旅空子の日本列島「味」な旅

都会化の中に息づく宿場町の名残 埼玉・春日部市

埼玉県東部に位置する春日部市は、江戸時代、日本橋からの日光道中(街道)の粕壁宿として栄えた宿場町。「おくのほそ道」の旅で松尾芭蕉も宿泊したと推測される。今は東京のベッドタウンとして発展を続けている。

春日部駅東口側にある情報発信館「ぷらっとかすかべ」に入って、マップをもらいがてら見どころ・食べどころを尋ねた。

都会化の中に息づく宿場町の名残 埼玉・春日部市

町の歩みを分かりやすく展示する郷土資料館

まずは市立粕壁小学校に隣接する「市郷土資料館」に立ち寄った。石器、土器、貝塚、古墳など古代から宿場、近代、現代までの歴史や風土、文化を親しみ深く分かりやすく展示。春日部の歴史をざっくり予習して、発展の礎になったかすかべ大通りを歩いた。

起点の八坂神社は小さな社だが、地元で“天王様”と親しまれている。毎年7月の“春日部夏まつり”はもともとここの祭礼から始まったという由緒ある神社。

都会化の中に息づく宿場町の名残 埼玉・春日部市

松尾芭蕉が泊まったとされる東陽寺

道を隔てたところにある東陽寺は芭蕉が泊まったと推測される寺。同行した芭蕉の弟子・曾良の日記「廿七日夜カスカへニ泊ル江戸ヨリ九里余」の一節を刻んだ記念碑があった。

都会化の中に息づく宿場町の名残 埼玉・春日部市

利根川せんべい

沿道に店を構える「利根川煎餅(せんべい)」は、青のりやみそ風味のバリっと堅い手焼きのせんべいがおいしい。塩味の小豆餡(あん)入り「塩あんびん」を今も手作りする「江戸助」もあり、伝統の風味が感じられた。

都会化の中に息づく宿場町の名残 埼玉・春日部市

道沿いにある商家の蔵

さらに北西に歩を運んだ東屋田村本店前には大きな石の道しるべ。元は三差路にあったので、日光、岩槻、江戸の3方向の地名が刻まれている。この辺りは北側の利根川まで蔵が続く大きな商家が並んでいた。

都会化の中に息づく宿場町の名残 埼玉・春日部市

春日部やきそば

昼食には焼き麺+あんかけ+青ジソふりかけが特徴の「春日部やきそば」を駅前の「ヤマヤ」で食べた。

都会化の中に息づく宿場町の名残 埼玉・春日部市

まんじゅう「麦わらぼうし」

店の人に聞くと、春日部は桐ダンス、押し絵羽子板、麦わら帽子の全国屈指の生産地という。また漫画「クレヨンしんちゃん」の舞台でも有名だ。中でも特産品の麦わら帽子にちなんだ「青柳」のまんじゅう“麦わらぼうし”は、見た目もとても愛らしかった。

〈交通〉
・東武伊勢崎線または東武野田線春日部駅下車
〈問合せ〉
・ぷらっとかすかべ 048-752-9090
・春日部市観光協会 048-763-1122

※都道府県アンテナショップサイト「風土47」より転載。

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PROFILE

中尾隆之

中尾隆之(なかお・たかゆき)ライター
高校教師、出版社を経てフリーの紀行文筆業。町並み、鉄道、温泉、味のコラム、エッセイ、ガイド文を新聞、雑誌等に執筆。著作は「町並み細見」「全国和菓子風土記」「日本の旅情60選」など多数。07年に全国銘菓「通」選手権・初代TVチャンピオン(テレビ東京系)。日本旅のペンクラブ代表・理事、北海道生まれ、早大卒。「風土47」でコラムを連載中。

伝統の技と味と祈りの心が生きる 雅な岐阜・飛驒古川

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