クルーズへの招待状

「ホテル&クルーズ」という新たなスタイルで、楽しさ2倍の新春旅行

今回は、2020年1月に取材した「ぱしふぃっくびいなす」の新春クルーズと、横浜新港ふ頭に誕生したホテル、「InterContinental Yokohama Pier 8(インターコンチネンタル・ヨコハマ・ピア・エイト)」を組み合わせた新しい旅の形のご案内です。(取材時期:2020年1月5日~8日、現在ぱしふぃっくびいなすは4月以降のクルーズに向け準備中です)

(トップ写真:2019年秋にオープンした横浜ハンマーヘッド。ホテルのすぐ前に着岸した「ぱしふぃっくびいなす」、撮影はすべて上田英夫)

■連載「クルーズへの招待状」は、クルーズ旅の魅力や楽しみ方をクルーズライターの上田寿美子さんがご紹介します。

横浜ハンマーヘッドに誕生したモダンなホテルと客船のコラボレーション

2019年秋、横浜新港ふ頭に「横浜ハンマーヘッド」がオープンしました。新しい客船ターミナルを中核に、ショップ、レストランなどの商業スペースと、ホテルを組み合わせた複合施設は、横浜の新名所と言っても過言ではありません。名前の由来は、1914年、新港ふ頭整備の際に日本で初めて設置されたイギリス製の港湾荷役用ハンマーヘッドクレーンにちなむもので、2001年にこのクレーンは荷役の役目を終えましたが、今も新港のシンボル的存在として海に向かってそびえています。

そして、この「横浜ハンマーヘッド」内に「InterContinental Yokohama Pier 8(以下Pier 8)」というラグジュアリーホテルが誕生しました。ふ頭に立ち、三方を海に囲まれた立地は、日本有数のオーシャンフロントホテルと表現するにふさわしく、さらに、客船ターミナルと隣接しているので、横浜でも、クルーズの前泊や後泊に「Pier 8」を組み合わせ、旅をより便利に、ドラマチックに盛り上げることが可能になりました。

らせん階段

「InterContinental Yokohama Pier 8」のモダンならせん階段

「Pier 8」に入館すると美しいらせん階段に迎えられ、モダンで優雅な休日が始まりました。客室は、港を望むベイビュー、中庭に面したガーデンサイド、そしてスイートルームなどなど計173室。今回は、その中の「クラブインターコンチネンタル ベイビュー」を利用しましたが、客船を思わせる円窓や旅行かばんをかたどった調度品が船旅ムードをかもし出し、開閉できる大窓からそよぐ潮風も爽やかなシーサイドホテルならでは。海好きにはぴったりの客室です。

客室

クラブインターコンチネンタル ベイビュー客室

そのうえ、クラブルームは、専用のクラブラウンジが利用できるのも特徴となっています。海を望むラウンジ内にはライブラリーのスペースもあり、飲み物と共にくつろぐのに絶好の場所。さらに午後は、優雅なアフタヌーンティー。夕方からは、ワインやカクテルをオードブルと共に楽しめるカクテルタイム。そして、朝は焼き立てオムレツや牛フィレ肉のステーキなど、豪華な朝食で、豊かなホテルライフを満喫しました。

アフタヌーンティー

クラブ専用ラウンジの優雅なアフタヌーンティー

館内には、レストラン、スパ、ジムも完備。その上、この港に立つホテルには緑の茂る中庭まであるのです。夜になり、中庭のこみちを抜けていくと、茂みの中にうっすらと明かりがともる鮨処(すしどころ)「かたばみ」に到着。秘密めいたたたずまいは、横浜の隠れ家と呼ぶにふさわしく、9席のみのカウンターで、極上の鮨に舌鼓を打ちました。

中庭

夜の中庭から隠れ家のような鮨処「かたばみ」へ

カウンター

カウンターで極上の鮨を食す

実はこのホテルは「ル・グラン・ブルー」という16トンの小型船を持っていて、宿泊客を海の散歩にも連れて行ってくれるのです。最近、みなとみらい地区は、景勝地としても有名ですが、海からみなとみらいの高層ビル群や大さん橋を見上げ、普段は歩いて渡る万国橋の下をすれすれでくぐり抜けるなど、一味違う横浜の姿に触れることもできました。

「ル・グラン・ブルー」

ホテル専用のクルーズ船「ル・グラン・ブルー」

みなとみらいの景観

「ル・グラン・ブルー」の屋根に映るみなとみらいの景観

一方、横浜港を往来する客船を見るなら、ホテルの最上階ルーフトップが絶好の場所。観葉植物やソファを配置したおしゃれなつくりで、横浜港を赤く染める日の出、日の入り、そして、立派なハンマーヘッドの姿も一望のもと。ホテルゲストしかアクセスできない特別感のある眺望スポットになっています。

夜景

ホテルのルーフトップから港の夜景を望む

2日目の朝、ルーフトップに上がり、今日から乗るクルーズ客船ぱしふぃっくびいなすがかなたに現れ、ベイブリッジをくぐる入港シーンを約1時間じっくりと堪能しました。部屋に帰り、開け放した窓から手を出すと、新港ふ頭に着岸したぱしふぃっくびいなすに届きそうな近さ。クルーズ客には、乗船時間に合わせたレイトチェックアウトができることも、「Pier 8」の特筆すべきサービスです。

ぱしふぃっくびいなすとハンマーヘッドクレーン

横浜新港に入港するぱしふぃっくびいなすとハンマーヘッドクレーン

支度をして、ホテルと直結している新港ふ頭客船ターミナルに向かいましたが、ここでもホテルのスタッフによる荷運びの手伝いがあり、移動も楽で合理的。あっという間に客船ターミナルのCIQホールに到着し、乗船手続きもスムーズに完了しました。

クルーズ業界では、飛行機とクルーズを組み合わせた「フライ&クルーズ」など、クルーズとほかのものを組み合わせ、互いの利便性を増し、魅力を引き出しあうことを、よく「〇〇&クルーズ」と表現しますが、今回は「Pier 8」とぱしふぃっくびいなすのコラボレーションで、横浜港に「ホテル&クルーズ」と言える便利で充実した組み合わせが誕生した喜びを実感しました。

ぱしふぃっくびいなす恒例の新春クルーズで初詣と国宝犬山城へ

2020年1月に乗船した、日本船籍の客船ぱしふぃっくびいなすによる「新春伊勢四日市クルーズ」は、1月6日から2泊3日で初春を堪能しながら、初詣もできる人気のクルーズでした。

出航の際には、横浜ハンマーヘッドからたくさんの人に見送られ、船からは「ハッピーセーリング!」の掛け声で応える陽気なシーンが展開されました。

船内は鏡餅や羽子板などを飾り付けて新年をことほぐ演出。初日は、まず、松井克哉船長たちによる鏡割りで幕を開けました。

鏡開き

鏡開きでクルーズの出港を祝う

ショータイムは和楽器の生演奏集団「月詠―TSUKUYOMI―」による4種の和楽器と日本舞踊を組み合わせたステージ。粋な和の演目が正月気分を盛り上げてくれました。

日本舞踊のショー

日本舞踊のショーで新春をことほぐ

そして夕食は、フグ、鮟肝、タラバカニ、白子、数の子などをふんだんに盛り込んだ季節感あふれる和食。絵に描いたように美しい盛り付けと、こまやかなサービスもごちそうの内です。

和食

季節の味覚を盛り込んだ和食

翌朝ぱしふぃっくびいなすは、三重県の四日市港に到着。このときは船のオプショナルツアーで、愛知県にある熱田神宮の初詣と、国宝犬山城を訪問するツアーに参加しました。地元の人から「熱田さん」と呼ばれる熱田神宮は、三種の神器の一つ「草薙剣(くさなぎのつるぎ)」がまつられていることで有名です。

本宮に詣でた後、緑に覆われたこころのこみちを進み、水の神様である罔象女神(みずはのめのかみ)をまつる清水社にも参拝。社殿の奥に湧き出る水で肌を洗えば肌がきれいになるという信仰があるそうです。

熱田神宮

地元では「熱田さん」として親しまれる熱田神宮に初詣

昼食は、尾張徳川家の文化財を収蔵する徳川美術館の一角にある「宝善亭」でうなぎのひつまぶし。1杯目はそのまま、2杯目は薬味を混ぜ、3杯目はだしをかけ、4杯目は一番好みの方法で、という食べ方を教わり、名物の味の変化を楽しみました。

ひつまぶし

愛知名物ウナギのひつまぶし

そして、日本の国宝5城(姫路城、松江城、松本城、彦根城、犬山城)の一つ犬山城へ。愛知県犬山市の木曽川のほとりに立つ犬山城は、1537(天文6)年、織田信長の叔父織田信康によって築城され、現在は、天守のみが現存しています。

また、日本で最後まで個人が所有していた城(2004年まで個人所有)としても知られ、内部には、武具の間、石落としの間などがあり、最上階の4階望楼まで上がると、さすがに見晴らしがよく、天気の良い日は岐阜城まで見えるそうです。

犬山城

今も天守が現存する国宝犬山城

3日目は、16時30分に横浜に戻るので、ゆったりと船上生活が楽しめるのもこのクルーズの魅力です。すごろくや福笑い。お琴の演奏と獅子舞。あちこちで開催されるイベントで和の正月を満喫しながら帰路へとかじを切り、やがて、夕景に染まる横浜ハンマーヘッドに到着したぱしふぃっくびいなすは、新年恒例のクルーズの幕を閉じたのでした。

船内

正月気分を満喫した船旅

さて現在、ぱしふぃっくびいなすは、2021年4月以降のクルーズに向けて、準備中です。陽春の海を行く、太平洋の女神・ぱしふぃっくびいなすのクルーズにご期待ください。

■問い合わせ先
・InterContinental Yokohama Pier 8
電話 045-307-1111
https://www.icyokohama-pier8.com

・ぱしふぃっくびいなす
https://www.venus-cruise.co.jp

PROFILE

上田寿美子

クルーズライター、クルーズジャーナリスト。日本旅行作家協会会員、日本外国特派員協会会員。クルーズ旅行の楽しさを伝え続けて32年。外国客船の命名式に日本を代表するジャーナリストとして招かれるなど、世界的に活動するクルーズライター。旅行会社等のクルーズ講演も行う。著書に「豪華客船はお気に召すまま」(情報センター出版局)、「世界のロマンチッククルーズ」(弘済出版社)、「ゼロからわかる豪華客船で行くクルーズの旅」(産業編集センター)、「上田寿美子のクルーズ!万才」(クルーズトラベラーカンパニー)など。2013年からクルーズ・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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