美しさは変わらずとも、ツーリストの数やボートの変化に時の流れを感じます。

サンドバンク

10年前のタップ島から隣のモー島を結ぶサンドバンク

今回、クラビタウンやアオナンビーチを訪れて、ようやくクラビというビーチの像がひとつに結べた気がしました。

PROFILE

古関千恵子

ビーチライター。リゾートやカルチャー、エコなどを切り口に、国内外の海にフォーカスした読み物や情報を発信する。ダイビング雑誌の編集者を経てフリーとなり、“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”を繰りかえすこと四半世紀以上。『世界のビーチ BEST100』(ダイヤモンド・ビッグ社)の企画・執筆、『奇跡のリゾート 星のや 竹富島』(河出書房新社)の共著のほか、ファッション誌(『Safari』『ELLE Japon』など)やウェブサイトに寄稿。ブログも配信中。

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