あの街の素顔

日帰りは損です! 冬のカナダ・ナイアガラを楽しむ五つのキーワード

夏のイメージが強いカナダだが、実は冬もかなり面白い。その代表がナイアガラの滝だろう。世界3大瀑布(ばくふ)のひとつに数えられるこの滝は、冬こそ桁違いの表情を見せる。また近郊に広がるワイナリーでは冬景色を眺めながら自慢のワインと料理のペアリングをたのしみ、夜はイルミネーションと花火に酔いしれる。そんな冬のナイアガラの魅力に迫る旅に出た。

【動画】冬のナイアガラを楽しむ五つのキーワード

(文・写真・動画:鈴木博美、メイン写真=雪と氷に覆われた白いナイアガラの滝)

1:いてつくナイアガラの滝を上から横から真裏から楽しむ

いてつくナイアガラの滝を上から横から真裏から楽しむ

ナイアガラの滝はカナダとアメリカの国境に位置し、カナダ側のカナダ滝とアメリカ側のアメリカ滝のふたつの滝の総称。世界最大級の淡水湖群である五大湖のうち、エリー湖、ヒューロン湖、ミシガン湖、スペリオル湖の四つの湖を水源とする。度肝を抜かれるほどの大量の水が滝つぼへと流れ落ちていく。この滝の水が、マイナス20度を下回る日が続くと凍結することもあるというのだから驚きである。

【テーブルロック展望台】

テーブルロック展望台

カナダ滝を間近に見られるテーブルロック展望台は、轟音(ごうおん)を立て流れ落ちてゆく滝を眼前にする絶好の撮影スポット。夏は大勢の観光客で近くに寄ることさえ困難だが、オフシーズンの冬ならいろんな角度から写真を撮り放題だ。また冬は、岸壁には舞い上がる水しぶきによって巨大なつららが白ひげのように連なり、木々や街灯には樹氷が花のように咲く。この時期にしか見ることができない自然の芸術作品だ。

【ジャーニー・ビハインド・ザ・フォールズ】

ジャーニー・ビハインド・ザ・フォールズ

ナイアガラの滝の迫力をより体感できるアクティビティーが「ジャーニー・ビハインド・ザ・フォールズ」。専用エレベーターで38メートルほど降下し、トンネルを歩いて行くと、滝の真横や裏側に接近できる。滝の横に設置された展望台や裏側に掘られたトンネルから見る滝は、恐ろしいほどの迫力で、自然の驚異をまざまざと見せつける。今は観光用に整備されているが、このトンネルが約130年前に掘られたということにも驚く。

■Journey Behind the Falls
料金:23カナダドル
https://www.niagaraparks.com/visit/attractions/journey-behind-the-falls/

【ナイアガラ・ヘリコプター】

ナイアガラ・ヘリコプター

ナイアガラの滝で人気No.1のアクティビティーが、ナイアガラの滝を丸ごと上空から眺めるナイアガラ・ヘリコプター遊覧観光。キャビンに乗り込んでシートベルトを締め、日本語の説明が聞けるヘッドセットをすると息つく暇もなく離陸。みるみる上昇しナイアガラの滝の全景が見えてくる。

ナイアガラの滝を丸ごと上空から眺めるナイアガラ・ヘリコプター遊覧観光

滝つぼから上がってくる水煙は、まるで火口から立ち上がる噴煙柱のよう。気温が低い分、夏場よりもその迫力が感じられる。ヘリは滝の周りを旋回し、あらゆる角度で楽しませてくれるので、左右どちら側に座っても平等に眺められる。上空から見ると、あらためてこの滝が川の流れの一部なのだと実感。近くで見る滝とは違う感動が味わえる。窓が大きいので写真も動画もバッチリ撮れる。約12分のフライトはあっという間だが、満足度は高いアクティビティーだ。

■Niagara Helicopters
営業時間:9:00~日没まで
料金:149カナダドル(約12分)
https://www.niagarahelicopters.com/

2:極上のアイスワインと雪景色を眺めながらワイナリーランチ

ペラー・エステーツ・ワイナリー・レストラン

ナイアガラの滝から車で20分ほど北上したエリアは、カナディアン・ワインの一大生産地で、90ものワイナリーが点在する。そのほとんどは輸出されないため知名度は高くないが、少量限定生産でクオリティーの高いワインが造られている。中でも凍った果実を収穫して作られるアイスワインは特別なデザートワインだ。ヴィダル・ブランク、リースリングなどの白、カベルネフランなどの赤、そしてスパークリングタイプまである。

「ペラー・エステーツ・ワイナリー・レストラン」では、ぶどう畑を前にスパークリングを楽しみ、300もの樽(たる)が積まれたセラーでワインを試飲し、氷に囲まれたマイナス10度のラウンジでアイスワインをいただくナイアガラ・ワインざんまいのテイスティング・ツアーが人気を集めている。

アイスワインとは?

アイスワインとは?

アイスワインとは、自然凍結したぶどうのみで造られるワインのこと。そのため、ぶどうの収穫を冬まで遅らせる。気温がマイナス8度以下となる夜間及び早朝に、凍った状態のぶどうを手で摘み取り、そのまま圧搾、半年ほど発酵させて瓶詰めされたワインだ。毎年造り続けられる自然環境が整っている地域は世界的にも少ないのだという。

ペラー・エステーツ・ワイナリー・レストラン内の様子

ペラー・エステーツ・ワイナリー・レストランの地元の素材を生かした料理

ワイナリーに併設するレストランでは、地元の素材を生かした料理とのペアリングが人気。ランチタイムは行列ができるほどなので、予約は必須だ。雪化粧をしたぶどう畑を眺めながら、暖かい室内で美食と美酒に舌鼓を打つひとときは、旅の最高の思い出となるだろう。デザート時にはアイスワインも忘れずに。

■Peller Estates Winery Restaurant
住所:290 Jonh St E, Niagara-on-the-Lake, ON L0S 1J0 Canada
Estate 営業時間:日~木 10:00~19:00、金~土 10:00~21:00
Winery Restaurant :Lunch Noon~15:00、Dinner 17:00~20:00
https://www.peller.com

3:英国風情を残す街、ナイアガラ・オン・ザ・レイク

「プリンス・オブ・ウェールズ・ホテル」

雪景色の「プリンス・オブ・ウェールズ・ホテル」と馬車が停車する風景

ワイナリーから2キロメートルほど離れたところにある街、ナイアガラ・オン・ザ・レイクは、イギリス植民地時代のアッパーカナダ(現在のオンタリオ州)の首都だった歴史を持つことから、英国風情を残す。雪景色の「プリンス・オブ・ウェールズ・ホテル」と馬車が停車する風景は、まるでヨーロッパの印象派絵画のようだ。

メインストリート沿いに可愛らしい個人商店が軒を並べている

メインストリート沿いに可愛らしい個人商店が軒を並べている

1927年創業のジャム専門店「Greaves Jams & Marmalades」

1927年創業のジャム専門店「Greaves Jams & Marmalades」

ランドマークの時計塔が立つメインストリート沿いには、カラフルな木造の家並みにカフェやレストラン、アイスクリームショップに手作りジャムなどを販売するギフトショップが軒を並べ、散策にぴったり。わずか3ブロックほどのエリアだが、いくら時間があっても足りないくらいだ。

4:冬限定の光の祭典「ウィンター・フェスティバル・オブ・ライツ」

スカイロンタワーからナイアガラの滝の夜景

スカイロンタワーからナイアガラの滝の夜景

夜のナイアガラの滝は、昼間とはまた違った姿を見せてくれる。一年を通してナイアガラの滝を色鮮やかに照らすイルミネーションの始まりは、なんと約160年前というから驚きだ。当時は特別な行事の際にだけ点灯されていたが、1925年に地元の団体によって運営が引き継がれ、現在は毎晩ナイアガラの滝がライトアップされるようになった。長い歴史を誇るイルミネーションなのだ。

「ウィンター・フェスティバル・オブ・ライツ」のインスタレーション

「ウィンター・フェスティバル・オブ・ライツ」のインスタレーション

そんなナイアガラの滝のイルミネーションとともに冬景色を盛り上げているのが、1983年から毎年11月~1月の期間に開催されるイルミネーションイベント「ウィンターフェスティバル オブ ライト」。周辺の公園などを含め約8キロメートルの長いルートに300万個以上のイルミネーションとインスタレーションで、ナイアガラの街を冬のワンダーランドに変身させる。

夜のナイアガラの滝は、昼間とはまた違った姿を見せてくれる

また期間中の毎週金曜日とクリスマスから年越しにかけては盛大な花火が打ち上がる。ナイアガラは寒い冬でもイルミネーションの光と花火を目当てに多くの地元民や観光客が訪れる人気スポットだ。

■Winter Festival of Lights
場所:ナイアガラフォールズ市内各所
https://www.facebook.com/winterfestivaloflights/

5:ヴィンテージ感あふれるブティックホテル

「オールド・ストーン・イン・ブティックホテル」のロビー

「オールド・ストーン・イン・ブティックホテル」のロビー

ナイアガラの滝を眺めるタワーホテルもいいけれど、ここはあえて歴史的な建物を改装したブティックホテルをおすすめしたい。カナダのトルドー首相や故ダイアナ妃なども宿泊している「オールド・ストーン・イン・ブティックホテル」は、1904年に建てられた製粉所を改装したクラシックなたたずまいが印象的。創建当時の石が積み上げられた壁などが今も当時の面影を残している。

「オールド・ストーン・イン・ブティックホテル」の客室

「オールド・ストーン・イン・ブティックホテル」の客室

広々として快適なゲストルーム。ヨーロッパとカナダのアンティーク家具を備えたエレガントなインテリアに、がっちりハートをつかまれるだろう。またホテル内の施設も充実している。地下には大きな温水の海水プールがあり、レストランは宿泊者以外も食べに来るほど大変美味。ライブ演奏が聴けるバーも人気だ。アボカドトーストやシャンパン・パンケーキなど絶品の朝食も見逃せない。

■Old Stone Inn Boutique Hotel
住所:6080 Fallsview Blvd Niagara Falls ON L2G 3V5 Canada
http://www.oldstoneinnhotel.com

夜が楽しい冬のナイアガラで、ぜひ1~2泊して満喫してみてはいかがだろう。その他、周辺には巨大なアウトレットモール「アウトレット・コレクション・アット・ナイアガラ」もあるので、お得なショッピングも心ゆくまで楽しめる。

■取材協力:オンタリオ州観光局
http://www.ontariostyle.com

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PROFILE

  • 「あの街の素顔」ライター陣

    こだまゆき、江藤詩文、太田瑞穂、小川フミオ、塩谷陽子、鈴木博美、干川美奈子、山田静、カスプシュイック綾香、カルーシオン真梨亜、シュピッツナーゲル典子、コヤナギユウ、池田陽子、熊山准、藤原かすみ、矢口あやは、五月女菜穂、遠藤成、宮本さやか、小野アムスデン道子、石原有起、高松平蔵、松田朝子、宮﨑健二、井川洋一、草深早希

  • 鈴木博美

    旅行業界で15年間の勤務を経てフリーの旅行家に。旅を通じて食や文化、風土を執筆。日本航空機内誌のほか、新聞雑誌等に海外各地の旅の記事を寄稿。著書に一人旅に役立つ電子書籍「OL一人旅レシピ」インド編、カンボジア・ベトナム編、エジプト編、世界中のおいしい料理をおうちで作る「いつもの食材で作る世界の料理レシピ」。ブログ「空想地球旅行」で旅のあれこれを発信中。

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