(81) ハロウィーン用のカボチャに思案? 永瀬正敏が撮ったニューヨーク
文: 永瀬正敏
国際的俳優で、写真家としても活躍する永瀬正敏さんが、世界各地でカメラに収めた写真の数々を、エピソードとともに紹介する連載です。つづる思いに光る感性は、二つの顔を持ったアーティストならでは。今回は、ハロウィーンの時期に訪れた米国ニューヨーク。男性が、カボチャの山を前に思案を巡らせているようですが……。

©Masatoshi Nagase
いつからだろう?
こんなに日本でハロウィーンがメジャーになったのは。
ついこの前まで洋画や海外ドラマの中だけで、その世界観を楽しんでいたような気がするのだが。
とにもかくにも、家族や友人たちで楽しめるイベントが増えるのはいいことだと思う。
ケルト民族の宗教的な儀式が起源とも言われるが、今は少し変化している。
子供たちがそれぞれ趣向を凝らしてコスプレし、近所の家を訪ね歩く姿はとてもキュートだ。
2015年、ちょうどハロウィーンの時期にアメリカに滞在していた。
いたるところがハロウィーン仕様にディスプレーされ、
このあと訪れる感謝祭や、クリスマスホリデーとはまた違った華やかさだった。
ここはニューヨークのユニオンスクエア。
この日は市場が開かれ、たくさんの食材と共に様々な種類の“カボチャ”も並んでいた。
それをジッと眺めている男性がいる。
どれで「ジャック・オー・ランタン」を作ろうか?と考えているのだろうか?
それともパーティーへどんなコスプレで行こうか?と考えているのか?
もしくは過去のハロウィーンでの切ない出来事を思い返しているのだろうか?
それとも……。
普段なら、売られているカボチャを見てもそこまで考えなかったと思う。
この時期だからこそいろいろな考えが頭の中を巡った。
明日、皆さんはどんなハロウィーンを過ごされますか?
“Happy Halloween!! Trick or treat!”
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