モデル・はな、奈良を満喫!
文: はな
旅好き・仏像好きで知られる、モデル・はなさんの連載「はなのたびたび旅日記」、略して「はなたび」。今回のはなたびは、9カ月ぶりに訪れた奈良の旅をご紹介します。
(文・写真・イラスト:はな)
奈良の宝物を拝みに
日帰りでしたが、友達と秋の奈良を堪能してきました。
まずは、先日まで開催されていた「正倉院展」に向かいました。
毎年、楽しみにしている「正倉院展」。聖武天皇の時代、東大寺の境内に建立された正倉(宝庫)には約9000件もの宝物が収められていたと伝わります。今年で72回目を迎える展覧会では、コロナの影響もあってか「薬」が数多く展示されていました。奈良時代から残った薬の多くは植物や動物に由来しており、その中でもひときわ目立っていたのが、白い岩のように見える「五色龍歯(ごしきりゅうし)」。「龍の歯」と伝えられてきた薬ですが、実際は象の歯で、鎮静などの効果があったそうです。
薬以外にも武器や武具、きらびやかな装飾が施された箱や鏡、かわいらしい花模様がデザインされたフェルトの敷物が印象的でした。職人たちの技術が1200年以上経った今の時代でも輝き続ける……ロマンあふれる、素晴らしい展覧会でした。
おいしいものと鹿に癒やされる
奈良を旅したのは11月上旬でしたが、紅葉も始まり、小鹿たちは落ち葉の上でのんびり。
さて、この日は興福寺に立ち寄りました。お目当ては……。じゃ~ん!
中金堂(ちゅうこんどう)です!
11月23日まで秘仏の吉祥天(きっしょうてん)さまが特別開帳されていました。こちらは鎌倉時代末期に活躍した仏師、寛慶(かんけい)作。普段は非公開のため、光に触れることなく保存されています。そのため、色彩が素晴らしい状態で残っているので、迫力満点! 浄瑠璃寺の吉祥天を彷彿(ほうふつ)させる、女性の力強さが感じられ、「ツンデレ」好きな男子はメロメロかもしれません。お顔は色白でふっくら、なんとも頼もしいお姿からは、この世を支えるパワーに満ちあふれています。またご開帳される機会がありましたらぜひ会いに行ってくださいね♪
おなかがペコペコだった私たちは、興福寺から奈良町に向かいました。「猿沢豆花(さるさわどうふぁ)」という台湾スイーツのお店に立ち寄ることに。
ランチタイムで提供していた「シェントウジャン」を注文しました。
これがおいしかった!!! 一見、スープのようなこちらは、台湾で朝ごはんや軽食として食べられている豆腐料理で、豆乳にお酢を入れておぼろ状に固めてあります。ラー油、ネギ、干しエビ、中国の揚げパンがトッピングされ、酸っぱ辛い風味がものすごーく私好みでした。体も温まって、これからの季節にもピッタリですね!
その足で、予約していた和菓子屋「樫舎(かしや)」に向かいました。
夏にかき氷をいただきましたが、今回はぜんざいを。3種類の白玉が入っていて、こちらもおいしかったぁ……ペロリ。
豆腐スープとぜんざいでおなかはチャポチャポでしたが(笑)、お土産に「栗のくず焼き」と「栗きんとん」をゲット! 帰ってからお抹茶と一緒にいただきました。
朝10時前には奈良に到着し、帰りは15:10の近鉄線に乗り込む、という弾丸の旅でしたが、「正倉院展」では奈良時代の至宝に心奪われ、おいしい料理との出合いにも恵まれ、充実した一日でした。小鹿のバンビたちが日なたぼっこする姿を眺めていると、一瞬だけでも、平和な日々を取り返した気持ちになります。
また会いに来るね、バンビ!