楽しいひとり温泉

温泉+願い事 石神さんに願いをかけて、海女小屋で舌鼓 相差温泉「花の小宿 重兵衛」

令和になって初めてのお正月を迎え、お伊勢参りにでかける人が増えているそうです。今回は、その先まで足を延ばして、日本一海女が多い三重県鳥羽市へ。なかでも人口の1割近くが海女さんという驚きの町「相差(おうさつ)」へ旅にでかけました。相差の神明神社の境内にある「石神さん」は、海女さんたちが安全大漁を願う石神様。女性の願いなら一つだけかなえてくれるといわれています。開運スポットとして人気の石神さんをお参りして、伊勢鳥羽の海の恵みを味わう温泉旅です。
(トップ写真:「相差かまど」での海女小屋体験の様子)

■連載「楽しいひとり温泉」は、全国各地の温泉をめぐり、温泉・自然・食で美しくなる旅を研究する、温泉ビューティー研究家の石井宏子さんが、テーマごとにひとり温泉にぴったりなお宿を紹介します。

女性の願いなら、ひとつだけかなえてくれる石神さま

お手水

女性の開運スポットとして名高い神明神社と石神さんをお参り

今回宿泊する「花の小宿 重兵衛」の近くに神明神社はあります。訪れてみると、お手水(ちょうず)の龍に可愛い真珠のアクセサリーがついていました。さすがは女性の願いをかなえてくれる神様の神社ですね。

石神さん

神明神社の境内にある「石神さん」

石神さんの御祭神は、神武天皇の母である海の女神「玉依姫命(たまよりひめ)」。海女さんたちが安全大漁を祈願し信仰してきたことから女性の願いを一つだけかなえてくれる神様と言われるようになったそうです。願い事を一つだけ書いてお参りをします。石神さんのお守りには海女さんたちの魔よけのおまじない「ドウマン・セイマン」と呼ばれる模様が描かれています。海女さんたちが願いを込めて一つひとつ手作りしているそうです。

海女小屋でとれたて、焼きたての海の幸を味わう

前の浜

相差の海女さんたちが素潜りをする漁場でもある前の浜

石神さんから10分ほど歩いて前の浜へ。「相差かまど」で海女小屋体験を予約しているのです。ランチタイムと軽めのティータイムがあって、ひとりでも予約ができます(他のお客様とご一緒の場合もあります)。海女小屋とは、海女さんたちのベース(基地)のこと。海女は3千~5千年の歴史を持つとも言われていて、独自の風習・神事を守り、素潜りで漁をしています。現在全国に2千人ほどで、そのうちの約1千人が鳥羽市と志摩市にいるそうです。

海女小屋体験

予約すれば海女小屋体験ができる「相差かまど」

午後3時からのティータイムへ。白い磯着姿の現役海女さんが迎えてくれます。

炭火焼き

海女さんがとった貝などを目の前で炭火焼きにしてくれる

ティータイムも、目の前でとれたての恵みを炭火で焼いてくれます。焼き貝中心のおやつ、と、聞いていましたが、イカ、さざえ、大アサリ、ひおうぎ貝、小さなお餅と、熱々でうまみたっぷりのごちそうを大満喫。

海女の町・相差を満喫する温泉宿

ロビー

宿泊した「花の小宿 重兵衛」のロビー

海女小屋体験を満喫し、宿へ戻りました。「花の小宿 重兵衛」のロビーはカフェになっています。地元の海女さんや漁師さんが獲った新鮮な海の幸の食事も楽しみです。しかも、野菜やお米も自家栽培というこだわりの料理宿でもあります。

和モダンな部屋

和モダンな部屋

和モダンなお部屋は、窓辺がハイカウンターになっています。漁村の風情を感じる町並みの風景を眺めながらお茶を飲んだり、パソコンを広げて少しだけメールをチェックしたりしてしばし過ごしました。

大浴場

男女別の大浴場は、天井が高くてすっきりした空間

男女別大浴場は高い天井が印象的な空間です。この宿がある相差温泉は、榊原温泉(津市)と安濃川を隔てた場所に位置する清少納言ゆかりの「七栗の湯」で有名な「七栗」にある社宮司温泉から源泉を運んでいます。泉質は、ナトリウム-炭酸水素塩冷鉱泉。炭酸イオンも豊富、pH9.3のアルカリ性で、とろんとろんの感触に心が弾みます。肌の古い角質や汚れを落としてなめらかに整える美肌の湯です。

スタンダード「旬彩海席」でも、イセエビやアワビなど満載

お造り

イセエビや新鮮な魚介がたっぷり盛られたお造り

お待ちかねの夕食は、イセエビやアワビ、イシダイなどのお造りがどーん。あーー。しかも、ひげが動いてます……。イセエビのお造りは、鳥羽のかんきつ類「やまとたちばな」の香りがついた塩で味わうと、とろんとした甘みが際立ちます。

陶板蒸し

カキとサザエの陶板蒸しはうまみがギュッと凝縮

カキとサザエはぜいたくに陶板蒸しでいただきます。磯の香りがほわんと漂ってきたら出来上がり。仲居さんが見事な手さばきで食べやすいように貝をひらいてくれます。地酒の飲み比べセットをちびりちびりと味わいながら、相差の恵みをじっくり味わいます。

相差の暮らしの食に出会える「オウサツキッチン0032」

オウサツキッチン

相差の新名所「オウサツキッチン0032」

相差は町ブラも楽しめます。テイクアウト、イートインどちらも楽しめる軽食屋「オウサツキッチン0032」には、これまで、地元の人たちの暮らしの中にあった食をクローズアップした名物があります。ひとつはザコフライ。ザコ=雑魚といっても、漁師さんがとった立派な魚。たとえばタイやイカであっても、日によって1匹や2匹だと市場に出せないので、値が付かない「雑魚」となって各家庭で食べているそうです。それをオウサツキッチンが購入して、ザコフライとして販売。大人気の名物になっています。ザコはその日によって変わるので店頭の黒板に詳しく記されています。

ところてん

ここでしか食べられないところてんは出来立てを味わう

もうひとつの名物は海女さんがとる天草(てんぐさ)という海藻でつくる「ところてん」。できたてプルプルが命ですから、こちらはイートイン限定のメニューです。糸状のところてんとは全く別物。大きなごろごろとした塊に、黒蜜ときな粉をたっぷりのせて味わうのが相差流。とぅるんとした食感と口どけのよさは、一度食べたらやみつきになるおいしさです。

三重県鳥羽市・相差温泉 花の小宿 重兵衛
http://www.ju-bei.com/
*HPにひとりプランが表示されていない時は電話(0599-33-6220)にて受け付け

■「楽しいひとり温泉」ポイント
1.とろとろ温泉で美肌磨き
2.女性の願いをかなえてくれる石神さん参り
3.新鮮な海の幸を満喫

BOOK

温泉+願い事 石神さんに願いをかけて、海女小屋で舌鼓 相差温泉「花の小宿 重兵衛」

全国ごほうびひとり旅温泉手帖 いい湯、いい宿、旅ごはん!

石井宏子さんの著書「全国ごほうびひとり旅温泉手帖 いい湯、いい宿、旅ごはん!」(世界文化社)が11月16日に出版されました。温泉ビューティー研究家・旅行作家ならではの、旅してみつけた、女性がひとりで安心して楽しめる温泉宿を紹介するハンディーな一冊。公共交通機関で行ける、自分へのごほうびで泊まりたい、いい宿を全国から厳選し、あわせて、女性目線で選んだ周辺の立ち寄り先、ランチやスイーツも取り上げます。ひとりでも楽しい観光列車も登場します。税別1400円。

PROFILE

石井宏子

温泉ビューティー研究家・トラベルジャーナリスト。日本・世界の温泉や大自然を旅して写真撮影・執筆をする旅行作家。テレビにも出演。温泉・自然・食で美しくなる旅を研究する。海外ブランドのマーケティング・広報の経験から温泉地の企画や研修もサポート。日本温泉気候物理医学会会員、日本温泉科学会会員、日本旅のペンクラブ会員、気候療法士(ドイツ)、温泉入浴指導員。著書に「癒されてきれいになる おひとりさま温泉」(朝日新聞出版)、「地球のチカラをチャージ! 海温泉 山温泉 花温泉 76」(マガジンハウス)、「感動の温泉宿100」(文春新書)などのほか、「全国ごほうびひとり旅温泉手帖 いい湯、いい宿、旅ごはん!」(世界文化社)が11月に発売された。

温泉+雪見台 雪景色と北海道の味覚に酔いしれる 定山渓温泉「シャレーアイビー定山渓」

一覧へ戻る

温泉+雪景色 都会を脱出して白銀の秘湯へ 「乳頭温泉郷 秘湯 鶴の湯温泉」

RECOMMENDおすすめの記事