魅せられて 必見のヨーロッパ

氷に注ぐウォッカと凍ったオームリ バイカル湖・バルグジン湾 ロシアの旅(5)

ツアーの行き先としてはあまりメジャーでないけれど、足を運べばとりこになる。ヨーロッパを知り尽くした作家・写真家の相原恭子さんがそんな街を訪ねる「魅せられて 必見のヨーロッパ」。今回は、2月に出かけたロシア旅の5回目。バイカル湖に突き出したスヴャトイ・ノス(ロシア語で聖なる鼻という意味)半島へ向かいます。千変万化する氷の形と色彩を堪能しつつ、凍結した湖の上で、思わぬ宴会が!

【動画】氷上を華麗に「舞う」車

<-27℃ ガラスのように凍ったバイカル湖を歩く ロシアの旅(1)>はこちら
<金色に輝く夕暮れのバイカル湖 リストヴャンカ ロシアの旅(2)>はこちら
<バイカル湖上を疾走 無形文化遺産の村タルバガタイへ ロシアの旅(3)>はこちら
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バイカル湖に突き出す最大の半島

ブリヤート共和国の首都ウラン・ウデから車で、約145km離れたグレミャチンスク村のバイカル湖の近くにある「バイカル・リビエラホテル」へ。1泊して翌朝、バイカル湖にある最大の半島と言われる、スヴャトイ・ノス半島へ向かいました。

バイカル湖上へはマイカーやタクシーは入れませんので、半島近くの駐車場に湖上案内の専用車が待機しており、観光客が集まって相乗りします。さあ、半島の南側に位置するバルグジン湾の氷上へ出発。場所により様々な表情を見せるバイカル湖の透明なぶ厚い氷の風景と雪をいただいた山の絶景を楽しみました。

バルグジン湾を車で進み、運転手さんおすすめの場所で下車。景色は冒頭の動画をご覧ください。白く雪に覆われた山々がそびえているのは、スヴャトイ・ノス半島です。

【動画】氷上を歩いて見た

慣れない氷上では、足元が滑ります。動画撮影しながら歩くのはいつも一苦労。防寒対策を第一に考えて用意したモコモコのファーが付いたブーツの底には、なんと滑り止めが付いていなかった! この時に気づいたけれど、もう遅い!

氷に注ぐウォッカと凍ったオームリ バイカル湖・バルグジン湾 ロシアの旅(5)

車から降りて、氷結した湖上を散策


氷に注ぐウォッカと凍ったオームリ バイカル湖・バルグジン湾 ロシアの旅(5)

氷の下を思わずのぞきたくなります

氷が織りなす色彩と形を堪能

透明な厚い氷にできた模様は自然がつくったアートのようです。

氷結した湖面とスヴャトイ・ノス半島の風景を堪能した後、また車に乗り、今度は氷の山が美しい穴場へ向かいます。

【動画】氷の塊を眺めつつ

先導するガイドさんが、先がとがった長い杖で氷の厚さを調べながら進みます。

氷に注ぐウォッカと凍ったオームリ バイカル湖・バルグジン湾 ロシアの旅(5)

壁のように盛り上がった氷の山に圧倒されます

ペパーミントブルーと白が織り成すクールな色調に目を奪われ、自然の強さを感じます。ロマン派の画家カスパー・ダーヴィト・フリードリヒの「氷の海」を思い出しました。

氷に注ぐウォッカと凍ったオームリ バイカル湖・バルグジン湾 ロシアの旅(5)

透明な厚い氷の上に、さらに何層にも重なる氷

遠くを眺めると、雲海のようにも見えます。

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光の加減でブルーからパープルがかった色調に

周囲の氷山の色彩と形は、眺めていて飽きません。

氷の板でお酒 アテは凍ったオームリ

氷に注ぐウォッカと凍ったオームリ バイカル湖・バルグジン湾 ロシアの旅(5)

氷の穴にお酒を流し込んでストローでいただきます

いつのまにか皆さん、氷の板に穴を開けてお酒を注ぎ込み、味わっておられます。
氷の山を撮影していて私は出遅れました! よく冷えたウォッカやリモンチェッロ、マティーニなどをストローで飲んでみると、非常に美味。思い出すと、また飲みたくなります。

氷に注ぐウォッカと凍ったオームリ バイカル湖・バルグジン湾 ロシアの旅(5)

凍ったオームリ

バイカル湖名産の魚オームリを、凍ったままお刺身のようにいただきました。北海道の郷土料理ルイベみたい。ガイドさんがおしょうゆを用意してくれました。お箸を持つ皆さんの手がつぎつぎに伸びてきて、きれいな写真が撮れません。それも、おいしい証拠ですね!

快く口の中でほぐれるオームリの身、忘れがたい現地ならではの味わいです。

氷に注ぐウォッカと凍ったオームリ バイカル湖・バルグジン湾 ロシアの旅(5)

帰り道、小さな小屋が目につきました

氷結した湖上のあちこちに小さな小屋が並んでいます。

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中を見せてもらうと、釣り人が

1週間程度ここで生活しながら、氷に穴を開けて魚を釣るそうです。余りに狭い小屋なので、カメラアングルを斜めにしないとヤカンなど部屋の雰囲気が写せませんでした。あー、寒そう。

氷に注ぐウォッカと凍ったオームリ バイカル湖・バルグジン湾 ロシアの旅(5)

次第に傾く太陽。ガイドさんが撮ってくれました

夕暮れ時、私もしばしロマンチックな気持ちになりました。

さて、次回はバイカル湖の氷の洞窟と温泉です。極寒の中、裸になって温泉へ入れるものかしら?

Metropol-Express
http://metropol-express.ru/eng/index.wbp

S7航空
https://www.s7.ru/

日本旅行業協会
https://www.jata-net.or.jp/

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PROFILE

相原恭子(文・写真)

慶應大学卒業。ドイツ政府観光局勤務を経て、作家&写真家。「ドイツ地ビール夢の旅」(東京書籍)、「ドイツビールの愉しみ」(岩波書店)、「ベルギー美味しい旅」(小学館)、「京都 舞妓と芸妓の奥座敷」(文春新書)、「京都 花街ファッションの美と心」(淡交社)、英語の著書「Geisha – A living tradition」(フランス語、ハンガリー語、ポーランド語版も各国で刊行)など著書多数。国内はもちろん、国際交流基金・日本大使館の主催でスペイン、ハンガリー、エストニアで講演会や写真展多数。NHK「知る楽」「美の壺」、ラジオ深夜便「明日へのことば」「ないとエッセー」、ハンガリーTV2、エストニア国営放送など出演多数。
https://blog.goo.ne.jp/goethekyoko

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