ちょっと冒険ひとり旅

山を巡って歴史と自然をたどる 「京都一周トレイル」で冒険旅#1

ちょっと冒険どころか遠出も難しい今日この頃、それでも旅気分、冒険気分を味わいたい……というわけで、京都在住の旅行ライター、山田静さんが選んだ旅先は「京都一周トレイル」。京都を囲む山を巡るウォーキングは、京都リピーターにもオススメの自然と歴史をたどる小さな冒険です。まずはルートの概要をご紹介。

(トップ写真:清滝の涼やかな渓流歩きは夏にぴったり)

■何回目かのひとり旅、ちょっとだけ冒険してみたい。そんな旅人のヒントになりそうな旅先や旅のスタイルを紹介している連載「ちょっと冒険ひとり旅」。京都で旅館の運営をしながら、旅行ライターとしても活躍する山田静さんが、飛行機やバスを乗り継いで比較的簡単に行ける、旅しがいのあるスポットをご紹介していきます。バックナンバーはこちら

京都盆地を囲むトレイルルート

京都市街は、南を除いた三方を山に囲まれた盆地である。この山並み–東山・北山・西山–を線でつなぎ、歩けるルートとして組んだのが「京都一周トレイル」だ。

伏見稲荷近くからスタートして比叡山、大原、鞍馬、高雄、嵐山と歩き、苔寺こと西芳寺辺りでゴールする、全長およそ74キロ、あとで追加された伏見・深草ルートを含めれば83キロあまりのトレイルルートだ。他に京北地域を一周する48キロ超のコースもあり、すべて京都市や京都府山岳連盟、京都市観光協会などからなる「京都一周トレイル会」が整備にあたっている。

「京都一周トレイル」のWebサイトや京都市内の書店で販売されている地図を見ると、厳密に1日の歩行距離や順番が決まっているわけでもなく、どこから歩き始めても、1回でどれだけ歩いても構わない。ルート全体が観光地に近いので、京都市に暮らす自分ならバスや地下鉄で簡単に行ける。

これはいいかも。

道標

トレイルルートの主なポイントや分岐点には番号がつけられ、現場には道標が立つ。観光地でときどきこの道標を見かけることから、「京都一周トレイル」の存在を知ったのだった

8回に分けて歩いたコースの内訳

中高年のひとり山歩き、無理は禁物だ。
1回10キロ程度歩いて、74キロを8回に分けて歩くのを目標として毎回のコースを定めた。6月17日から歩き始め、本稿執筆時点・8月21日で7回目まで終了している。

それぞれのコースについては次回以降ご紹介するとして、今回は概要をお伝えしたい。実際に歩いたルートにキャッチコピーをつけてみた。番号は歩いた順番だ。

1.1カ所しか歩かないならここ! 伏見稲荷と清水寺の「裏山」で都の歴史に触れる
東山コース(1) 京阪伏見稲荷駅〜蹴上 10.3キロ

2.大文字山登頂! 人気のハイキングコースを歩く
東山コース(2) 蹴上〜銀閣寺 約7キロ

3.標高差600メートルを登って比叡山へ! キツさも爽快感もNO.1のルート
東山コース(3) 銀閣寺〜ケーブル比叡駅 約8キロ

4.静寂の比叡山から大原へ。キツい下りのあと、のどかな里に癒やされる
北山コース(1) ケーブル比叡駅〜大原戸寺町 9.8キロ

5.渓流、里山、古寺。京都の歴史と美しさを知る、京都リピーターにイチオシコース
西山コース 清滝金鈴橋〜西芳寺/阪急上桂駅 12.3キロ

6.修験者気分に浸れる! 鞍馬・貴船への道
北山コース(2) 大原戸寺町〜山幸橋 12キロ

7.ワイルド&ハード! 北山杉の山を抜け高雄へ
北山コース(3) 山幸橋〜高雄白雲橋 11.5キロ

8.高雄古寺巡り
北山コース(4) 高雄白雲橋〜清滝金鈴橋 3.9キロ

5回目で北山をいったん飛ばして西山を歩いているのは、7月の大雨と長引く梅雨で北山周辺の山道に不安があったため。8回目はこれから歩くのだが、3.9キロと短距離なため、ルートには入っていない高雄の名刹(めいさつ)である高山寺、西明寺、神護寺を歩くことにしている。

少し写真で紹介していこう。

大文字山

2回目で大文字山(如意ヶ岳)登頂! 五山送り火(大文字焼)で知られるが、日帰りハイキングに人気のスポット

哲学の道と銀閣寺

2回目のゴールは哲学の道と銀閣寺。ルート上には、山道と観光地が交互に現れる

展望台

3回目のゴール・ケーブル比叡駅。展望台は外国人向けの撮影スポットだが、この夏は閑散としている

山道

山道のほとんどがよく整備されていて歩きやすい。歴史を感じる道しるべやお地蔵さまもよく見かけた

比叡山中

4回目は比叡山中を歩くルート。寺院、お堂がいくつも現れ厳粛な気持ちになる

清滝

5回目は愛宕山参りの起点・清滝から。愛宕神社に詣でる参拝客とも多くすれ違う

渡月橋

5回目は途中で嵐山も通過する。例年、観光客で大にぎわいの渡月橋も今年は静か

鞍馬と貴船

6回目は鞍馬と貴船を通過していく。7月の大雨で土砂崩れが起こり、叡山鉄道は現在も一部区間が運休中(代行バスあり)

北山杉と田園

7回目は、北山杉の名産地で知られるエリアを通過。氷室では北山杉と田園の美しい景観にうっとり

歩いてみて感じたのは、京都を囲む自然の豊かさと、幾重にも折り重なった歴史の厚み。次回以降、詳しくご紹介していこう。まずは東山ルートから。

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BOOK

山を巡って歴史と自然をたどる 「京都一周トレイル」で冒険旅#1

京都で町家旅館はじめました(双葉社)

京都に開業した町家旅館のマネジャーをつとめることになった著者が、開業準備から実際の運営に至るまでのドタバタとドキドキ、そして京都のお気に入りスポットなどを綴(つづ)ったエッセーガイド。1540円(税込み)。

 

山を巡って歴史と自然をたどる 「京都一周トレイル」で冒険旅#1

旅の賢人たちがつくった
女子ひとり海外旅行最強ナビ(辰巳出版)

連載「ちょっと冒険ひとり旅」著者の山田静さんが、海外ひとり旅に行きたいすべての人にお届けする、旅のノウハウをぎゅっと詰め込んだ1冊。行き先の選びかた、航空券やホテルをお得に効率よく予約する方法、荷物選びと荷造りのコツ、現地での歩きかたのツボ、モデルルート、遭遇しがちなトラブルとその回避法など、準備から帰国までまるっとカバーしました。旅の達人によるコラム記事やアンケートも満載で、ひとり旅の準備はまずこの1冊から。1650円(税込み)。

PROFILE

山田静

女子旅を元気にしたいと1999年に結成した「ひとり旅活性化委員会」主宰。旅の編集者・ライターとして、『旅の賢人たちがつくったヨーロッパ旅行最強ナビ』(辰巳出版)、『決定版女ひとり旅読本』『女子バンコク』(双葉社)など企画編集多数。最新刊『旅の賢人たちがつくった 女子ひとり海外旅行最強ナビ』(辰巳出版)。2016年6月中旬、京都に開業した小さな旅館「京町家 楽遊」の運営も担当。

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