ちょっと冒険ひとり旅

ボスニア・ヘルツェゴビナへ、バルカン半島4カ国ひとり旅#01

サラエボが最近、キテるらしいよ」

そんな情報を聞いた旅行ライターの山田静さんが、今回からバルカン半島で4カ国を巡る旅(全7回予定)を紹介します。まずはボスニア・ヘルツェゴビナへ。

(文・写真=山田静/TOP写真=古都モスタルにかかる橋、世界遺産のスタリモスト

■何回目かのひとり旅、ちょっとだけ冒険してみたい。そんな旅人のヒントになりそうな旅先や旅のスタイルを紹介している連載「ちょっと冒険ひとり旅」。京都で旅館の運営をしながら、旅行ライターとしても活躍する山田静さんが、飛行機やバスを乗り継いで比較的簡単に行ける、旅しがいのあるスポットをご紹介していきます。バックナンバーはこちら

バルカンに行こう!

2019年秋、バルカン半島に行くことにした。ずっと前からアルバニアに行ってみたかったのだが、旧ユーゴスラビア周辺は10年ほど前までのんきに旅ができるような状態ではなかった。

が、しかし。

「サラエボが最近、キテるらしいよ」
「あのへん、交通が便利で治安もいいし」
「メシも安くてウマいよ」

そんな話が旅仲間からちらほらと入ってくるようになり、女性のひとり旅も特に問題なさそうだ。どこもビザはいらないし、域内の多くの都市から、中東への航空路線がある。ということは、中東系の航空会社で乗り継いでいけば、入国地点と出国地点を別々の都市にして、一筆書きのようにバルカン半島を抜けることもできる。検索すると、トルコ航空がずいぶんと安くなっているではないか。

決めた。

バルカン半島に行こう。

ルート決めに迷う

近ごろの私の旅は、ネットでなんでも予約できることに味をしめて、ビザなどの渡航条件と治安状況を確認したら、往復のフライトと初日の宿泊だけ予約して、あとは適当に現地で、というスタイルになってしまった。

バルカン半島も同じで、ボスニア・ヘルツェゴビナのサラエボから入国し、徐々に南下してアルバニアのティラナから出国、だけ決めた。2週間あれば、どうにかなるだろう。

*参考:サラエボからティラナまでの地図イメージ
(今回の旅のルートではありません)

しかし、往路で経由するイスタンブールまでの機内で現地の情報を調べたら、頭を抱えることになった。

思ったより見るものが多そう。どこも面白そう。

さらに旅のルートにひとつだけ縛りがあって、隣国セルビアコソボの独立を認めていないので、コソボ→セルビアという直接の陸路国境越えは出来ない。セルビア→コソボは大丈夫だ。

いきなりバルカン半島の微妙な事情を突きつけられた感じもあるが、気ままに歩きたい旅人としては面白い。

バスの便は、豊富にある都市間もあれば、1日1便のような都市間、直通で行けない都市間などばらばらだ。

イスタンブール空港、トルコ航空の広告ボード。猫がいっぱいいる国ならでは

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イスタンブール空港の無料Wi-Fi登録をするモニター

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イスタンブール空港での乗り継ぎの待ち時間を使って、旅ノートにいくつもスケジュール案を書き、機内で検討しながらいくつもバツで消していくうち、あっと言う間にサラエボに到着した。

空港からタクシーに乗ると、おしゃべりなドライバーがサラエボ案内をしてくれる。

「いま走ってるのはスルプスカ共和国(通称:セルビア人共和国。隣国のセルビア共和国とは異なる)側なんだけど、私はこっちのタクシーライセンスを持ってないんだよね。ただ、空港に行くための通過は許されているんだ」

ボスニア・ヘルツェゴビナは連邦国家。「ボスニア・ヘルツェゴビナ連邦」と「スルプスカ共和国」、二つの構成体からなる。サラエボはその二つのエリアにまたがっていて、それぞれタクシーライセンスが別になっているのだという。

なるほど。スルプスカ共和国を5分で抜けて、タクシーはボスニア・ヘルツェゴビナ連邦にあるバスターミナルに到着した。初日はここからバスで2時間、古都モスタルを目指す。

「さよなら、いい旅を!」
「ありがとう!」

笑顔のドライバーに見送られ、バルカン半島の旅がスタートした。

ボスニア・ヘルツェゴビナ屈指の観光地、モスタルへ

ここからは地図と写真で。

サラエボのバスターミナル。今回の旅はほとんどがバス利用の予定

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ターミナルでチケットはすぐ買える。内容は読めない

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車窓風景はヨーロッパともアジアとも違う

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モスタルに到着! ボスニア紛争では激戦地となった古都だが、爆破された橋、スタリモストも2004年に修復され美しい姿を取り戻している。ボスニア・ヘルツェゴビナ屈指の観光地だ

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ネレトバ川の清流。スタリモストから約24メートル下の川にダイブする飛び込みは地元っ子たちに人気のスポーツ? 毎年飛び込み大会が行われている

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スタリモストの東側はイスラム教徒が多く住むエリア。アラブ風のお土産が並ぶ

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スタリモストの周辺にはかわいいカフェやバーも多い

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17世紀建造のモスク。シンプルな装飾と明るい色彩、独特のシャンデリアが印象的

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ボスニアン・コーヒー。トルコ式と同じで、煮出して飲む。最初は水をコーヒーに注いで上澄みと泡を楽しみ、次にコーヒーを。甘くして飲むのがおすすめ、だそう

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道をちょっと横に入ると、銃弾の跡でいっぱいの建物があってはっとさせられる。バルカンの旅はこの「はっとさせられる」の連続だった

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「DON'T FORGET」のサイン。戦争の傷はまだ残っている

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美しいモスタルの夜。旅ははじまったばかり!

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今回は、ここまで。
次回は、3月5日(木)配信予定。

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BOOK

ボスニア・ヘルツェゴビナへ、バルカン半島4カ国ひとり旅#01

京都で町家旅館はじめました(双葉社)

京都に開業した町家旅館のマネジャーをつとめることになった著者が、開業準備から実際の運営に至るまでのドタバタとドキドキ、そして京都のお気に入りスポットなどを綴(つづ)ったエッセイガイド。1540円(税込み)。

 

ボスニア・ヘルツェゴビナへ、バルカン半島4カ国ひとり旅#01

旅の賢人たちがつくった
女子ひとり海外旅行最強ナビ(辰巳出版)

連載「ちょっと冒険ひとり旅」著者の山田静さんが、海外ひとり旅に行きたいすべての人にお届けする、旅のノウハウをぎゅっと詰め込んだ1冊。行き先の選びかた、航空券やホテルをお得に効率よく予約する方法、荷物選びと荷造りのコツ、現地での歩きかたのツボ、モデルルート、遭遇しがちなトラブルとその回避法など、準備から帰国までまるっとカバーしました。旅の達人によるコラム記事やアンケートも満載で、ひとり旅の準備はまずこの1冊から。1650円(税込)。

PROFILE

山田静

女子旅を元気にしたいと1999年に結成した「ひとり旅活性化委員会」主宰。旅の編集者・ライターとして、『旅の賢人たちがつくったヨーロッパ旅行最強ナビ』(辰巳出版)、『決定版女ひとり旅読本』『女子バンコク』(双葉社)など企画編集多数。最新刊『旅の賢人たちがつくった 女子ひとり海外旅行最強ナビ』(辰巳出版)。2016年6月中旬、京都に開業した小さな旅館「京町家 楽遊」の運営も担当。

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