楽園ビーチ探訪

注目のカマラビーチと「007」の島 タイ・プーケットとパンガー湾

タイ最大の島、プーケットは、“アンダマン海の真珠”とも称される、華やかなビーチリゾートです。南北約50キロ、東西約20キロの鏃(やじり)のような形をした島で、タイ本土とは橋でつながっています。近郊のパンガー湾も含めたこのあたりが注目されるようになったきっかけは、1970年代にシリーズ映画「007」のロケ地になったことでした。

連載「楽園ビーチ探訪」は、リゾートやカルチャー、エコなどを切り口に、国内外の海にフォーカスした読み物や情報を発信するビーチライターの古関千恵子さんが訪れた、世界各地の美しいビーチや、海のある街や島を紹介いたします。

ここ数年注目の的 カマラビーチ

プーケットのおもなビーチリゾートエリアは、島の西海岸に点在しています。山がちの地形と入り組んだ海岸線から、車で移動すると「丘を越えてはビーチが現れる」という光景が連続します。ちなみに「プーケット」とはマレー語で「丘」を意味する「ブキット」から来ているとも。

数あるビーチの中でもカマラビーチは、ここ数年注目の的。SNSで人気のデザインホテル「キーマラ」や、新しいラグジュアリーリゾート「インターコンチネンタル・プーケット・リゾート」など、話題のホテルがお目見えしています。

注目のカマラビーチと「007」の島 タイ・プーケットとパンガー湾

ヨーロッパ系リゾーターが多いカマラビーチ


注目のカマラビーチと「007」の島 タイ・プーケットとパンガー湾

2020年1月にオープンしたプーケットでは久々の大型豪華ホテル「インターコンチネンタル・プーケット・リゾート」

カマラビーチから北上すると、カジュアリーナの木々が縁取る、地元の人の憩いの場スリンビーチ。アマンリゾート第1号の「アマンプリ」があるパンシービーチと続きます。

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プーケットは外洋に面した西海岸の方が透明度が高い。ここはアマンプリが位置するパンシービーチ

錫採掘場跡をイメチェン ラグーナプーケット

そして、その北にあるバンタオビーチは、内陸側に池が点在する「ラグーナプーケット」と呼ばれる一大リゾート地。インターナショナルな豪華ホテルやゴルフコース、レストランやショッピングモール、ビーチクラブまでもが集中しています。

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丘の上から見下ろしたバンタオビーチ

今でこそ華やかな「ラグーナプーケット」ですが、かつては閉鎖された錫(すず)採掘場の跡地で、見向きもされない土地だったそうです。それが、エコを意識したリゾート開発によってイメージチェンジしました。採掘によってできたいくつもの池はゴルフのチャレンジングなコースに生かされ、人造湖はリゾート間の行き来をボートでも可能にしました。

にぎやかさでは筆頭 パトンビーチ

いちばんにぎやかなのはパトンビーチ。碁盤の目のように走る通り沿いにはレストランやバーが連なり、島いちばんの巨大ショッピングモールもここにあります。

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ごちゃごちゃした感のあるパトンビーチ。それもまた一興

そんなパトンビーチに最初にバンガローが誕生したのは1970年代のこと。1974年に封切られた映画「007 黄金銃を持つ男」でプーケット近郊のパンガー湾がロケ地となったことで知名度が世界的に。1976年には国際空港が開かれ、プーケットのツーリズムは一躍、開花しました。


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「007 黄金銃を持つ男」のロケ地として有名な、パンガー湾のタプー島(ジェームズ・ボンド島)

パトンビーチから南下したカロンビーチは、ほどよくにぎやかで、長期滞在者に人気。歩くとキュッキュッと音がする鳴き砂です。

さらに南下したカタビーチは、岩場を挟んで北にカタヤイ、南にカタノイと二つのビーチがあります。どちらもリゾートの数が限られ、静かに過ごせるためか、旅行口コミサイトでも評判が上々。5月中旬~10月中旬の雨期は、サーフィンのシーズンでもあります。

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ビーチからエントリーでき、初心者からベテランまで楽しめるサーフィン天国のカタビーチ。サーフィン目的なら雨期を狙いましょう ©タイ国政府観光庁

中国や欧州の文化が結節 プーケットタウン旧市街

16~18世紀には錫産業や国際貿易の中継地として、隆盛を極めたプーケット。その風情をとどめているのが、プーケットタウンの旧市街です。

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プーケットタウンの日曜日に開かれるストリートマーケット

当時、中国の福建省やオランダやポルトガルなどのヨーロッパから商人が訪れ、この島で文化が融合しました。そして生まれたシノポルトガル様式の建物が旧市街には散在しています。カラフルな色使いの化粧漆喰(しっくい)やルーバー、漢字の看板に風水に基づいた窓など、ノスタルジックな風情が漂っています。

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ストリートマーケットの食べ物屋さん。いい匂い

地元では、プーケットタウンの旧市街をユネスコ世界遺産に登録しようという動きがあります。プーケットは、ビーチだけではない魅力にあふれたリゾートアイランドです。次回訪れた時は、旧市街は世界遺産に登録されているでしょうか。

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PROFILE

古関千恵子

ビーチライター。リゾートやカルチャー、エコなどを切り口に、国内外の海にフォーカスした読み物や情報を発信する。ダイビング雑誌の編集者を経てフリーとなり、“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”を繰り返すこと四半世紀以上。『世界のビーチ BEST100』(ダイヤモンド・ビッグ社)の企画・執筆、『奇跡のリゾート 星のや 竹富島』(河出書房新社)の共著のほか、ファッション誌(『Safari』『ELLE Japon』など)やウェブサイトに寄稿。ブログも配信中。

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