太公望のわくわく 釣ってきました

ヒラメ釣り全面解禁 鮮烈ライトで竿頭めざせ 千葉・大原沖

西へ東へ、海へ川へと旅して釣りする太公望たちの奮闘記です。魚との知恵比べ、釣った魚で一杯……。目的は人それぞれながら、闘いの後の心地よい疲労と旅情は格別。今回は、朝日新聞の西田健作記者が、千葉県いすみ市・大原港沖へヒラメ釣りに船出しました。狙うは船一番の釣果をあげる「竿頭(さおがしら)」ですが……。

【動画】ヒラメ釣りに船出した

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集魚ライトも準備、竿頭をひそかに狙う

「竿頭」。その日、同じ船に乗った釣り人の中で一番多くの本命を手にした人のことを、釣りの世界ではそう呼びます。「食べる分だけ釣れれば十分です」。涼しい顔でそんな風に言う釣り人でも、ベテランであればあるほど、心の中ではひそかにトップを狙っているもの。それが遊漁船の楽しみ方でもあるんです。

2020年1月に本連載で報告したヒラメ釣りでは、1匹釣るのがやっとだった筆者に対して、12匹も釣って竿頭になった猛者がいました。格差10倍以上。その人は、激しく点滅する青色の集魚ライトを使っていました。どこで売っているのか、陸に上がってすぐにその集魚ライトをネットで探したのは言うまでもありません。

それから約10カ月。今年も10月に千葉・外房で大原沖のヒラメ釣りがすべての場所で解禁となりました。解禁直後は数多くのヒラメを釣る絶好の機会。手に入れておいた強烈な集魚ライトの威力も試してみたい! というわけで、千葉県いすみ市・大原港の臼井丸さんにお世話になってきました。

港への集合は午前4時。暗がりの中、受付を済ませた釣り人が続々と船に乗り込んでいきます。

ヒラメ釣り全面解禁 鮮烈ライトで竿頭めざせ 千葉・大原沖

港への集合は午前4時。遊漁船にライトがともる

出船すると50分ほど航行して大原沖の釣り場へ。空も次第に明るくなってきました。

ヒラメ釣り全面解禁 鮮烈ライトで竿頭めざせ 千葉・大原沖

暗闇の中釣り場へと向かう

ヒラメは生きたマイワシに針を刺し、底近くを泳がせて狙います。集魚ライトは、マイワシの80センチぐらい上側にセット。ビカビカビカと点滅するLEDの光が、泳ぐマイワシを照らし、底から見上げるヒラメにアピールするという算段です。果たして、思惑通りにいくのか。

のっけから良型、気分も高潮

ヒラメ釣り全面解禁 鮮烈ライトで竿頭めざせ 千葉・大原沖

夜明けと共に釣りを始める

ヒラメは本来、早朝からお昼前まで船に乗って1人1匹釣れるかどうか。なかなか訪れない針がかりの瞬間をドキドキしながら待つのがだいご味でもあります。

ヒラメ釣り全面解禁 鮮烈ライトで竿頭めざせ 千葉・大原沖

ヒラメは生きたイワシをえさにする

ところが、この日は違っていました。釣り開始から5分。竿先がガタガタと震え出しました。でも、ここはじっと我慢。ガタガタはヒラメがイワシにかじりついた合図で、大きな口で飲み込み、グググググと竿が曲がるまで待たないと、イワシに刺しておいた針がヒラメに刺さりません。

ヒラメ釣り全面解禁 鮮烈ライトで竿頭めざせ 千葉・大原沖

マイワシを海底に送り込む。次第に空が明るくなってきた

「ヒラメ40」という言葉もあって、寒い季節だとガタガタからグググググまで40秒ぐらい待つこともあるのですが、このヒラメは積極的でした。きっと、水温がまだ高いからでしょう。すぐにグググググと竿が大きく曲がり、竿を起こして合わせを入れると、なかなかの重さが伝わってきました。どうやら針がうまく刺さったようです。

ヒラメ釣り全面解禁 鮮烈ライトで竿頭めざせ 千葉・大原沖

ヒラメが針がかり。竿がしなる

ドラグが鳴り、ヒラメの抵抗で糸がジジジジと引き出されていきます。リールを巻くと、重い。竿の弾力でヒラメの引きをいなしながら巻き続けると、大きなヒラメが姿を現しました。いきなり良型。タモに収まったヒラメは、後で量ると60センチ超、2.4キロもありました。

ヒラメ釣り全面解禁 鮮烈ライトで竿頭めざせ 千葉・大原沖

いきなり良型のヒラメが釣れた

先行逃げ切り、竿頭に

鮮烈な集魚ライトのお陰なのか。それとも解禁直後だからなのか。はっきりとした理由は分かりません。でも、ラッキーなことにその後もアタリが続きました。45センチ、50センチ超、また50センチ超。1匹で満足なはずのヒラメが次々と針がかり。午前8時ぐらいまでに計4匹。足元の桶(おけ)は既にいっぱいです。

ヒラメ釣り全面解禁 鮮烈ライトで竿頭めざせ 千葉・大原沖

タモに収まるヒラメ

でも、良かったのはここまででした。その後はアタリがほとんど無くなり、午前11時過ぎの納竿までに1匹を追加できただけ。計5匹で終了となりました。この日釣った最も大きかったヒラメは最初の5分で釣った60センチ超でした。

ヒラメ釣り全面解禁 鮮烈ライトで竿頭めざせ 千葉・大原沖

ヒラメでクーラーは満タンに

「写真を撮っていいですか」。釣りが終わると、臼井丸の若船長から声がかかりました。クーラーの中から大きなヒラメを2匹取りだして記念撮影。どうやらこの日の「竿頭」だったようです。年に数回しか釣りに行けないヒラメで竿頭なんて。思わず頰が緩みます。

ヒラメ釣り全面解禁 鮮烈ライトで竿頭めざせ 千葉・大原沖

竿頭になり釣果を誇る筆者

これは強烈な集魚ライトのお陰と思いたい。でも、隣の常連さんは、ライトを使わず筆者より大きな3キロ超のヒラメを釣り上げていたので、本当のところは分かりません。たまたま、いい日に当たっただけなのかも。

舌が喜ぶ薄造りとムニエル

持ち帰ったヒラメは、ムニエルと薄造りの刺し身でいただきました。ヒラメは寒くなるにつれて、身が厚くなり脂がのってきます。ふわっふわのムニエルと、絶品の刺し身が味わえるのはもっと寒くなってから釣ったヒラメですが、久しぶりの高級魚を味わうことができました。

ヒラメ釣り全面解禁 鮮烈ライトで竿頭めざせ 千葉・大原沖

ヒラメはムニエルと薄造りの刺し身に

意外かもしれませんが、生きたイワシが泳いでヒラメを誘ってくれるので、ヒラメは初心者でも釣果が望める高級魚です。数少ないチャンスを待って、ヒラメがイワシを飲み込んだ時のドキドキ感は、一度味わったら病みつきになるはず。ぜひ試してみてください。

臼井丸
http://usuimaru.com/

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PROFILE

  • 釣り大好きライター陣

    安田明彦、猪俣博史、西田健作、石田知之、木村俊一

  • 西田健作

    朝日新聞記者
    1971年、神奈川県茅ケ崎市生まれ。15年ほど前に千葉県浦安市に引っ越し、ディズニーランドのすぐ近くで魚が釣れることを知り、釣りにはまる。朝日新聞社では文化くらし報道部で宗教・歴史・美術担当。2020年4月から7年ぶりに管理職(デスク)から現場の記者に戻ってはりきる一方で、相変わらず週末の釣りにのめり込んでいる。

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