太公望のわくわく 釣ってきました

爆釣! 底物師のイシダイ釣り 島根県・隠岐諸島

西へ東へ、海へ川へと旅して釣りする太公望たちの奮闘記です。魚との知恵比べ、釣った魚で一杯……。目的は人それぞれながら、闘いの後の心地よい疲労と旅情は格別。今回は、全国的に知られる底物師の木村俊一さんが、島根県・隠岐諸島でイシダイ釣りに挑みました。

台風を避け、日本海側の隠岐へ

いよいよ秋磯シーズンが開幕。大物を狙って2020年10月6日、2泊3日の予定で島根県の隠岐諸島へ釣行した。やっかいものの台風の影響があって、太平洋側の釣り場は軒並みアウト。日本海側への釣行となった。

隠岐諸島は島前と島後に分かれている。今回は飛行場のある島後へ行くことにした。さっそく島後の北西側、重栖(おもす)地区の渡船「第五潮路丸」に連絡を入れてみる。夏場から底物狙いのお客さんが入っていて、釣況もまずまずで良型のイシダイが釣れているという。エサのサザエと宿泊の段取りをお願いしてみると、これもOK。すぐに釣りの準備をして大阪・伊丹空港から隠岐空港へフライトした。

隠岐空港に着いた

隠岐空港に着いた

空港へは佃弘樹船長が迎えにきてくれた。時間を惜しむようにそのまま渡船乗り場の重栖港へ向かう。

初日は短時間釣り場を確認

第五潮路丸

第五潮路丸

「風が北東なのでボタン岩を攻めてみますか?」と佃船長。福浦岬を南東側に回り込んだボタン岩の釣り場へ渡船を着けてくれた。

船は一路目的地へ

船は一路目的地へ


ボタン岩

ボタン岩


日暮れまで約2時間半の短期戦だ。エサはサザエだ。殻をハンマーで割って中の身をハリに刺す。

エサのサザエ

エサのサザエ

竿(さお)を出してみると、猛烈にエサとり(本命以外の魚)が寄ってくる中で、30センチ級の小型イシダイが食ってきた。気配はあるので翌日に期待して引き上げた。

2日目はイシダイが連発! 大満足

2日目、この日は夜明け直後から夕方まで竿が振れる。大きな獲物を想像しながらボタン岩へ渡る。前日と同じくエサとりが強烈にアタックしてくる。「これは手ごわいぞ」と思いながら、どんどんポイントへエサ打ちを続ける。

竿を出す

竿を出す

午前8時半ごろ、エサとりとは違う大きなアタリが出る。「イシダイだ」と直感。全身に緊張感が走る。竿先をコンコンとたたくアタリがあり、モゾモゾしながら竿先が下がり始める。ここであわてて合わせてしまっては元も子もない。「イシダイの三段引き」と言われているアタリの二段目で、まだ早い。

次にくる三段目を待っていると、大きく竿先が引き込まれた。ここで思いきり合わせを入れる。「ズシン」とした重量感が私の全身に伝わってくる。海面にシマ模様の鮮やかな本ワサ(メス)のイシダイが浮いてきた。50センチぐらいありそうだ。いい型だ。道糸、ワイヤーと順につかんで磯上へ抜き上げる。

釣り上げて大満足

釣り上げて大満足

イシダイは、磯釣り師の間では幻の魚と呼ばれている希少な獲物だ。1匹釣れれば安心感がこみあげてくる。ところがどうだろう、ここからイシダイが連発する展開になってきた。竿を支える左腕がいたくなるほど食ってくる。4匹目はかなりの重量感で、海面に浮いた魚は60センチを超えると思われる大物だった。これには興奮した。磯際へ降りて行って慎重に取り込む。

どんどん釣れる

どんどん釣れる

これでも十分に満足なのに、この後にまた50センチを超えるイシダイが食ってきた。結局、夕方までに良型ばかり5匹の大釣果となった。夕方迎えにきた船長もわたしの釣果を見て驚いていた。民宿に帰ってから、船長が釣り上げた大物にメジャーを当てて「60.5センチありますよ」と教えてくれた。

食い込みの気配がない3日目、ところが……

3日目も同じボタン岩を狙う。朝一に竿先が下がっていくいいアタリが出た。ところがこれっきりで、時々エサとりが当たってくる程度の状況に。イシダイだと疑われるようなアタリもたまに交じるが、食い込んでくる気配がまったくない。いい状況とは言えないがエサ打ちだけは続けていく。

3日目の挑戦

3日目の挑戦

正午に納竿予定だ。「もうダメかな」とあきらめかけたときに、放りっぱなしにしていた竿の先が下がり始めた。「アタリだ」。ぼーっとしていた頭がシャキッとなる。こいつは竿先が勢いよく舞い込んで、海面へ突っ込んでいった。リールのドラグが滑って道糸がジリジリと出る。

「大物だ」と直感。取り込み時に強烈な引き込みが何度も襲う。海面に銀色の魚体が浮かぶ。大きい。慎重に取りこんだのは60センチもある銀ワサ(オス)のイシダイだった。

大きい! 60センチの銀ワサ

大きい! 60センチの銀ワサ

ラスト寸前の思いがけないドラマにわたしの頭は爆発寸前。興奮を体に詰め込んだままの納竿となった。

釣り場を後に

釣り場を後に

釣り上げたイシダイは帰宅してから、野菜と一緒に小鍋にしていただいた。

イシダイの切り身を小鍋に

イシダイの切り身を小鍋に

■第五潮路丸
☎090-1188-3386

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PROFILE

  • 釣り大好きライター陣

    安田明彦、猪俣博史、西田健作、石田知之、木村俊一

  • 木村俊一

    1952年生まれ。兵庫県尼崎市で底物釣り専門店「木村商」を経営する。イシダイやイシガキダイなどの底物釣りでは全国的に知られる専門家。

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