トーキョーシティサウナボーイズ

山とサウナとマインドフルネス

withコロナ時代の旅のカタチを模索する&TRAVELのプロジェクト「TRAVEL FUTURE」。サウナ好きが高じてテントサウナを購入したという会社員らによる「トーキョーシティサウナボーイズ」が、今回向かった先は――。

雨の中で森林浴 テントサウナに入る

7月の連休、僕たちは長野と山梨の県境にある知人の別荘を目指していた。その日も、今にも雨が降りそうだった。高原を観光するのではなく、山にこもってテントサウナをするのが目的。だから、そんな天気のことは気にならなかった。

別荘は人との距離を保て、自分だけの空間と時間を持てるということで、コロナ禍で人気が再熱しているらしい。別荘を持っていなくたって、Airbnbでいくらでも素敵な物件を借りられる。

別荘でのんびりしながら、デッキにテントサウナを組み立てていると、すぐに雨は降りだした。

テントサウナを始めるが、雨は相変わらずシトシトと降っている。聞こえてくるのは風と雨の音だけ。

ブライアン・イーノの『Ambient 1: Music for Airports』をかける。1970年代後半、アンビエントというジャンルを創(つく)った、定番すぎるほどの名盤。空港のための音楽というタイトルだが、自然の中で聞いても格別である。

「ジュ、ジュ、ジュ、ジュアアアあああァァァぁぁぁ」

風の音、雨の音、そしてロウリュの音。自然の音に囲まれながらテントサウナをするのであれば、自然の音を邪魔しない、このアルバムのようなビートのないゆったりした音楽が合う。

ブライアン・イーノが提唱したアンビエントは、80年代後半にイギリスでレイブムーブメントの中で、激しく踊ったあとにチルアウト(落ち着く)ための音楽として引き継がれ、その後、瞑想やヨガなどにも使われるようになった。山の中でのテントサウナは、まさにチルアウト。カラダと心を落ち着かせるためにふさわしい音楽だ。

別荘の周りは水場がないが、夏でも冷たい山の水をホースで浴びるだけで十分カラダを冷やすことができる。

山の中でやるテントサウナは、雨が全く気にならない。どちらかと言えば、雨に打たれながら外気浴することは、もはや自分が森や自然の一部になっている気にもなれる。

山とサウナとマインドフルネス

テントサウナと外気浴を何度か繰り返しながら、なぜ最近若者がサウナにハマっているのか考えてみる。

都心に新しくできた人気のサウナなどは、ほぼ20~30代しかいない。聞くところによると、ベンチャーやテック(IT)系の仕事をしている人はサウナにハマっている人が多いらしい。そういえば、前に出席したテック系のカンファレンスでたまたま同席した20~30代のメンバー10人くらいのうち、半数がサウナか銭湯が好きだと言っていた。

山とサウナとマインドフルネス

海外に目を向けると、シリコンバレーではヨガや瞑想(めいそう)などがはやっていて、テック系企業は福利厚生の一環としてヨガの導師などを社内に呼んでいるという。Googleにも「サーチ・インサイド・ユアセルフ」というマインドフルネスの福利厚生がある。良いサービスを創るためには「自分自身が何を成し遂げたいのか?」と自分に向き合うことが有効らしい。Googleの人に聞いたところ、プライベートを充実させることも目的としているという。

更に「Calm」という瞑想アプリはベンチャーキャピタルから100億円以上の投資を受けている。どうやら心を整えるというのはアメリカでもはやっているらしい。

山とサウナとマインドフルネス

そんな話をとある編集者にしたところ、「常時ネットと接続し、我々の仕事や生活は常に思考と視覚に偏っている。肌で感じる熱さと水風呂の冷たさという強烈な刺激によってバランスをとっているのではないか」と言っていた。確かに、スマホの画面から解放されたサウナでロウリュの熱さや水風呂の冷たさを感じることで、頭を空っぽにできる。

では、自分は良い仕事をするためにサウナに通ってきたのか?と思い返すが、どちらかというと、自分の場合は仕事のしんどさをサウナに救ってもらってきたんじゃないかと思う。

結局、3泊4日のうちのほとんどが雨だった。僕たちは山道を歩いたり、近くの牧場に行ったりはしたが、基本はずっとテントサウナ。そんな自分を見つめ直す旅があってもいいのではないだろうか。

山とサウナとマインドフルネス

The journey continues

PROFILE

山とサウナとマインドフルネス

元クラブDJ、2人によるサウナユニット。コロナ禍で自らが主催するフェスが中止になったことを機に、「コネクテッド時代のマインドフルネスと内省」をテーマに、テントサウナを始める。場所や季節、天候に左右されるテントサウナの体験は、一期一会。毎回違う環境でのサウナ体験を楽しみながら、自分たちの生き方を見つめ直していきたい。ユニット名はディスコバンドNew York Citi Peech Boysから。

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トーキョーシティサウナボーイズ、大地に立つ

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