ちょっと冒険ひとり旅

嵐山を歩く西山コースで総仕上げ 「京都一周トレイル」で冒険旅#6

近場でも冒険気分を味わいたい……というわけで、京都在住の旅行ライタ−・山田静さんが選んだ冒険先は地元・京都。京の都をぐるりと囲むトレイルルート「京都一周トレイル」完歩に挑戦。今回はいよいよラスト、清滝から嵐山、西芳寺(苔寺)へと続く風光明媚(めいび)な西山コースです。

(トップ写真は清滝川)

■何回目かのひとり旅、ちょっとだけ冒険してみたい。そんな旅人のヒントになりそうな旅先や旅のスタイルを紹介している連載「ちょっと冒険ひとり旅」。京都で旅館の運営をしながら、旅行ライターとしても活躍する山田静さんが、飛行機やバスを乗り継いで比較的簡単に行ける、旅しがいのあるスポットをご紹介していきます。バックナンバーはこちら

京都一周トレイル 西山コース 清滝金鈴橋〜西芳寺/阪急上桂駅 12.3キロ

健脚の京都リピーターにイチオシなのが西山コース。清滝川にかかる金鈴橋からスタートし、渓谷沿いに南下。保津川との合流地点から車道や林道を進み、愛宕神社がある愛宕山への登り口・鳥居本(とりいもと)の集落、嵯峨野を通過して嵐山の渡月橋にたどり着く。ここまでがコースの前半で、距離は6キロあまりだ。

渓谷を抜けたあとはほとんどが舗装路で、六丁峠(標高171m)への標高差100メートルほどの登り下りを除けば、他のコースに比べると平坦(へいたん)で歩きやすい。渡月橋周辺は京都有数の観光地だけに、レストランやテイクアウトフードの出店も多く公衆トイレもあるので、川を眺めながらゆったり昼休憩をとれる。

渓流、里山、古寺 京都の歴史と美しさを知る、京都リピーターにイチオシコース

目印

西山コースいよいよスタート! 清滝から落合までは、金鈴峡と呼ばれる美しい渓谷。トレイルルートは峡谷に沿った遊歩道をたどる。ところどころ岩場に降りられるので、休憩をとりつつのんびり歩く。

渓谷

嵐山を歩く西山コースで総仕上げ 「京都一周トレイル」で冒険旅#6

「落合」に到着

保津川と清滝川が合流する「落合」に到着。周辺は険しい岩場で稲作する場所が少なく、かつて住民はこの道を通って水尾などに米を買いに出かけていたため「米買い道」とも呼ばれていたそう。

鳥居

六丁峠を越え、鳥居本に到着! 立派な鳥居は愛宕神社の一の鳥居。紅葉の季節は、ここから愛宕詣でに挑戦しても楽しそうだ

夏草

8月下旬、道ばたの花もすがすがしい夏草

町家

町家が連なる鳥居本

町家が連なる鳥居本は伝統的建造物群保存地区に指定されている。集落に隣接する曼荼羅山は、五山送り火の鳥居型の火をつける神聖な場所。

お地蔵さま

鳥居本のお地蔵さま

小倉池

鳥居本からすぐ南が嵯峨野。ハスが群生する小倉池を眺めつつ、嵐山を目指す

保津川

あとひと息で渡月橋、というところで亀山公園を通過。公園内の展望台は、保津川を一望の絶景スポット

渡月橋

渡月橋に到着! 京都有数の人気スポットだが、8月下旬の平日、観光客はほとんどいなかった

渡月橋のたもとで昼休憩とトイレをすませ、後半のルートに出発! 待っているのは松尾(まつのお)大社の背後にそびえる松尾山(標高276m)登頂だ。

ここでちょっと失敗。京都一周トレイルではじめてバテてしまった。8月下旬の猛暑のなか6キロあまり歩いたあと、標高差200メートルを一気に登るというのを甘く見ていた。山頂付近で足が重くなり顔は熱くなり、息もあがってきたのでいったん休憩。水分をとり首を冷やしながら20分ほど座っていたら回復したが、里山歩きとはいえ山は山。無理は禁物と気を引き締めた。

登山口

渡月橋から阪急嵐山駅に向かい、駅を越えて少し歩くと松尾山の登山口。ここまできれいに整備された観光ルートを歩いて来たので、再び山道に戻り、山好きとしては逆にちょっぴりほっとする

京都市街

登山道から京都市街を望む。京都一周トレイルでは、東・北・西と三方から京都市街を眺めることになる

松尾山

バテた身体がなんとか回復して、松尾山登頂! ここは、京都最古の神社ともいわれる松尾大社の神体山。木が生い茂って眺望はあまりよくないが、気持ちのいい風が吹き抜ける

松尾山からはひたすら山道の下り。だんだんと竹が増えてきて、最後は深い竹林のなかをひたすら下っていくと、西山コース最後の標識No.51が出てきて、苔寺谷に到着! 西芳寺川に沿って下流を目指して歩くと、西芳寺(苔寺)の門が現れる。事前予約制なので、もし京都一周トレイル中に同時に訪れたい場合は、朝イチで西芳寺を拝観して、本稿とは逆方向に清滝を目指すといいだろう。

木立

松尾山の木立を抜け下っていく。京都一周トレイルは、京都のさまざまな自然の姿や、人と自然、聖地と自然が共存する姿に触れることができた

竹林

西芳寺への下りは竹林を抜けていく

「山の神さん」

苔寺谷に到着。道沿いに置かれた「山の神さん」は、かつてこの地にあった「山の神神社」をしのんで、山に入る人々の無事故を願って地元の人々が置いた石だそう

西芳寺川

竹林の間を流れる西芳寺川

西芳寺

西芳寺川に沿って進むと、西芳寺(苔寺)が現れる。この西芳寺(事前予約要)に加えて、近くの名刹(めいさつ)・地蔵院や鈴虫寺をゆっくり巡ると半日かかる。どこも見ごたえがあるので、全部見るならしっかり時間をとって訪れたい

西芳寺からさらに1キロほど歩くと、阪急上桂駅に到着し、これにて京都一周トレイルの主要ルート、東山・北山・西山の全長74キロを踏破! 達成感もあるし、歴史の道を歩いたことで京都の別の顔を知ることができ、歩いてよかった、と大満足。

次回は京都一周トレイルに挑戦したいという方のために、装備や持ち物、歩き方のコツなどをご紹介していこう。

<今回のデータ>
歩行時間 約6時間
歩行距離 12.3キロ
最高地点標高 276m(松尾山)
最低地点標高 27m(阪急上桂駅)

<アクセス>
出発点:京都バス・清滝バス停
到達点:阪急上桂駅

京都一周トレイルWebサイト
https://ja.kyoto.travel/tourism/article/trail/

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BOOK

嵐山を歩く西山コースで総仕上げ 「京都一周トレイル」で冒険旅#6

京都で町家旅館はじめました(双葉社)

京都に開業した町家旅館のマネジャーをつとめることになった著者が、開業準備から実際の運営に至るまでのドタバタとドキドキ、そして京都のお気に入りスポットなどを綴(つづ)ったエッセーガイド。1540円(税込み)。

 

嵐山を歩く西山コースで総仕上げ 「京都一周トレイル」で冒険旅#6

旅の賢人たちがつくった
女子ひとり海外旅行最強ナビ(辰巳出版)

連載「ちょっと冒険ひとり旅」著者の山田静さんが、海外ひとり旅に行きたいすべての人にお届けする、旅のノウハウをぎゅっと詰め込んだ1冊。行き先の選びかた、航空券やホテルをお得に効率よく予約する方法、荷物選びと荷造りのコツ、現地での歩きかたのツボ、モデルルート、遭遇しがちなトラブルとその回避法など、準備から帰国までまるっとカバーしました。旅の達人によるコラム記事やアンケートも満載で、ひとり旅の準備はまずこの1冊から。1650円(税込み)。

PROFILE

山田静

女子旅を元気にしたいと1999年に結成した「ひとり旅活性化委員会」主宰。旅の編集者・ライターとして、『旅の賢人たちがつくった ヨーロッパ旅行最強ナビ』『旅の賢人たちがつくった 女子ひとり海外旅行最強ナビ』(辰巳出版)、『決定版女ひとり旅読本』(双葉社)など企画編集多数。最新刊『旅の賢人たちがつくった スペイン旅行最強ナビ』(辰巳出版)。2016年6月中旬、京都に開業した小さな旅館「京町家 楽遊」の運営も担当。

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