魅せられて 必見のヨーロッパ

ドナウ川のほとりにあるカワイイ街 ハンガリー・センテンドレ

ツアーの行き先としてはメジャーでないけれど足を運べばとりこになる街を、ヨーロッパを知り尽くした作家・写真家の相原恭子さんが訪ねる「魅せられて 必見のヨーロッパ」。今回は、2019年10月に訪問したハンガリーのセンテンドレです。南欧を思わせるかわいい造りの街を堪能しました。

ブダペストから日帰りできる人気訪問地

今回は首都ブダペストから、ドナウ川の上流方向へ約20kmのところにある小さな街センテンドレへ日帰り旅行。観光客はもちろん、地元の人たちも週末にカップルや家族連れで気軽に出かける人気のデスティネーションです。

ブダペストを出る時の車の混雑状況によりますが、この日は40分ほどで到着しました。

ドナウ川のほとりにあるカワイイ街 ハンガリー・センテンドレ

ドナウ川に沿ってプロムナードがあります

車を停めてドナウ川沿いのプロムナードを歩くと、澄んだ空気が快く吹き抜けます。

ドナウ川のほとりにあるカワイイ街 ハンガリー・センテンドレ

ブダペストの喧騒(けんそう)を離れて、青いドナウ川と吹き抜ける風に癒やされます

ドナウ川にセンテンドレ島と呼ばれる大きな中州のような島があり、街から見て島の向こう側を流れるのが本流で、目の前を流れているのはセンテンドレ・ドナウ支流と呼ばれています。

ドナウ川のほとりにあるカワイイ街 ハンガリー・センテンドレ

旧市街を散策

地元の人たちの姿が目立ちます。

絵になる場所の多い「芸術家の街」

ドナウ川のほとりにあるカワイイ街 ハンガリー・センテンドレ

のぞいてみたくなるようなショップがたくさん並んでいます

芸術家の街とも言われ、陶器、雑貨、アクセサリー、バッグ、ブティックなどの手作りのお店が並び、散策しながらショッピングも楽しめます。

ドナウ川のほとりにあるカワイイ街 ハンガリー・センテンドレ

パラソルで飾られた、絵になる路地


ドナウ川のほとりにあるカワイイ街 ハンガリー・センテンドレ

南欧を思わせる細い通り抜けも風情があります

散策していると、地中海沿岸の町に迷い込んだような気持ちになります。14世紀にセルビア人、ダルマチア人、ギリシャ人などがこの街へ入植した歴史があり、当時の街づくりの名残があります。

ドナウ川のほとりにあるカワイイ街 ハンガリー・センテンドレ

童話に出てくるような、ロマンチックな屋根裏部屋を思わせます


ドナウ川のほとりにあるカワイイ街 ハンガリー・センテンドレ

地中海沿岸地方にありそうな陶器ショップの中庭

海から離れたハンガリーですが、開放的な地中海の雰囲気を感じます。このように作陶して販売する店がいくつもあります。お部屋や家の壁に掛けたくなるようなおしゃれなデザインの品も多数。

ドナウ川のほとりにあるカワイイ街 ハンガリー・センテンドレ

ブラゴヴェシュテンスカ教会の塔が見えます

ブラゴヴェシュテンスカ教会は、地元では、通称セルビア正教会と呼ばれています。15世紀にオスマン帝国支配から逃れて来たセルビア人が、この地へ定住しました。細い路地と石畳が続く様子も、南欧の小さな町を彷彿とさせます。

ドナウ川のほとりにあるカワイイ街 ハンガリー・センテンドレ

聖ヤーノシュ教区教会

聖ヤーノシュ教区教会はセンテンドレ唯一のカトリック教会で、地元では「丘の上のローマカトリック教会」と呼ばれています。

夕飯はブダペストでコスパよく

夕食はブダペストに戻り、地元の人たちのおすすめで、おいしくてリーズナブルといわれるレストラン「セープ・イロナ」へ。

ドナウ川のほとりにあるカワイイ街 ハンガリー・センテンドレ

レストラン「セープ・イロナ」の入口

住宅街にあり観光客は少ないです。店内はクラシックで落ち着いた雰囲気。

ドナウ川のほとりにあるカワイイ街 ハンガリー・センテンドレ

伝統料理グヤーシュスープを注文しました。

グヤーシュとは牛飼いという意味だそうです。

サラリとしたスープに牛肉、ジャガイモ、ニンジン、小麦粉の小さなダンプリングが入っています。脂肪は少なくて、すっきりした味わい。私は香辛料が好きなので、さらにトウガラシを入れました。トウガラシの味と香りがフレッシュです。

ドナウ川のほとりにあるカワイイ街 ハンガリー・センテンドレ

大きいスープ鉢から、お皿へ取り分けていただきます

ドイツでしばしば食べるグラーシュズッペは、このグヤーシュがもとになっています。作る人により多少異なるものの、トウガラシの風味はほとんどなくて、ぽってりと濃い煮込み風の料理です。いわば、ドイツ化したハンガリー料理といったところでしょうか。思えば、日本のカレーもインド料理のサラサラしたものとは異なり、やはり日本化しています。料理はやはりオーセンティックに、特に地元で食べると本場の味がおいしいといつも思います。

センテンドレはブダペストの通勤圏ですが、ブダペストとは街の雰囲気ががらりと変わり、のどかな自然を楽しみながら、芸術家のショップを巡り、散策が楽しい街です。半日でも行けますし、レストランやカフェもたくさんありますから、ぜひ次回の旅の計画に盛り込まれてはいかがでしょう。

駐日ハンガリー大使館
https://tokio.mfa.gov.hu/jpn

駐日ハンガリー大使館観光室
http://www.hungarytabi.jp

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PROFILE

相原恭子(文・写真)

慶應大学卒業。ドイツ政府観光局勤務を経て、作家&写真家。「ドイツ地ビール夢の旅」(東京書籍)、「ドイツビールの愉しみ」(岩波書店)、「ベルギー美味しい旅」(小学館)、「京都 舞妓と芸妓の奥座敷」(文春新書)、「京都 花街ファッションの美と心」(淡交社)、英語の著書「Geisha – A living tradition」(フランス語、ハンガリー語、ポーランド語版も各国で刊行)など著書多数。国内はもちろん、国際交流基金・日本大使館の主催でスペイン、ハンガリー、エストニアで講演会や写真展多数。NHK「知る楽」「美の壺」、ラジオ深夜便「明日へのことば」「ないとエッセー」、ハンガリーTV2、エストニア国営放送など出演多数。
https://blog.goo.ne.jp/goethekyoko

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