京都ゆるり休日さんぽ

暮らしをちょっと豊かにする、京都のライフスタイルショップ「keiokairai(ケイオカイライ)」

「ケイオカイライ」。なんだかおまじないのような、不思議な響きを持つこちらの店。名物書店の恵文社一乗寺店をはじめ、カルチャーやオーガニックへの感度が高い店が点在する一乗寺で今、心潤すデザインとクオリティーの品々に出合えると人気です。家で過ごす時間や暮らしのルーチンを豊かにするプロダクトを見つけました。

■暮らすように、小さな旅にでかけるように、自然体の京都を楽しむ。連載「京都ゆるり休日さんぽ」はそんな気持ちで、毎週金曜日に京都の素敵なスポットをご案内しています。
(文:大橋知沙/写真:津久井珠美)

長く使えて、心地よい。フィンランドデザインから学んだ知恵

店内

格子窓からの光が心地よい店内。3階まであり、1階は常設の品、2階は個展や企画展のスペース、3階は家具ブランド「NIKARI」を展示

ギャラリーのような、シンプルで光が降り注ぐ空間に並ぶのは、国内外から集めた上質な衣食住のプロダクト。成分や環境に配慮した日用品から、若き作家の手仕事の品、日本では取り扱いの少ない海外ブランドなど、店主の宮脇啓(たかし)さん・美和さん夫妻の審美眼が光ります。

ハンブルブラッシュなど

竹製の歯ブラシ「ハンブルブラッシュ」(1本630円・税別)はギフトにも喜ばれる。他、イギリスのオーガニックケアブランド「Austin Austin」のヘアケア、成分や環境に配慮した「Davids」の歯磨き粉など

「この店を開く前は、10年以上フィンランドのビンテージの品を扱うショップを営んできました。フィンランドのデザインの根底にあるのは、“サステイナブル”“ロングライフ”といった、ものと人との関係性。そのあり方を見つめるうちに、フィンランドにこだわらずさまざまな国から、日本の暮らしにフィットする美しいものを集めたくなったんです」

ビンテージの品コーナー

フロアの一角には、フィンランドのビンテージの品が並ぶコーナーも

そう話す美和さんは、主に店頭での接客を担当。生活雑貨だけでなくレディースの衣服やコスメも、セレクトは夫の啓さんが担っているとか。SNSやネットショッピングが普及し、お目当ての品をどの店からでも買えるようになったからこそ、「ここにしかないもの」を選んで空間ごと楽しんでもらうことを大切にしています。

スマホポシェット

台湾のブランド「KAMARO’AN」のスマホポシェット。キャッシュレスで身軽にお出かけしたい時に

「無名の作家さんでも、他のお店で見かけたことのないような海外ブランドでも、気になったらコンタクトを取ります。彼いわく、作品はもちろん、SNSの写真やコレクションの世界観にひかれることも重要だそう。作り手自身が持つ空気に共感できると、作品やプロダクトもやっぱり好きなものだったりします」

ものとの新しい出合いに、喜びと安心を

アパレルの商品

アパレルは「TENNE HANDCRAFTED MODERN」「5W」などをセレクト

気になったものは取り寄せ、必ず自分たちで使ってみるという2人。目にふれて心地よいデザインかどうか、使い心地や耐久性はどうか、それらに対して納得できる価格か……。消費者目線で吟味するのは、美和さんの役割です。中には、暮らしにフィットせず、店での取り扱いをあきらめたものも。つまり、「keiokairai」に並ぶものはどれも、宮脇さん夫妻が実体験とともに「生活を豊かにしてくれる」と感じた品々ばかりなのです。

広々としたフロア

広々としたフロアでゆったりと買い物を楽しめる。中央のテーブルは、青森のヒバ製品。抗菌・消臭に優れた日用品が並ぶ

「聞いたことのないブランドや作家に出合うのは、楽しい半面、心配もありますよね。初めてのものでも安心して買えるよう、自分たちの体験を伝えられたら。そうした出合いや会話の楽しみも含めて、“ここで買いたい”と思っていただける店でありたいです」

食器

エメラルドグリーンが美しい、ARABIA社「24h」シリーズ。現在は作られていないが、色あせないデザインにファンが多い

どこか北欧の言葉のような響きのある「ケイオカイライ」は、「古きを受け継ぎ、未来を切り開く」という意味の四字熟語「継往開来(けいおうかいらい)」から名付けたのだそう。フィンランドデザインから得た知恵を、現代のライフスタイルや日本人の感性にフィットするもの選びに生かし、伝えていく――。京都の小さなライフスタイルショップが発信する、サステイナブルでロングライフな品々は、今日を楽しみ、明日を豊かにするヒントを教えてくれます。

外観

近隣には、恵文社一乗寺店や自然派食材のスーパーマーケットも。暮らしをほんの少しランクアップさせてくれる買い物を楽しめそうだ

keiokairai ※最新の営業状況は、お店のホームページやインスタグラムなどでご確認ください。
http://www.keiokairai.co
https://www.instagram.com/keiokairai/

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BOOK

暮らしをちょっと豊かにする、京都のライフスタイルショップ「keiokairai(ケイオカイライ)」

京都のいいとこ。

大橋知沙さんの著書「京都のいいとこ。」(朝日新聞出版)が6月7日に出版されました。&TRAVELの人気連載「京都ゆるり休日さんぽ」で2016年11月~2019年4月まで掲載した記事の中から厳選、加筆修正、新たに取材した京都のスポット90軒を紹介しています。エリア別に記事を再編して、わかりやすい地図も付いています。この本が京都への旅の一助になれば幸いです。税別1200円。


PROFILE

  • 大橋知沙

    編集者・ライター。東京でインテリア・ライフスタイル系の編集者を経て、2010年京都に移住。京都のガイドブックやWEB、ライフスタイル誌などを中心に取材・執筆を手がける。本WEBの連載「京都ゆるり休日さんぽ」をまとめた著書に『京都のいいとこ。』(朝日新聞出版)。編集・執筆に参加した本に『京都手みやげと贈り物カタログ』(朝日新聞出版)、『活版印刷の本』(グラフィック社)、『LETTERS』(手紙社)など。自身も築約80年の古い家で、職人や作家のつくるモノとの暮らしを実践中。

  • 津久井珠美

    1976年京都府生まれ。立命館大学(西洋史学科)卒業後、1年間映写技師として働き、写真を本格的に始める。2000〜2002年、写真家・平間至氏に師事。京都に戻り、雑誌、書籍、広告など、多岐にわたり撮影に携わる。

名物・コッペパンサンドを求めて。京都人に愛される街のパン屋「まるき製パン所」

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