楽しいひとり温泉

温泉+新体験 オープントップバスで走る奥入瀬渓流「星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル」

「なぜ、今まで無かったのだろう?」。渓流をオープントップバスに乗って走っていて、そう思いました。ソーシャルディスタンス、3密回避、オープンエア。今の時代にあった条件をクリアするだけじゃなく、やっぱり旅は、楽しくて気持ちよいことも大切です。8月1日からスタートした奥入瀬(おいらせ)渓流をオープントップバスで走る現地ツアーは、渓流の水音、涼やかな風、木漏れ日、緑の香り……。まさに奥入瀬渓流の自然を間近に感じて、チョー気持ちいい新体験でした。

■連載「楽しいひとり温泉」は、全国各地の温泉をめぐり、温泉・自然・食で美しくなる旅を研究する、温泉ビューティー研究家の石井宏子さんが、テーマごとにひとり温泉にぴったりなお宿を紹介します。

【動画】奥入瀬渓流を走る渓流オープンバスツアー

渓流を上から見渡し、緑のトンネルがすぐ近くに

渓流オープンバスツアーは、日の丸自動車興業、十和田観光電鉄、星野リゾートの3社共同で実現したプロジェクトで、星野リゾート宿泊者のためのアクティビティーです。

乗り込むのは「スカイバス東京」の車両です。スカイバス東京は、日本初の2階建てオープントップバスツアーとして2004年から運行開始。そう、プロスポーツの優勝パレードでご覧になった方もいらっしゃると思います。このバスで、十和田湖まで奥入瀬渓流沿いの道を往復します。奥入瀬渓流ホテル近くの焼山から十和田湖へ出る子ノ口までは、多くの滝や迫力のある巨石、様々な渓流の風景など見どころ満載なのですが14kmほどあり、徒歩では片道約5~6時間かかります。オープントップバスは、およそ75分で往復ゆったり楽しめるのです。

オープントップバス

天井のない2階席から眺める景色は新感覚

座席は天井のない2階席。ゆえに目線が高く、キラキラと木漏れ日が注ぐ緑のトンネルが近い。渓流の景色を360度見渡せる開放感。渓流の水音を聞き、木々の香りを感じ、風を浴びて走り抜けます。バスには、ネイチャーガイドが同乗し、奥入瀬渓流の成り立ちや、随所の見どころを知らせてくれます。このバスが都会を走っていたなんて不思議に思えてしまいます。

「とことん3密回避プラン」で温泉付きの部屋へ

くつろぎ空間

岡本太郎氏のアート「森の神話」が圧巻の、宿泊者専用のくつろぎ空間

ツアーの前夜に「星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル」に泊まりました。

岡本太郎氏のブロンズ作品「森の神話」と暖炉が迎えてくれるロビーは、宿泊者専用のくつろぎスペース。ソーシャルディスタンスを保てるレイアウトで、コーヒーやドリンクが自由に飲めるようになっています。リラックスするゲストの姿が印象的です。

半露天風呂付きの渓流ツインルーム

半露天風呂付きの渓流ツインルームでプライベートな温泉タイムを満喫

今回は心を休めたいと思い「とことん3密回避プラン」で泊まることにしました。部屋に専用の温泉が付いている、「渓流ツインルーム 半露天風呂付」に泊まり、食事はビュッフェではなく、夕食はフレンチレストランでコースディナー、朝は屋外レストランの渓流テラス朝食です。ひとり宿泊でも、こうした「個」を保てる滞在を望む人が増えているそうです。その気持ち、よくわかります。

半露天風呂

窓を開放すれば、渓流の景色を眺める半露天風呂になる

部屋には、深めですっぽり肩までつかれるひのきの湯船があり、源泉が注がれています。ざぶーんとつかれば、「くぅぅぅぅ」とうなってしまう絶妙の温度。泉質は単純温泉ですが、ほんのり硫黄の香り。ふわふわと小さな白い湯の花が見られ、しっとりと肌に寄り添うような感触で、体を温め、心身の疲れを癒やしてくれます。滞在中いつでも、自分だけの空間で心おきなく温泉に入れる幸せをしみじみと感じました。

青森ならではの味覚を驚きのフレンチで味わう

テラス席

渓流を渡る風が心地よいテラス席

フレンチレストラン「Sonore(ソノール)」のディナーは、渓流を眺めるテラスでのアペリティフから始まります。夕方になると、風が爽やか、ひぐらしの鳴き声が聞こえます。

食前酒とアミューズ

フレンチディナーの食前酒とアミューズ

こよいの食前酒は、「Patrice MARC」(パトリス・マルク)のロゼ・シャンパーニュ。スイカをセミドライして香りと味わいを凝縮させたガスパチョに感激。さらに、シャモのガランティーヌ、リンゴのピュレのフリットなど軽やかなフィンガーフードのおつまみで楽しみます。

マグロのタルタル

味の変化が楽しい、マグロのタルタル

レストランの席へと誘われ、ディナーコースの始まりです。レストランにはソムリエがいて、料理に合わせてワインを選んでもらえます。印象的な一皿は、マグロのタルタル。上に載っているお花模様は、緑が濃厚なアボカド、赤が芳しいパプリカの燻製(くんせい)、白がサクサクのクルトン。マグロと一緒に味わうと、それぞれの個性が際立って味の変化が楽しい。右上にちょこんとある黒いピュレは、シェフが自家製の魚醤(ぎょしょう)を仕込んで、青森名物の黒にんにくと合わせたもの。ほんのちょっと加えるだけで、マグロの味わいに深みがでて、うわ、おいしい。軽やかなピノ・ノワールのワインがよく合います。

料理

青森の郷土料理「いちご煮」もフランス料理の一品に

感動的な一皿は、なんと、郷土料理をフレンチに変身させた「いちご煮」。ウニとアワビを魚介仕立ての汁でいただく郷土料理で、和食のわんのイメージしかなかったのですが、なんと、これが、驚きの大変身。貝の凝縮したスープとウニの口どけ、アワビのぷりっとした食感。「これ、いちご煮に間違いないんだけど、ワインやパンに合うフレンチになってる」。お見事なサプライズでした。

魚料理

旬のアイナメとカブの魚料理

旬のアイナメは、皮はカリッと、身はふっくらジューシー。合わせたカブは、生の爽やかな味わいと、焼いて甘みを引き出したものを食べ比べ。肉料理やデザートも3品登場し、大満喫の夜でした。

渓流露天風呂と渓流テラス朝食

渓流露天風呂

男女別大浴場の渓流露天風呂

大浴場は、スマートフォンで混雑状況が確認できる仕組みがあるので、密を避けて利用。渓流の中に入っていくような気分になれる造りが楽しい、露天風呂。

渓流テラス朝食

屋外で渓流を眺めて楽しむ「渓流テラス朝食」

「渓流テラス朝食」は、昨日のディナーのアペリティフと同じテラスで、渓流を眺めながら。運ばれてきたのは、専用のピクニックボックス。中には、キッシュやサンドイッチ、野菜スープやサラダ、シリアルやヨーグルトなどが入っています。朝シャンパンならぬ、青森シードル(リンゴのお酒)もありましたが、この後、渓流オープンバスツアーへ参加するので、リンゴジュースとカフェオレで健康的に過ごしました。

青森県・星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル
https://www.oirase-keiryuu.jp/
*渓流オープンバスツアーは星野リゾートの宿泊者専用のアクティビティーで、8/1~9/30は1人1500円、10/1~10/31は1人2000円(要予約)

■「楽しいひとり温泉」ポイント
1.オープントップバスで渓流を走る
2.「とことん3密回避」で心の休息
3.フレンチで味わう青森の味覚

BOOK

温泉+新体験 オープントップバスで走る奥入瀬渓流「星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル」

全国ごほうびひとり旅温泉手帖 いい湯、いい宿、旅ごはん!

石井宏子さんの著書「全国ごほうびひとり旅温泉手帖 いい湯、いい宿、旅ごはん!」(世界文化社)。温泉ビューティー研究家・旅行作家ならではの、旅してみつけた、女性がひとりで安心して楽しめる温泉宿を紹介するハンディーな一冊。公共交通機関で行ける、自分へのごほうびで泊まりたい、いい宿を全国から厳選し、あわせて、女性目線で選んだ周辺の立ち寄り先、ランチやスイーツも取り上げます。ひとりでも楽しい観光列車も登場します。税別1400円。

PROFILE

石井宏子

温泉ビューティー研究家・トラベルジャーナリスト。日本・世界の温泉や大自然を旅して写真撮影・執筆をする旅行作家。テレビにも出演。温泉・自然・食で美しくなる旅を研究する。海外ブランドのマーケティング・広報の経験から温泉地の企画や研修もサポート。日本温泉気候物理医学会会員、日本温泉科学会会員、日本旅のペンクラブ会員、気候療法士(ドイツ)、温泉入浴指導員。著書に「癒されてきれいになる おひとりさま温泉」(朝日新聞出版)、「地球のチカラをチャージ! 海温泉 山温泉 花温泉 76」(マガジンハウス)、「感動の温泉宿100」(文春新書)などのほか、「全国ごほうびひとり旅温泉手帖 いい湯、いい宿、旅ごはん!」(世界文化社)が11月に発売された。

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