あの街の素顔

五色沼でトレッキングと名物料理に舌鼓 秋の福島の魅力を堪能(2)

「Go Toトラベル」の対象に東京発着の旅行が加わった10月、さっそく紅葉真っ盛りの福島へGo Toトラベル利用の2泊3日の旅に出た。1日目は磐梯山へ登山、2日目はお座トロ列車で南会津の大自然を体感、3日目は五色沼散策を中心に磐梯高原の紅葉を楽しんだ。

(文・写真:鈴木博美)

Go Toトラベルキャンペーンを利用して秋の福島へ(1)はこちら

Day2 会津若松駅 地域共通クーポンでお買い物

駅

絶景とおいしい駅弁を堪能したお座トロ列車を後に、初日の宿泊先でチェックイン時に受け取った3000円分の地域共通クーポンを握りしめ、会津若松駅かいわいでお買い物タイム。Go Toトラベルの公式サイトで地域共通クーポン取扱店舗をマップから検索すると、会津若松駅と七日町周辺に90軒ほど取扱店が確認できた。

会津酒楽館

会津若松駅近くの地酒販売店「会津酒楽館」は、会津を中心とした種類豊富な地酒と地元の物産を販売。好みのタイプを伝えれば、目利きの主人があつらえてくれる。「開当男山」、「辰泉 辰ラベル black」、「鶴乃江酒造 ゆり」、「會津宮泉」。どのお酒も値段は1本1,500~2,000円程度。会津らしい4本の地酒を選んでもらった。

渡辺宗太商店 会津酒楽館
住所:福島県会津若松市白虎町1
電話:0242-22-1076
営業時間:9:00~19:00 火曜定休
http://www.souta-shoten.com

レトロ建築が並ぶ七日町通りを散策がてらショッピング

会津若松駅の隣駅、車で5分ほどの七日町(なぬかまち)通りは江戸時代に城下の西の玄関口として繁栄を極め、会津一の繁華街としてにぎわったところ。時代の面影を残すレトロな町並みが人気の通りとなっている。江戸時代から続く老舗店からおしゃれなショップまで、ぶらぶら歩きながらお土産探しを楽しめる。

会津ブランド館

商品

七日町通りから路地を入ったところにある、倉庫を改装したというレトロな雰囲気の「会津ブランド館」は、会津17市町村の魅力を発信するセレクトショップ。会津地方で作られた工芸品やローカルアーティストによるおしゃれな小物が集結する。福島の桃ドレッシングや会津ソースカツ丼のソースなどのオリジナル食品もあり、おみやげ選びが楽しい。

会津ブランド館
住所:福島県会津若松市七日町6-15
電話:0242-25-4141
営業時間:11:00~16:00
https://aizubrand.official.ec

裏磐梯の森にそっとたたずむホテリ・アアルト

ホテリ・アアルト

会津若松から東へ磐梯山をぐるりと回った北側に位置する裏磐梯高原は、大小300余にのぼる美しい湖沼群が点在する日本でも有数のリゾート地。「ホテリ・アアルト」は、磐梯山の噴火によってつくられた五色沼湖沼群のすぐそばに立つ。磐梯朝日国立公園内に7000坪の敷地を有する、たった17室の隠れ家的なホテルだ。

築40年の山荘をリユースした木の温かみを感じる北欧スタイルの建築とインテリア、奇をてらわない自然な居心地の良さがありながらもスタイリッシュで非日常的な空間が絶妙なバランスを実現している。広大な敷地内には二つの清く澄んだ美しい池があり、のんびり散策しながらの森林浴に心身が癒やされる。

チェックイン時に非接触検温と体調を確認される。客室数も限られており、ゲスト間でのソーシャルディスタンスも取りやすい。

室内

室内

宿泊した304号室は、アルネ・ヤコブセンの赤いエッグチェアがアクセントとなり、窓に広がる空と山々がまるで印象派の絵画のよう。たたずまいの美しさ、寝るための心地よさを追求し、非日常的空間がゲストを優しく包み込む。一日中部屋で過ごしたくなるほど気持ちがいい。

風呂

朝・夕・夜更け、同じ場所でも光の差し込み方で雰囲気が変わる不思議なお風呂。お湯は敷地内にある沼のほとりから湧き出る源泉かけ流し。少しとろみがかったお湯が全身の疲れを癒やしてくれる。内風呂であたたまったら屋根付き露天風呂で風に当たりながらまったり。つい長湯に。

たごころ食堂

料理

暖炉を中心に据えたダイニング「たごころ食堂」。「田」の下に「心」を書いて「思」という字から命名されている通り、一皿一皿に“思い”を込めてゲストをおもてなしする。会津の米はもちろん、生産者から旬の食材を直接仕入れ最高の調理法で提供する。それをここでは「お福分け」と呼んでいる。素敵なネーミングだ。

HOTELLI aalto
住所:福島県耶麻郡北塩原村大字檜原字大府平1073-153
電話:0241-23-5100
https://hotelliaalto.com

Day3 五色沼へ早朝散策

朝もや

快適なベッドでぐっすり眠れたせいか、空が明るくなりつつある早朝5時に目が覚めた。カーテンを開けると雲ひとつない快晴にじっとしていられず、五色沼へトレッキングに出ることにした。ホテルから五色沼入り口の裏磐梯ビジターセンターまで車で5分もかからない上、五色沼自然探勝路は全長約3.6km。ほぼ平坦(へいたん)なコースなので、のんびり歩いても1時間半もあれば踏破できる。戻りは探勝路のゴールにある「裏磐梯公園駅」バス停から、バスで「五色沼入口」バス停まで戻れば、ホテルの朝食にも十分間に合う。

弁天沼

早朝の弁天沼。幻想的な蒸気霧が辺りを覆っていた

青沼

青沼はエメラルドグリーンに見える

柳沼

柳沼の水面に映る紅葉が素晴らしい

五色沼自然探勝路を歩きはじめてすぐ見える毘沙門沼には、朝もやが立ち込めていた。遠くに見える磐梯山が朝日を浴びている。思いがけない神秘的な光景に言葉も出ずただじっと見つめていた。「早起きは三文の徳」とはまさにこのことだ。

コースには徒歩5~10分ごとに毘沙門沼、赤沼、みどろ沼、竜沼、弁天沼、るり沼、青沼、柳沼と神秘的な八つの色の異なる沼が点在する。紅葉のこの時期の日中は混雑必至で“密”も気になるところだが、早朝は人もほとんど見かけず紅葉が彩る美しい秋の景色をゆっくり楽しめた。

裏磐梯ビジターセンター
住所:福島県耶麻郡北塩原村桧原剣ヶ峰1093
電話:0241-32-2850
営業時間:夏季:4月1日~11月30日9:00~17:00 冬季:12月1日~3月31日9:00~16:00 火曜日休館
http://www.urabandai-vc.jp/

磐梯吾妻レークラインを走り檜原湖へ

ホテルに戻り朝風呂でリフレッシュした後は、会津の恵みをたっぷりいただきパワー満タンにしてチェックアウト。山間を走る磐梯吾妻レークラインを20分ほどドライブして東北屈指の紅葉の名所「中津川渓谷」を経て、檜原湖へ向かった。レークラインは11月中旬で冬期通行止めになってしまったが、途中の紅葉風景を写真でご紹介しよう。

川

紅葉

中津川橋からは清流と紅葉、奥には磐梯山を望む

遊歩道から渓谷へ降りられるようにもなっており、河原の散策も楽しめる。錦秋(きんしゅう)には少し早かったが、ブナの黄葉もまた美しい。駐車はくれぐれも中津川渓谷レストハウスのパーキングを利用すること。路上駐車は交通の支障になり危険だ。

小野川不動滝

中津川渓谷を後に、小野川湖沿いを走り小野川不動滝へ車を走らせる。この滝の水は小野川湧水(ゆうすい)と呼ばれ、環境省の名水百選にも選ばれている。

メイン道路から鋭角の道を曲がり林道を進むとパーキングがある。滝までは「小野川不動滝探勝路」という遊歩道が整備され、全長約1km、所要時間約30分のコースになっている。コースの途中に140段ほどの急な石段がある。森を抜けると豪快に落ちる小野川不動滝が現れる。

檜原湖

裏磐梯最大の大きさを誇る檜原湖畔も新緑、紅葉ともに最高のドライブルートだ。湖の北側は砂浜が広がり、まるで海と見まごう景色に新鮮な感覚を覚える。誰もいない浜に繰り返し打ち寄せる波音だけが聞こえる。しばらく座って色づき始める山の木々と静寂の湖を楽しみたかったが、おなかがすいて景色に浸っていられない。

裏磐梯観光協会
住所:福島県耶麻郡北塩原村桧原剣ヶ峰1093-1055
電話:0241-32-2349
営業時間:9:00~17:00
https://www.urabandai-inf.com/

どうしても食べたかった裏磐梯名物「山塩ラーメン」

ラーメン

山の駅食堂

檜原湖の北まで足を延ばしたのは、裏磐梯にある大塩裏磐梯温泉の温泉を薪釜で煮詰めて作る山塩を使った、口コミで評判の塩ラーメンを食べるためだった。しかし目の前で「本日終了」の看板。あと、10分早ければと悔やみながら来た道を戻り、山塩ラーメンが食べられる別の店を探す。

3軒目にしてようやくありつけたのが、猪苗代町と裏磐梯を結ぶ道沿いにある一軒の食堂。ランチタイムは過ぎていたが、山塩ラーメンは作れるというので店に飛び込んだ。おかみさんが作る山塩ラーメンは、2㎝はあろうかというトロトロに煮込まれた分厚い角煮風のチャーシューが澄んだ塩スープと相性抜群。店の名物トマトラーメンも、山塩スープにほのかな酸味がアクセントとなり美味。会津の特産品や加工品などの売店コーナーも設置されている。

山の駅食堂
住所:福島県耶麻郡猪苗代町字山神原7082-1
電話:0241-32-3337
営業時間:11:00~18:00ごろ 木曜定休
https://www.facebook.com/yamanoeki.aizu

諸橋近代美術館

諸橋近代美術館

おなかも満たされ、五色沼入り口近くに位置する「諸橋近代美術館」へ。シュルレアリスムの巨匠サルバドール・ダリの作品346点を所蔵する。ダリの彫刻39点は世界でも類を見ないコレクション数を所蔵する美術館だ。その外観は中世の馬小屋というイメージで建設されたという。建物を囲むように小川が流れ、どこを切り取っても絵になる。作品とともに自然の美しさを堪能できるのも魅力のひとつだ。

絵画も彫刻作品も見応えがあり、特に彫刻群はダリの精神世界をのぞいているかのよう。アプリをダウンロードして無料で音声ガイドによる説明が聞け、間近でゆったりと鑑賞できるのもうれしい。

サルバドール・ダリ(1904年~1989年)は、スペインのフィゲラス出身。絵画、彫刻などの作品を中心に、映画、作家、デザインなど多岐にわたる表現活動をライフワークとした。ちなみに「チュッパチャップス」のロゴの原型は、ダリがデザインしたものだ。

美術館内

諸橋近代美術館
住所:福島県耶麻郡北塩原村大字桧原字剣ヶ峯1093-23
電話:0241-37-1088
営業時間:9:30~17:00(最終入館16:30、2020年11月30日~2021年4月23日まで冬期休館)
https://dali.jp

“密”を避けた旅 Go To利用でこれだけお得

諸橋近代美術館を十分堪能した後は、道の駅猪苗代に立ち寄り、地域共通クーポンでお土産を買って郡山駅に戻って来た。盛りだくさんの2泊3日だったが、まだまだ行きたい場所はあったし、食べたいものもあった。会津の自然と伝統に魅了されたこの旅を通して、コロナ禍によって生まれた“密”を避ける新しいスタイルでも十分に旅を楽しめることが実感できた。

1人分で換算するとGo to 利用で宿泊費約20,000円と地域共通クーポンが8,500円、合計で28,500円相当お得になった。地域共通クーポンはあらかじめ利用可能なお店を調べる必要はあるが、お財布を開かずクーポンでお土産が購入できるのはうれしかった。

PROFILE

  • 「あの街の素顔」ライター陣

    こだまゆき、江藤詩文、太田瑞穂、小川フミオ、塩谷陽子、鈴木博美、干川美奈子、山田静、カスプシュイック綾香、カルーシオン真梨亜、シュピッツナーゲル典子、コヤナギユウ、池田陽子、熊山准、藤原かすみ、矢口あやは、五月女菜穂、遠藤成、宮本さやか、小野アムスデン道子、石原有起、江澤香織、高松平藏、松田朝子、宮﨑健二、井川洋一、草深早希

  • 鈴木博美

    旅行業界で15年間の勤務を経てフリーの旅行家に。旅を通じて食や文化、風土を執筆。日本航空機内誌のほか、新聞雑誌等に海外各地の旅の記事を寄稿。著書に一人旅に役立つ電子書籍「OL一人旅レシピ」インド編、カンボジア・ベトナム編、エジプト編、世界中のおいしい料理をおうちで作る「いつもの食材で作る世界の料理レシピ」。ブログ「空想地球旅行」で旅のあれこれを発信中。

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