楽園ビーチ探訪

島と島をつなぐ橋に、タクシーの列…… 激変するモルディブの首都マレ 

「インド洋の真珠のネックレス」とも例えられるモルディブ。1200ほどの島々が26の環礁(環状に形成されたサンゴ礁)を形成し、ネックレスのように南北に細長く連なっています。ひとつの島にひとつのリゾートしかない1島1リゾートが宿泊の基本スタイルです。その首都マレが、近年急速に発展してきています。

(トップ写真:水上飛行機から見たモルディブ。まるで惑星のようにラグーンや島がちりばめられた、小宇宙のよう)

連載「楽園ビーチ探訪」は、リゾートやカルチャー、エコなどを切り口に、国内外の海にフォーカスした読み物や情報を発信するビーチライターの古関千恵子さんが訪れた、世界各地の美しいビーチや、海のある街や島を紹介いたします。

タクシーの列に驚き! 急速に発展する首都マレ

モルディブの首都はマレ。南北約1.5キロ、東西約2.5キロのほぼ円形をした小さな島に、人口の3分の1を占めるおよそ14万人が暮らしています。空から見るとビルが島を埋め尽くし、世界で最も人口密度が高い首都のひとつ、といわれていることに納得します。

ビルが林立する首都マレ

びっしりとビルが林立するマレ。遠くに見えるのが、モルディブ・中国・友好橋

マレのここ数年の開発の動きには目覚ましいものがあります。ヴェラナ国際空港のある島(フルレ島)に隣接して埋め立てたフルマーレ島という人工島ができ、新しいビルが次々と誕生しています。そしてフルマーレ島-フルレ島―マレ島を結ぶ橋が2018年8月に開通しました。

橋

マレと国際空港のあるフルレ島が結ばれ、車での移動が可能になりました

そのおかげで、国際空港からマレへは、タクシーでも行くことができるようになりました。20年あまりマレを見てきましたが、2019年に客待ちのタクシーの列を見つけてびっくり! 思わず二度見してしまいました。橋が架かる前は見られなかった光景です。またフルマーレ島と国際空港を結ぶ路線バスも運行スタート。急激に交通インフラが整ってきています。

マレの滞在を旅の主目的としている人は少数派で、多くのツーリストが素通り、訪れるとしてもリゾートの前泊や帰国便の搭乗待ちなど、空いた時間を埋めるためでしょう。けれど街を歩けば、加速度的に便利になっていく中でも、変わらぬ人々の暮らしや文化に触れることができます。

新鮮な魚に美しいサンゴのモスク……変わらぬモルディブの暮らしも

ヴェラナ国際空港からマレへは伝統的な船ドーニが10分おきに運行し、所要時間もわずか5分。
ガイド付きの半日観光ツアーに参加するもよし、ぶらぶらと散策するもよし。観光スポットは港付近に集中していますし、そもそも歩いて回れる程度の小さな島です。

マグロを解体する人

魚市場の一角では、手早くマグロを解体する人が

港に面した魚市場は、モルディブの暮らしを垣間見る格好の場。水揚げされたばかりのカジキやカツオなどが並べられ、一角では豪快に巨大なマグロをさばいている人もいます。モルディブは魚介類の1人当たりの消費量が世界でもトップクラスなのです。魚市場の近くには、野菜市場もあります。ほとんどの食材を輸入に頼っていると聞きますが、天井から房ごとつるされたバナナなど、新鮮でおいしそう。

バナナ

野菜市場ではバナナなどが売られています

観光スポットの中でも目を引くのは、「フクル・ミスキー」(またの名を「オールド・フライデー・モスク」)。スルタン=イブラヒム=イスカンダル1世の統治時代の17世紀半ばに建造された、モルディブ最古のモスクです。

モスク

イスラム文化の美を集めた「フクル・ミスキー」

積み上げたサンゴのブロックに刻まれた彫刻のモチーフが精緻(せいち)かつ流麗なこと!

サンゴのブロック

かつて建材として使われていたサンゴのブロック。彫刻の美しさに目が釘付けです

一般的に、モルディブを訪れる人のほとんどが、アイランドリゾートでのバカンスがお目当て。玄関口である国際空港に到着後、近くの環礁のリゾート、または国内線で結ばれている環礁のリゾートならば、その日のうちに渡ることができます。しかし、水上飛行機を利用するリゾートは事情が異なり、運航は日没までしか行われていません。そのため空港への到着時間によっては、マレで1泊する必要があります。

水上飛行機

水上飛行機は日没までの運航。ちなみに、帰りのフライト時刻は前日夜までわかりません

華やかなリゾートライフの前後に、マレでモルディブの素顔に触れる。スキマ時間に、そんな寄り道いかがでしょうか?

PROFILE

古関千恵子

ビーチライター。リゾートやカルチャー、エコなどを切り口に、国内外の海にフォーカスした読み物や情報を発信する。ダイビング雑誌の編集者を経てフリーとなり、“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”を繰りかえすこと四半世紀以上。『世界のビーチ BEST100』(ダイヤモンド・ビッグ社)の企画・執筆、『奇跡のリゾート 星のや 竹富島』(河出書房新社)の共著のほか、ファッション誌(『Safari』『ELLE Japon』など)やウェブサイトに寄稿。ブログも配信中。

憧れの水上バンガローの夢かなう、タヒチの秘宝フアヒネ島

一覧へ戻る

天空から眺める、5億年の島の歴史 マレーシア・ランカウイ島

RECOMMENDおすすめの記事