お菓子でも、おもちゃでもありません。これは……。インドネシア・バリ島
文: 野見山大地

ドローンによる空中撮影から水中での撮影まで、ひとひねりした視点の写真を得意とする写真家、野見山大地さんの連載「上から撮るか、下から撮るか」。今回は、インドネシアのバリ島です。断崖の寺院から世界遺産の棚田まで、野見山さんがワクワクした体験を写真と動画でお届けします。
【動画】ガルーダ・ヴィシュヌ・クンチャナ像を空から
常夏のバリ島。イスラム教徒が9割近くを占める国インドネシアで、土着の信仰にヒンドゥー教や仏教が融合した「バリ・ヒンドゥー教」を信じる人々が9割に達する島でもあります。豊かな自然と宗教を軸に生きる人々が織りなす神秘的な魅力のとりこになってしまいました。
断崖の寺院とサーファーの聖地 ウルワツ
島の南端にあるウルワツ地区には、断崖絶壁の上に11世紀ごろ建てられたバリ・ヒンドゥー教のウルワツ寺院があります。ウルワツ寺院はケチャダンスの上演場所としても知られています。

ケチャダンスの一幕
インド洋に沈む夕日を背景に、50人もの男性たちが楽器を使わず声だけで生み出すリズムは圧巻です。
【動画】ウルワツ寺院のケチャダンス
ウルワツは世界屈指のサーフポイントとしても知られていて、乾季の4月から9月は極上の波が押し寄せ、有名な世界大会が行われることもあります。サーファーの聖地でもあるのです。
【動画】極上の波が押し寄せるウルワツの海岸
機体がレストランに クラマス・エアロパーク
バリ島には飛行機の機体を転用した珍しいレストラン「クラマス・エアロパーク」があります。インドネシアの国内線で実際に使われていた機体を使用しているとのこと。

クラマス・エアロパークを空から
現役の飛行機ならなかなか入れないコックピットや、翼の上に出ることもできます。料理はインドネシア料理から西洋料理まで幅広くそろっています。

機体のコックピット部分
ライステラスで空中ブランコ
米が主食のバリには多くのライステラス(棚田)が存在します。世界文化遺産「バリ州の文化的景観:トリ・ヒタ・カラナ哲学に基づくスバック灌漑(かんがい)システム」の構成資産となっているものもあります。
比較的アクセスがよいのは、テガラランのライステラスです。付近にはカフェなどがあり、そこでくつろぎながら眺めることができます。また、ブランコなどのアクティビティも人気があります。

テガラランのライステラスを空から

ライステラスをバックにブランコ
一方、島の中央部にはジャティルウィのライステラスがあります。

ジャティルウィのライステラス
こちらは観光の中心地からは遠くアクセスが良くないのですが、広大で圧巻のライステラスを見ることができます。
巨大な神像が目印 GWKカルチュラルパーク
GWKカルチュラルパークはバリの伝統文化を体験できるテーマパークです。広大な敷地にはケチャなどの伝統舞踊を体験できるシアター、バリのお土産を買えるショップや、バリ料理を食べることができるレストランなどがあります。なかでも僕が一番の目玉だと思ったのは、巨大なガルーダ・ヴィシュヌ・クンチャナ像です。神鳥ガルーダに乗ったヴィシュヌ神を表現したこの像は、台座を含めて高さが約120mもあります。動画は記事冒頭をご覧下さい。

ガルーダ・ヴィシュヌ・クンチャナ像を空から
敷地は広大なので、立ち乗り二輪車や自転車をレンタルして回ることをおすすめします。
観光客から地元の人まで にぎわうクタビーチ
【動画】クタビーチを空から(タイムラプス)
空港からも近く、バリ島の中でも特ににぎわっているクタビーチには、多くの観光客や地元の人が訪れます。サーフィンショップも多く軒を連ね初心者の方でも手ぶらでサーフィンを楽しむことができます。ビーチに座り込み夕日を見ながら飲む地元産のビンタンビールは格別です。