ちょっと冒険ひとり旅

ダラダラできる湖畔の町ポカラ ネパールひとり旅#2

いろんなことに疲れたな、という時、決まって行きたくなるのがネパールだという旅行ライターの山田静さん。2018年までに10回以上訪れているという旅のなかから、前回のカトマンズに続いて紹介するのは、山岳リゾート・ポカラ。ヒマラヤを一望する湖畔の小さな登山基地です。

(トップ写真はペワ湖の夕暮れ)

■何回目かのひとり旅、ちょっとだけ冒険してみたい。そんな旅人のヒントになりそうな旅先や旅のスタイルを紹介している連載「ちょっと冒険ひとり旅」。京都で旅館の運営をしながら、旅行ライターとしても活躍する山田静さんが、飛行機やバスを乗り継いで比較的簡単に行ける、旅しがいのあるスポットをご紹介していきます。バックナンバーはこちら

湖畔の小さな町ポカラ

いつ来てもだいたい同じ。

ポカラに対する印象を聞かれたらそう答えるかも。なにそれ、と思うかもしれないが、特にここ10年ほど、アジアの多くの町が急激に発展し街並みが激変していくのを眺めていると、この「だいたい同じ」というのはけっこう珍しいことで、だからこそ好きだ。

カトマンズから西に200キロ、ポカラはヒマラヤ山脈・アンナプルナ山群への登山基地となる小さな町だ。町の西側に広がるペワ湖に沿ってホテルや土産物屋、登山用品店や旅行会社が並び、湖でのボート遊びは人気のアクティビティー。晴れた日には湖面に山並みが映えて絵はがきのような風景が広がる。

マチャプチャレ

天気がいい日はアンナプルナ山群のマチャプチャレ(6993m)も顔をのぞかせる

散策路

湖沿いの散策路。これは昔はなかった。道に沿って、レストランやバー、屋台が並んで夕方はたくさんの人が散歩している

木

交差点や湖のカーブ部分には大きな木があって、人々が集まっておしゃべりする場にもなっている

犬

あっちこっちで犬が昼寝をしている。野良犬がのんびりしている町はなんとなく安心できる

ボート遊覧

ペワ湖のボート遊覧。たぶん人数超過だがこぐ人も含めて誰も気にしていない

ヒマラヤ登山は西洋人がネパールに持ち込んだ文化だ。もとは交易路の市があった小さな町が登山基地として発展してきたという成り立ちから、この町には世界各国のレストランがあり、しかもいわゆる「なんちゃって和食」といったものではなく、だいたいの店が本場の味そのままの料理をまっとうな料金で提供している。

この地に住み着いた外国人が運営する店もあるが、よくあるパターンは、外国に出稼ぎに行ったネパール人が帰国して開業する、あるいは海外の登山隊に同行し料理を担当したネパール人がそのままレストランを開く、というもの。本格的に料理修業をする場合もあるが、たとえば日本の登山隊に何度も同行したネパール人は、みそ汁やうどん程度なら上手に作れる。国民性なのか、自己流のアレンジをあまり加えないネパール人たちが作る各国料理は故郷の味に近くてしかも安く、世界の旅人から評価が高い。和食だとカツ丼や天ぷらなんかがオススメだ。

朝食

オススメしておいて和食の写真がなくて恐縮だが、こちらは宿の朝ごはん。かつてイギリスの保護国だった影響もあるのか、朝食メニューはどこに行ってもボリューム満点

アップルケーキ

よく行くカフェでアップルケーキを注文。紅茶もよく飲まれるが、ポカラ周辺ではコーヒーも栽培されていてネパール産のコーヒーが飲める

いつまでもダラダラできる町

私がポカラでいつもなにをしているかというと、毎日ダラダラしている。

カラフルなボートがいっぱい浮かぶ湖畔を山を眺めながら散歩して、飽きたら適当なカフェに入ってお茶。宿もカトマンズよりずっと安いので、バルコニー付きの自分的にはちょっと高めな部屋に数日滞在して、日帰りや1泊2日で近所の山にトレッキング。顔見知りになったカフェの店員とあいさつを交わしたり、そのへんにいる子どもたちと遊んだり。ネパールの人々は日本人とちょっと似ていて、人見知りというか初対面の相手とは距離を取りながら、相手の様子にあわせて少しずつ近づいてくる。ひとり旅にはそのあたりも居心地がいい。

20年以上前、はじめて訪れたときに比べると、観光客が増え、道行く車もお店も増えた。だが町に漂うのんびりした雰囲気は不思議なほど変わることがなく、せわしない日本の日常でくたびれた心も体もほんわかと包んでくれるのだった。

飼い犬

暇なとき相手をしてくれるのが定宿の飼い犬。野良かと思ったらお手や待てもできる立派な番犬だった

茶店

湖の対岸には小高い丘があり、日本山妙法寺がある。30〜40分で登り切れるちょうどいいハイキングコースだ。途中の茶店で湖を眺めながらひと休み

田園地帯

座っているのにも飽きたら、町外れの田園地帯を散歩。なんとなく日本を思わせるこんな風景も、ネパールが好きな理由のひとつだ

つり橋

ポカラ郊外の峡谷を散策。なかなかスリリングなつり橋!

子供たちとヤギ

子供たちの遊び相手は家のヤギ。こういうのもなんとなく昔の日本を思わせる

バス

カトマンズからポカラへのバス旅を少しご紹介。写真のバスはこの日が初出動で、花と聖水、お香で清めてから出発

カトマンズの交差点

車窓から見るカトマンズの交差点。ポカラへの道は以前より格段によくなった(けどときどき揺れる)

ツーリストバス

地元の人が使う長距離バスもあるが、旅行者が多く使うのはこういうツーリストバス。ランチ付きで25ドル、ポカラまで所要8時間だ

チャイとジャガイモのカレー炒め

途中の茶店でトイレ休憩。チャイとジャガイモのカレー炒めで150円くらい

お店

街道筋のコンビニ的なお店。こういうところで飲むチャイがおいしい(ような気がする)

飛行機

カトマンズ・ポカラ間には空路もある。所要30分くらいで、空からヒマラヤの山並みも見られるので人気があるが、けっこうな確率で遅れるので私はあまり利用しない

さて、ずっとのんびりしているわけでもない。ネパールといえばやっぱりヒマラヤ。素人でもひとりでも中高年でも行ける(つまり私でも行ける)トレッキングコースを紹介しよう。

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BOOK

ダラダラできる湖畔の町ポカラ ネパールひとり旅#2

京都で町家旅館はじめました(双葉社)

京都に開業した町家旅館のマネジャーをつとめることになった著者が、開業準備から実際の運営に至るまでのドタバタとドキドキ、そして京都のお気に入りスポットなどを綴(つづ)ったエッセーガイド。1540円(税込み)。

 

ダラダラできる湖畔の町ポカラ ネパールひとり旅#2

旅の賢人たちがつくった
女子ひとり海外旅行最強ナビ(辰巳出版)

連載「ちょっと冒険ひとり旅」著者の山田静さんが、海外ひとり旅に行きたいすべての人にお届けする、旅のノウハウをぎゅっと詰め込んだ1冊。行き先の選びかた、航空券やホテルをお得に効率よく予約する方法、荷物選びと荷造りのコツ、現地での歩きかたのツボ、モデルルート、遭遇しがちなトラブルとその回避法など、準備から帰国までまるっとカバーしました。旅の達人によるコラム記事やアンケートも満載で、ひとり旅の準備はまずこの1冊から。1650円(税込み)。

PROFILE

山田静

女子旅を元気にしたいと1999年に結成した「ひとり旅活性化委員会」主宰。旅の編集者・ライターとして、『旅の賢人たちがつくったヨーロッパ旅行最強ナビ』(辰巳出版)、『決定版女ひとり旅読本』『女子バンコク』(双葉社)など企画編集多数。最新刊『旅の賢人たちがつくった 女子ひとり海外旅行最強ナビ』(辰巳出版)。2016年6月中旬、京都に開業した小さな旅館「京町家 楽遊」の運営も担当。

飽きることのないカトマンズの散策 ネパールひとり旅#1

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