ちょっと冒険ひとり旅

コソボの首都で味わいある建築に出合う バルカン半島4カ国ひとり旅#04

長く続いた争いの時代を経て、いま旅人の間で注目を集めているバルカン半島。旅行ライターの山田静さんが2019年秋に旅したバルカン半島4カ国の旅を7回に分けて紹介します。前回は、ボスニア・ヘルツェゴビナからセルビアへ。今回は3カ国目のコソボへ入ります。

(トップ写真はコソボの首都プリシュティナ)

■何回目かのひとり旅、ちょっとだけ冒険してみたい。そんな旅人のヒントになりそうな旅先や旅のスタイルを紹介している連載「ちょっと冒険ひとり旅」。京都で旅館の運営をしながら、旅行ライターとしても活躍する山田静さんが、飛行機やバスを乗り継いで比較的簡単に行ける、旅しがいのあるスポットをご紹介していきます。バックナンバーはこちら

セルビアからコソボへ

セルビアのベオグラードからコソボの首都プリシュティナへと向かう直行バスの車内、ちょっぴり緊張してパスポートを握りしめていた。

「バルカン半島4カ国ひとり旅」1回目でお話ししたとおり、セルビアはコソボの独立を認めていないので、コソボからセルビアへ直接陸路での入国はできない。だがセルビアからコソボへ入ることはできる。

そんな事情から、国境というか境界はきっとピリピリとした雰囲気……と思ったら、セルビア側では車内で係員が無造作に身分証を集めてチェックするだけ。日本のパスポートを見て「おや?」という風にちらりと顔を見られたがそれで終わりだ。コソボ側も乗客は車内に留まったままで、さっさと通過。車窓からは、国境管理事務所がちらりと見えた。小屋のような建物には「EU Operation」と書かれ、EUの旗がひるがえっていた。

壊れたビルや放置された土地が目立ったセルビアを抜けコソボに入ると、風景が急に変わった。森や小川、牧場、たまに道の駅のような農産物販売所を兼ねたドライブイン。バスの中には陽気な音楽が流れ出した。

あれ? もうちょっと緊張感あるかと思ったら、なんか違った。

こうして入国したコソボの旅は、意外な面白さに満ちていた。

黄葉

国境通過は10月14日。道中の黄葉が美しかった

かぼちゃ

コソボのドライブイン。かぼちゃが山盛り!

双頭の鷲の構造物

プリシュティナへ向かう分かれ道にあったのは「双頭の鷲(わし)」の構造物

建築巡りが楽しいプリシュティナ

コソボ初日の夜、泊まったのは首都プリシュティナ。夜遅くまで街に人がいっぱいで、オープンエアのカフェやバーが通りに並ぶ明るい雰囲気の街だ。到着日の夜、ぶらぶらと街を歩いていたら突然大きな像が現れ、見上げるとビル・クリントンだった。1999年にNATOが行ったベオグラード空爆時の功績をたたえて建立された像で、近くの道もビル・クリントン通りと名付けられた……そうだが、「今は誰もそんな呼び方しないよ」と宿の主人は笑っていた。

ビル・クリントン像

暗闇に浮かぶビル・クリントン像。急に出てくるのでちょっと怖い

ケーキ屋さん

かわいいケーキ屋さん。ジェラートやクッキー、キャンディーなども売っていて、女の子たちでいっぱい

夕食

到着日の夕食はシーフードリゾットとチーズとオリーブたっぷりのサラダ。デザートもつけて13ユーロ。安い

遊具

街角にはこんな遊具も。パンチ力の点数を競う、ちょっと懐かしい感じの遊びに夢中になる若者たち

翌日は快晴のなか、プリシュティナを散策。ここからは、写真で紹介していこう。

ファーマーズ・マーケット

街の中心で開かれていた小さなファーマーズ・マーケット

ピクルス

ピクルスがずらり。バルカン半島はどこも野菜がおいしい

モニュメント

旅人の間で人気なのは、プリシュティナに点在する妙な味わいの現代建築やモニュメント。社会主義時代に建てられたもので、東欧風の街の景観とは関係なく急に出てくるので面白い

プリシュティナ

マザー・テレサ大聖堂の上から眺めるプリシュティナ。右下の、あぶくがたくさん載ったような建築は国立図書館。隣の赤い建物はセルビア正教の教会

黒い屋根の建物

奇妙な黒い屋根の建物は、スポーツセンター

マザー・テレサ大聖堂

コソボにも多いアルバニア人だったマザー・テレサをたたえ建立された大聖堂。パキッとした白さで明るく、過剰な装飾がない内装が、報道などで知っていたマザー・テレサの雰囲気に合っているな、と感じた

ステンドグラス

マザー・テレサ大聖堂のステンドグラス

さて、次回はプリシュティナから再びバスに乗り、かわいらしい古都プリズレンへと向かう。

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BOOK

コソボの首都で味わいある建築に出合う バルカン半島4カ国ひとり旅#04

京都で町家旅館はじめました(双葉社)

京都に開業した町家旅館のマネジャーをつとめることになった著者が、開業準備から実際の運営に至るまでのドタバタとドキドキ、そして京都のお気に入りスポットなどを綴(つづ)ったエッセーガイド。1540円(税込み)。

 

コソボの首都で味わいある建築に出合う バルカン半島4カ国ひとり旅#04

旅の賢人たちがつくった
女子ひとり海外旅行最強ナビ(辰巳出版)

連載「ちょっと冒険ひとり旅」著者の山田静さんが、海外ひとり旅に行きたいすべての人にお届けする、旅のノウハウをぎゅっと詰め込んだ1冊。行き先の選びかた、航空券やホテルをお得に効率よく予約する方法、荷物選びと荷造りのコツ、現地での歩きかたのツボ、モデルルート、遭遇しがちなトラブルとその回避法など、準備から帰国までまるっとカバーしました。旅の達人によるコラム記事やアンケートも満載で、ひとり旅の準備はまずこの1冊から。1650円(税込み)。

PROFILE

山田静

女子旅を元気にしたいと1999年に結成した「ひとり旅活性化委員会」主宰。旅の編集者・ライターとして、『旅の賢人たちがつくったヨーロッパ旅行最強ナビ』(辰巳出版)、『決定版女ひとり旅読本』『女子バンコク』(双葉社)など企画編集多数。最新刊『旅の賢人たちがつくった 女子ひとり海外旅行最強ナビ』(辰巳出版)。2016年6月中旬、京都に開業した小さな旅館「京町家 楽遊」の運営も担当。

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