太公望のわくわく 釣ってきました

クーラー満タンを目指し梅雨イサキを狙え 千葉県いすみ市・大原港

西へ東へ、海へ川へと旅して釣りする太公望たちの奮闘記です。魚との知恵比べ、釣った魚で一杯……。目的は人それぞれながら、闘いの後の心地よい疲労と旅情は格別。今回は、朝日新聞の西田健作記者が、千葉県いすみ市の大原港から梅雨イサキを狙いに出航しました。都道府県境をまたぐ移動自粛要請が全面解除され、感染症対策に気配りする中での釣果は……。

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感染症対策に気配りしながらの釣り

都道府県境をまたぐ移動の自粛要請が6月19日に全面解除され、釣りに行ける状況になってきました。新型コロナウイルスとの戦いは長引きそうなので、釣り人としては、感染症対策と釣りを両立させていきたいところです。

さて、関東で梅雨が旬の釣りものといえば、イサキ釣り。魚のご機嫌が良ければクーラー満タンも狙える釣りものです。しかも、この時期の良型イサキは、メスなら抱卵し、オスなら白子が入っていて、食べる楽しみも倍なのです。雨にぬれても釣る価値はある。ということで6月20日、千葉県いすみ市の大原港から、梅雨イサキを狙ってきました。

お世話になったのは、「つる丸」さん。午前3時45分に受付を済ませ、釣友の淺野眞さんとさっそく船に乗り込みました。

海風にさらされる船釣りは、密室に比べれば感染のリスクがそれほど高くないとは思いますが、それでも各船宿さんは、間隔を空けるために乗船者数を減らしたり、船室の使用を制限したり、マスクの着用を呼びかけたりと、様々な対策をしています。釣り人の私もそれに応えて、気持ちよく一日を過ごしたいものです。

クーラー満タンを目指し梅雨イサキを狙え 千葉県いすみ市・大原港

大漁を夢見て大原港を出る。梅雨の合間の好天に

午前4時20分、船は日の出前の港を出て、ポイントに向かいました。東に向かって30分ほど。この日は前日の荒天から回復し、まさに釣り日和。美しい日の出を眺めているうちにポイントに到着し、釣りの開始となりました。

大原のイサキ釣りは、岩礁帯にいる群れをアミエビで寄せて、カラー針を食わせるのが基本の釣り方。なぜかイサキはキラキラしたカラー針を餌と間違ってしまうんです。

魚群探知機にイサキ! でも魚信がない

「20メートルから25メートル」。魚群探知機を見ながら、船長さんがイサキが泳いでいる水深をマイクで伝えます。その情報をもとに、アミエビを詰めたプラスチック製の黄色いビシを25メートルまで落として、竿(さお)をひとしゃくり。リールを巻いて、さらにひとしゃくり。またリールを巻いて、最後にひとしゃくり。しばし待ちます。

しゃくるごとにビシの穴からアミエビが出て海中を漂い、リールを巻くことでその中にカラー針が紛れ込むのです。

クーラー満タンを目指し梅雨イサキを狙え 千葉県いすみ市・大原港

大原のイサキは餌をつけないカラー針で狙う

1分ほど待って反応がなければ、またビシを25メートルまで落として繰り返し。「30匹も釣ったらクーラーに入りきらないかも。冷凍庫にも入らないから近所に配らないと」。そんな皮算用をして竿先を見つめますが、なぜか魚信がありません。イサキはいないのか。

クーラー満タンを目指し梅雨イサキを狙え 千葉県いすみ市・大原港

海上はなぎ。船上も沈黙が続く

魚群探知機を見ると、しっかりと魚の群れが表示されています。でも、船上は沈黙のまま。忘れた頃に、ぽつり、ぽつりとイサキが取り込まれますが、私のところにその順番が回ってきません。いつものことですが、今日もまずいかも。

まくアミエビの量を減らしてみたら

なぜイサキがカラー針に食いつかないのか。イサキ釣りでよくある失敗が、釣れないからと、アミエビをさらにたくさんまいてしまうことです。もともと食い気のないイサキがさらにおなかいっぱいになり、カラー針を食わなくなってしまう悪循環に陥ることが多いんです。

クーラー満タンを目指し梅雨イサキを狙え 千葉県いすみ市・大原港

この日のイサキはご機嫌ななめ。おけに魚がたまっていかない

私は「クーラー満タン」の夢を早々にあきらめて、アミエビをまく量をギリギリまで減らすことにしました。こうすると、寄ってくるイサキの数は減りますが、食欲のあるイサキがカラー針を吸い込むかもしれません。ほかが食べないときに食べる。どこの世界にも少数派はいるはずです。

でも、少数派はやはり少数派。なかなかやってきません。アミエビを詰めて、しゃくっての作業を1時間ほど繰り返したでしょうか。長い沈黙を経て、ついに竿先がブルブルと震えました。竿の曲がり具合からすると、サイズも期待できそう。慎重に巻き上げて、ついに梅雨イサキをゲットしました。38センチの良型です。ほっと一息つきました。

クーラー満タンを目指し梅雨イサキを狙え 千葉県いすみ市・大原港

ようやくイサキを釣り上げた筆者

その後も、待てども待てども、ブルブルっとくるのは1時間に1度ぐらい。ひょっとしたら魚探の大群はイサキではないのかも。たまりかねたほかの釣り人がビデオカメラで水中を撮影すると、悠々と泳ぐイサキの大群がしっかりと映ってました。イサキは確かにいます。さて、どうするか。

釣れたのはウマヅラハギ

次の手として針にオキアミをつけてみることにしました。するとすぐにウマヅラハギが針がかり。すぐに血抜きをすれば普通においしい魚なのですが、梅雨イサキとは段違い。次こそはと、再度オキアミをつけてみると、またもウマヅラハギでした。やっぱりカラー針に戻して忍耐強く待つしかない。

クーラー満タンを目指し梅雨イサキを狙え 千葉県いすみ市・大原港

オキアミをつけたらウマヅラハギが針がかり

結局、午前11時ごろの納竿までに、私のカラー針を吸い込んでくれたのは7匹だけ。20センチ以下の3匹をリリースしたので、持ち帰りは4匹のみでした。

クーラー満タンを目指し梅雨イサキを狙え 千葉県いすみ市・大原港

小さいイサキはリリース

まあ、自然相手の釣りなので、こんな日もありますね。何より、対策をしながらですが、コロナ以前のように釣りができたのは大きな収穫でした。

クーラー満タンを目指し梅雨イサキを狙え 千葉県いすみ市・大原港

クーラーはやや寂しい結果に


クーラー満タンを目指し梅雨イサキを狙え 千葉県いすみ市・大原港

大原港に帰港すると、釣り人を乗せ替えてマダイ狙いの午後船が出発

炙り刺し身に、塩焼きに

持ち帰ったイサキは、皮目をバーナーで炙(あぶ)ったものと、ひいたものの2種類の刺し身に。皮目に脂が乗っているので、炙り刺し身が特におすすめです。白身と赤身の中間のような味がして格別のおいしさ。

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イサキの刺し身の盛り合わせ

シンプルな塩焼きでは、そのうまみがさらに凝縮されます。スダチをしぼって食べれば、箸が止まりません。抱卵しているイサキもいて、4匹でも我が家の夕食には十分な量でした。

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イサキの塩焼き。皮目のところに脂が乗っている

梅雨イサキは、今が本格的なシーズンです。船を下りれば、貧果だったことなどすっかり忘れてしまうのが釣り人というもの。「クーラー満タン」を目指して、また行かなければ。

「つる丸」
http://www.turumarutairyou.com/

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安田明彦、猪俣博史、西田健作、石田知之、木村俊一

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