爆釣! 大阪湾・洲本沖のタチウオ 夫婦でウハウハ62尾

西へ東へ、海へ川へと旅して釣りする太公望たちの奮闘記です。魚との知恵比べ、釣った魚で一杯……。目的は人それぞれながら、闘いの後の心地よい疲労と旅情は格別。今回は、釣りライターの安田明彦さんが、大阪湾の淡路島・洲本沖で船タチウオ釣りに挑みます。爆釣の情報に夫婦で勇んで出かけてみたら……。
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突如釣れ出した、洲本沖のタチウオ
何がどうなったの?というぐらいに、急に釣れ出した大阪湾の船タチウオ。
潮によって、水温によって、魚の群れによって、船長がポイントを変えていくわけなのですが、急に釣れ出したポイントとは淡路島の洲本沖です。定番のポイントですが、その数が半端ではないのです。
トップが70尾や80尾は当たり前、上手な人ともなると、3ケタという状況です。少ない人はやはり少ないので、ざっとですが平均40尾として、20人乗ったとして、ひと船800尾の計算です。休日となると船は100隻以上出ますから、約8万尾のタチウオが釣り上げられることになります。一体どれだけのタチウオが入ってきているのか……。
数が釣れるチャンスを逃すまいと、11月12日に出掛けました。潮は中潮、潮の流れが遅い小潮周りが良いとされるタチウオには少し速いように思われますが、スケジュールなので仕方がありません。今回は、妻の真智子も一緒です。タチウオの引きが強烈だと聞かされ続けて、私も行きたい!となったのです。
泉佐野から出航、淡路島を目指す
大阪府泉佐野市の海新丸にお世話になりました。大きい船なので、多少の揺れには強いかなと思いましたが、乗り物に弱い妻は船酔いしてしまいました。釣れていたら酔う暇などないだろうという目論見は外れました。
洲本沖までは1時間弱。釣り方は、オモリと掛け針を一体化させたテンヤ釣りです。エサのイワシをテンヤにセットし、電動リールの使い方を説明し、まずは妻がテンヤを投入します。

タチウオ狙いの船団。この釣れっぷり、いったい海の中は、どうなっているのか……
反応のあるタナ(魚のいる層)は70~80メートル、と船長のアナウンス。私も遅れてテンヤ投入。「リールについているカウンターで90までいったらストップして巻き始めて」と妻に指示を出します。「竿(さお)先でチョンチョンと動かして誘って、止めてアタリを出すねん」と言っている間に、もう、竿先にフワッとした反応が出ているではありませんか。さすがに食いが良い洲本沖。魚の活性は、すこぶる良いようです。

タチウオを取り込む妻。「よく引くー!」と、酔うまでは楽しかったみたい
「グイッときたら、合わせるねんで」というと、グイッと入りましたが、妻は竿全体を上げるだけで、合わせがきいていません。「もっとシャープにビシッと合わせたらなあかんねん」と言っている間に、何度目かのアタリで、ようやくハリに乗ったようです。
「はい巻いて!」と電動リールの巻き上げレバーをオン。ウィーーーーンと心地よい巻き上げ音です。途中、何度かの締め込みはあったものの、無事タチウオを水面まであげた妻の取り込みをサポートします。魚を外して、絞めて、そしてテンヤにエサをつけて投入して、と、自分の釣りをしながら、妻の世話も。目線を下げたり細かい作業をすると船酔いしやすいため、それを私が引き受けたのです。

妻が人生で初めて釣ったタチウオ
私の竿にもほどなくアタリがあり、巻き上げ、取り込み、次の投入と、まるで機械のように作業していきます。思っていたよりサイズがよく、小さくても75センチ、大きいのは90センチ級。もっと大きいのが欲しいんですがね……。
1人の戦いは爆釣へ、そして奇跡の復活
すると妻がぼそっと、「なんかしんどい」。船酔いしたようです。仕掛けを上げ竿を置いて、しばらくじっとしていたらと勧めたら、「ちょっとましになった」と、また釣りはじめます。タチウオはビギナーにも優しく、適度にアタリを出してくれる魚です。しかしついに、「ちょっと休む」と妻は船室へ。釣ったタチウオを数えると9尾ありました。この時点で私は15尾。親しい船長に「やっさん、なんぼ釣った」と聞かれたので15と答えると、「なんやそんだけかい!」とそっけない返事。妻の手伝いしているから、仕方ないやん……。
妻が船室に入った後は、1人の時間です。次の流しが、爆釣でした。仕掛けがタナに入ればすぐに反応が出て、ホイホイ釣れてくるのです。メーターオーバーもまじり、自己記録更新かも、と思えるような釣れっぷり。ひと流しで20尾も釣れました。個人イケスの中はタチウオだらけです。

ひときわ引きが強いと思ったら、メーター級タチウオがヒット
さらに7、8尾追加したところで、妻が奇跡?の復帰。本当にこの日のタチウオは食いが良かった。妻は6尾追加して、最終的に15尾で沖上がりとなりました。
私はというと、妻が復帰してサポートしたことでペースダウンはしましたが、最終的には47尾と、自己最多数を更新する釣りとなりました。

活躍してくれたタチウオテンヤと、釣れた中からメーター級のタチウオを並べてみた
タチウオは帰ってから近所に配りまくって、我が家の食卓も、塩焼きに煮付けと毎晩タチウオがおかず。でも、脂がのってきたタチウオは、うまいんですよねー。

切って焼くだけの塩焼きはシンプルだがウマイ

煮付けは、翌日か翌々日の方が、味がしみてウマイ
小さめのタチウオは、身だけにして、タチウオ飯に。これまたうまいのは言うまでも無く、おぎりにしたら、最高でした!

タチウオ飯。おにぎりにすると、これまたウマイ
釣りって、釣っても釣っても欲がわくもの。次は、タチウオの3桁釣りがしたいなー。
■海新丸
http://www2.odn.ne.jp/kaisinmaru/main.html
PROFILE
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釣り大好きライター陣
安田明彦、猪俣博史、西田健作、石田知之、木村俊一
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安田明彦
釣りライター
1959年大阪市生まれ。父親の影響で子供のときから釣りが大好き。大学卒業後、釣り週刊誌の記者、テレビの釣り番組解説者などを務め、「やっさん」の愛称で親しまれる。あらゆる釣りを経験するが、近年は釣って楽しく、食べてもおいしい魚だけを求めて行くことが多い。釣り好き、魚好きが高じて、大阪市内で居酒屋「旬魚旬菜 つり宿」を営んでいる。