楽しいひとり温泉

温泉+美食 富山の宝物を味わう 春日温泉「リバーリトリート雅樂倶」

雪を抱く立山連峰の雄大な姿を眺めて川沿いを進み、リバーリトリート雅樂倶へと到着しました。エントランスを入ると目に飛び込んでくるのはアーティスティックなメインロビー。建築家・内藤廣氏設計のこの宿は、ホテルでも旅館でもなく、リトリート(隠れ家)。日常生活から離れて自分を癒やし、新鮮な体験をして心身を再生するための温泉宿なのです。いつまでも眺めたくなるエメラルドグリーンの神通川、ゆらめく暖炉の炎、日常のストレスが少しずつほどけていくようです。
(トップ写真:リバーリトリート雅樂倶のメインロビー)

■連載「楽しいひとり温泉」は、全国各地の温泉をめぐり、温泉・自然・食で美しくなる旅を研究する、温泉ビューティー研究家の石井宏子さんが、テーマごとにひとり温泉にぴったりなお宿を紹介します。

現代アートに囲まれて過ごす豊かな時間

温泉+美食 富山の宝物を味わう 春日温泉「リバーリトリート雅樂倶」

現代アートを部屋から眺められる112号室

リバーリトリート雅樂倶は、現代アート作品が宿の一部になっています。今回は、アートを独り占めできる新館プレミアムスイート温泉付き112号室「響の間」に宿泊。部屋専用の中庭に、陶芸家・現代美術家の鯉江良二氏の「みどり」という作品が置かれています。和室リビングは、このアート作品の庭を眺める特等席。どの部屋もひとり宿泊が可能です。

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部屋専用の温泉から神通川を眺める

部屋専用の温泉はいつでも、気ままに温泉ざんまい。小窓を開けると、川面を渡る風が心地よくリラックスできます。泉質は、ナトリウム-塩化物泉で、塩の成分が肌を包み、体の中までポカポカと温まって癒やされる温泉です。

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階段もアート作品

内藤氏の建築の見どころのひとつである新館の階段。「宙に浮く階段」という芸術作品なのです。下から支える柱はなく、無限に広がる浮遊感が不思議です。

富山ならではの漢方スパで心も体もすっきり

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スパに併設された温泉は宿泊者専用

さて、夕食の前に、スパへ向かいます。男女別の大浴場とは別に、スパの中にも宿泊者専用の温泉があります。露天風呂は横に長い湯船で、神通川を近くに感じられます。

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ぬるめの人工炭酸泉で血行促進

内湯は温泉ではないのですが、人工炭酸泉になっています。ぬるめの温度と炭酸ガスの働きでじっくりじんわり血行促進。コリや疲れがゆるんでほどけていきます。

お風呂や部屋のアメニティーも富山県産のものにこだわったオリジナル。富山県は古くから薬売りの歴史があり、薬草やハーブの宝庫なのです。

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漢方オイルと薬草蒸しに癒やされるスパ

ぜひ、受けたいのは、この宿にしかない特別なスパ。「雅漢樂トリートメント」のコースは、薬売りの文化が根付く、富山県ならではのコース。体調にあわせて調合された漢方オイルを使ったトリートメントと薬草蒸しの組み合わせ。リズミカルな動きとコリをほぐす指圧のような動きの組み合わせで、潜んでいた疲れの源まで流れていくようです。木製のドームは薬草蒸し用。和漢の薬草を煮出した蒸気で発汗してすっきり。

富山湾のお魚が美しい衣装をまとって踊りだす

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アミューズ4皿目は春の香りがいっぱい

リバーリトリート雅樂倶の新しいレストラン「Trésonnier(トレゾニエ)」は、34歳の料理人・田中逸平氏がシェフに就任して2020年2月27日にオープンしました。春の香りを漂わせて運ばれたアミューズの4皿目は、まるで小籠包のような風貌(ふうぼう)のお料理と大地から芽吹いたばかりのフキノトウを香りが飛ばないようにすぐにオイルとピューレにしたもの。中にはカモ肉ともち米とフキノトウピューレ、緑の香りたっぷりのフキノトウオイル。苦みと風味が口から鼻へと抜けていきます。

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花畑のように色鮮やかなミズダコのマリネ

あまりの美しさに感動して、しばし見とれてしまった、ミズダコの料理。赤カブやビーツの泡が春のお花畑のような装い、その下に繊細なミズダコが隠れています。

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イカをイカで包んだラビオリ

イカ・ラビオリと書かれていたので、パスタの中にイカが入っているのかと思いきや、なんと、全てがイカ。透き通るような柔らかなイカの身に包まれているのは、イカのミミやゲソのぷりぷりとした部位。とろんとした身の甘さ、焼いた芳しさ、異なる食感の対比。口の中でハーモニーとなって音楽が聞こえてきそう。薪(まき)で焼いた白菜の甘さが全体をふんわりとまとめています。

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中には甘くとろける白子が隠されています

「まんまる」と書かれた料理は、なんと、たこ焼きからインスピレーションを受けたとか。たこ焼きの中身は、たこではなく……とろ~りとろける、白子です。もう、おいしすぎて悶絶。

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本館の大浴場は男女入れ替えで異なる雰囲気を楽しめる

翌朝は本館の大浴場へ。ワイルドな雰囲気の赤石風呂にどぼんとつかり、じわじわと体の細胞が目覚めていくような気分。チェックアウトは午前11時なので、朝食をいただいたら、また、温泉に入ろうと思います。

富山県・春日温泉 リバーリトリート雅楽倶
https://www.garaku.co.jp/

■「楽しいひとり温泉」ポイント
1.富山の旬に出会える美食
2.神通川を眺める温泉
3.漢方オイルの特別なスパ

BOOK

温泉+美食 富山の宝物を味わう 春日温泉「リバーリトリート雅樂倶」

全国ごほうびひとり旅温泉手帖 いい湯、いい宿、旅ごはん!

石井宏子さんの著書「全国ごほうびひとり旅温泉手帖 いい湯、いい宿、旅ごはん!」(世界文化社)が11月16日に出版されました。温泉ビューティー研究家・旅行作家ならではの、旅してみつけた、女性がひとりで安心して楽しめる温泉宿を紹介するハンディーな一冊。公共交通機関で行ける、自分へのごほうびで泊まりたい、いい宿を全国から厳選し、あわせて、女性目線で選んだ周辺の立ち寄り先、ランチやスイーツも取り上げます。ひとりでも楽しい観光列車も登場します。税別1400円。

PROFILE

石井宏子

温泉ビューティー研究家・トラベルジャーナリスト。日本・世界の温泉や大自然を旅して写真撮影・執筆をする旅行作家。テレビにも出演。温泉・自然・食で美しくなる旅を研究する。海外ブランドのマーケティング・広報の経験から温泉地の企画や研修もサポート。日本温泉気候物理医学会会員、日本温泉科学会会員、日本旅のペンクラブ会員、気候療法士(ドイツ)、温泉入浴指導員。著書に「癒されてきれいになる おひとりさま温泉」(朝日新聞出版)、「地球のチカラをチャージ! 海温泉 山温泉 花温泉 76」(マガジンハウス)、「感動の温泉宿100」(文春新書)などのほか、「全国ごほうびひとり旅温泉手帖 いい湯、いい宿、旅ごはん!」(世界文化社)が11月に発売された。

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