あの街の素顔

ニューカレドニアの離島、イル・デ・パンは海の宝石箱!

海の中はリアル水族館! 現地の言葉で「クニエ(海の宝石箱)」と呼ばれるイル・デ・パンは、世界遺産のラグーンに囲まれた島。エメラルドブルーの海の中では色とりどりの熱帯魚や珊瑚礁(さんごしょう)を見ることができます。また、陸地では南洋杉が鬱蒼(うっそう)と茂り、森の中にいるような雰囲気。ニューカレドニア本島から空路で25分とアクセスが良いので訪れる人も多く、リゾートホテルも充実しています。
(文・写真:松田朝子)

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美しすぎる場所につくられた「流刑地」


南北15km、東西13kmのイル・デ・パンには1774年、探検家ジェイムズ・クックが到達しました。この時、クックは島の固有種である南洋杉を松の木と見間違え、島に「松の島」(Isle of Pines)という名前をつけたのです。

南洋杉の木立の中、忽然(こつぜん)と現れた朽ち果てた壁はなんと流刑地の跡。そこから中に入っていくとなんともおどろおどろしい牢獄跡が。

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牢獄跡の朽ち果てた壁

1853年にフランス植民地となったニューカレドニアは、その後流刑地となり、1871年に起きたパリ・コミューンの内乱の際は、政治犯約4千人がイル・デ・パンに送られてきました。本国からは船で4カ月かかった赤道を越える壮大な島流しで、のべ3万人ほどの人がニューカレドニアに送られ、後にこの刑罰は廃止されました。美しいビーチのすぐそばには、こんな悲しい歴史の遺構もあるのです。

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昼でも暗い牢獄跡の入り口に、明かりをともすような赤い花

海の宝石箱! クト・ビーチとカヌメラ・ビーチ


世界屈指の美しさを誇るイル・デ・パンのビーチの中でも、もっとも美しいとされるのがクト・ビーチ。ここでは、ミルキーブルーの海と白い砂浜に南洋杉が影を落とす、高原と海の融合が楽しめます。

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ビーチでは裸足になって、粉のような砂の感触を楽しんで!

真っ白な砂浜を歩いてみると、足裏に伝わる感触は砂というよりベビーパウダー! クト・ビーチの砂は世界一粒子が細かいとも言われ、スクラブの材料にも使われます。

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カヌメラ・ビーチ。海に浮かぶ森!

クト・ビーチから1本道を隔てたところにあるカヌメラ・ビーチは、南洋杉が群生する小島を望む神秘的なビーチです。海に浮かぶ岩の周囲は、絶好のシュノーケリングポイント。たくさんの海洋生物を見ることができます。ここはクト・ビーチとともにイル・デ・パンを代表する美しいビーチです。

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緑とブルーのコントラストが楽しめる

カヌメラ・ビーチの陸側には、不思議な枝振りをした木が群生しています。現地の言葉で「ブニ」というこの木は、枝が途中から横に張り出して、さらにそこからも曲がって伸びています。どれも一つとして同じようでなく、見ているだけで迷路に引き込まれたような気分になります。

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音楽をかけたら、踊りだしそうな木々

時の流れが止まったような島の中心地、バオ村


カヌメラ・ビーチを少し南下すると、バオという村に出ます。ここはイル・デ・パンの中心地であり、市場や学校、役所などはこのあたりに集中しています。

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バオ村の中心は、この教会

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素朴で心温まる礼拝堂

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村の人が広場に集まって、植物を編んだり縄をつくったり。子どもたちも参加して、大勢で伝統工芸品などを作っている


バオ村の海側には、イル・デ・パンに初めてカトリック宣教師が来た上陸記念の碑があります。青い海を背に、宣教師サンモーリスの像が、たくさんのトーテムに囲まれています。野生動物や鳥、人の顔などが刻まれたトーテムは、メラネシアのさまざまな部族が、それぞれの伝統に沿って刻んだ魔除け。団結してサンモーリス像を守っているかのようです。

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傾いているトーテムは、おどけているようにも見えてユーモラス!

島外不出のグルメも堪能!

固有種の生物が多く見られるイル・デ・パンには、ここでしか食べられない名物があります。写真の巻き貝は何とエスカルゴ。

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この貝は島外に持ち出すことが禁じられています

大皿に盛られた見た目には圧倒されますが、ガーリックバターの香りが食欲をそそります。意外とクセのない味でビールや冷たい白ワインなどとのマリアージュもバッチリ。イル・デ・パンに来たならば、一度はこのエスカルゴにトライしてみたいものです。

ニューカレドニアの先住民族カナックの伝統料理「ブーニャ」は、冠婚葬祭など特別な日に作られる料理です。

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バナナの葉で作った入れ物に盛り付けた少人数用のブーニャ

材料は、タロイモ、ヤムイモ、ジャガイモ、サツマイモ、バナナ、肉や魚など。これらをバナナの葉に乗せて、ココナツミルクを注いだら地中に埋めます。そこに焼けた石を乗せ、数時間蒸し焼きに。ブーニャは手間と時間と穴を掘る場所がないと作れないので、本島よりは離島の方が食べるチャンスも多いでしょう。味は淡白ですが、素材の味とココナツミルクの香りを楽しむことができます。

大自然の中の極楽リゾート

小さいながらも見どころの多いイル・デ・パンを遊び尽くすには、日帰りではもったいない! 泊まりがけでじっくりと楽しみたければ、おすすめは「ル・メリディアン・イル・デ・パン」。

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リゾートは敷地も広く、迷子になりそう

ここは、 イル・デ・パン唯一の5つ星リゾート。また、この地でナンバーワンの人気を誇る天然プール「ピッシンヌ・ナチュレル」に近く、ロケーションも最高です。通常、ピッシンヌ・ナチュレルへ行くにはオプショナル・ツアーに参加するなどアプローチが大変なのですが、 「ル・メリディアン・イル・デ・パン」からなら徒歩で行けて、入場料を取られることもありません。

「ル・メリディアン・イル・デ・パン」は、クトやカヌメラと並んで風光明媚(めいび)なオロ湾と、南洋杉やヤシが群生する森に囲まれた、野趣あふれるリゾートホテル。48室のゲストルームは、一棟独立型のバンガロースイートからホテルタイプの客室に至るまで、最新設備の居住空間なので、自然との一体感もゴージャスに楽しめるのです。

Le Méridien Ile des Pins
https://www.marriott.com/hotels/travel/ilpmd-le-meridien-ile-des-pins/

そして、「ル・メリディアン・イル・デ・パン」にステイしたなら、真っ先に行くべきはピッシンヌ・ナチュレル! ホテルからシュノーケルやビーチタオルを借りて、日本語で書かれた地図をもらい、 森や浅い川の中を歩くこと約15分。

ピッシンヌ・ナチュレルは、珊瑚の隆起でせき止められた海水の天然プール。外海からさえぎられているので波もなく穏やかです。ブルーグリーンのプールは透明度抜群。浅いところも深いところもあり、シュノーケルをつけて泳ぐと、水族館?と思えるくらい色とりどりの海洋生物に出会うことができます。水中カメラや、スマホを入れる防水ケースがあれば、カラフルな魚たちや珊瑚を撮ることもできます。

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ここではカフェもショップもトイレもない、手つかずの自然を満喫

昔ながらの帆掛船でクルーズを楽しむ!

オロ湾では、今でも漁に使われているという船「ピローグ」に乗って大海原へ! 船の片側に丸太が取り付けてある帆掛船です。この丸太でバランスをとります。

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ピローグ

水面との距離も近いので、船の上で寝そべると海に抱かれているような気分になります。

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時折現れる魚や、通り過ぎる大小の島々を眺めながら、どこにも上陸しないクルーズは、至福のひと時!

都会から来ると、不便なところもあるイル・デ・パンですが、手つかずの深い森と、ホワイト&ブルーのショーを楽しませてくれる宝石箱の海は、日常生活のストレスを全て吹き飛ばしてくれるでしょう。

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PROFILE

  • 「あの街の素顔」ライター陣

    こだまゆき、江藤詩文、太田瑞穂、小川フミオ、塩谷陽子、鈴木博美、干川美奈子、山田静、カスプシュイック綾香、カルーシオン真梨亜、シュピッツナーゲル典子、コヤナギユウ、池田陽子、熊山准、藤原かすみ、矢口あやは、五月女菜穂、遠藤成、宮本さやか、小野アムスデン道子、石原有起、高松平藏、松田朝子、宮﨑健二、井川洋一、草深早希

  • 松田朝子

    東京・銀座の料亭に生まれ、戦前から続いた料亭を2009年にたたみ、現在は旅行作家/ライターとして旅行メディア等で活動中。日本旅行作家協会会員。旅をして、変なものを見つけると書かずにはいられなくなる癖あり。主な著書に「空飛ぶベビーカー」(東京経済刊)、「子供も大人も ラスベガスの達人」(山と渓谷社刊)、「旅先だとどうして彼は不機嫌になるの」(自由国民社刊)。

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