魅せられて 必見のヨーロッパ

火を噴く正午の大砲、石の門の聖母 クロアチアの旅(9) ザグレブ

ツアーの行き先としてはメジャーでないけれど足を運べばとりこになる街を、ヨーロッパを知り尽くした作家・写真家の相原恭子さんが訪ねる「魅せられて 必見のヨーロッパ」。2018年秋に訪れたクロアチアの旅、今回は首都ザグレブです。絶景スポットの塔、正午を告げる火を噴く大砲、聖母マリアをまつる石の門など、見どころもたくさんあります。

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絶景スポットのロトルシュチャク塔

山間の「プリトヴィツェ湖群国立公園」を出発して、首都ザグレブへ向かいました。

小さな村々や知られざる景勝地を巡った後でザグレブに到着したためか、「華やかな大都市へ来た!」という印象です。クロアチアの人口は約406万人で、ザグレブ市の人口は約80万人ですから、確かに大都市です。

出迎えてくれたのは、偶然にも、日本で開催された旅行展で何度もお会いしたガイドのケティさん。お互いに懐かしい気持ちになりました。

彼女が、まずはロトルシュチャク塔から街を眺めましょう、と案内してくれました。


火を噴く正午の大砲、石の門の聖母 クロアチアの旅(9) ザグレブ

大聖堂の塔や赤い屋根が美しい旧市街の風景

毎日一日中歩き続けているので、長い階段は嫌だと思いましたが、あらら、塔の上からの眺望は抜群。登ったかいがありました!

火を噴く正午の大砲、石の門の聖母 クロアチアの旅(9) ザグレブ

一枚の絵のような風景です


火を噴く正午の大砲、石の門の聖母 クロアチアの旅(9) ザグレブ

(左)ロトルシュチャク塔の外観、(右)塔の上部の窓には大砲が

ロトルシュチャク塔では毎日、大砲を撃って正午を知らせてくれます。本当に火花が散ります。

街の中心 イェラチッチ広場


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イェラチッチ広場

街の中心にあるイェラチッチ広場にそびえるのは、国民的英雄と言われるヨシップ・イェラチッチ(1801~1859)の騎馬像です。彼はオーストリア帝国時代の政治家で軍人でした。

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ドーラツ市場

ドーラツ市場は、花、野菜、果物など様々な物が並ぶ、カラフルなマーケットです。

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ドーラツ市場の魚屋さん

鮮魚店では愛想の良い女性がほほえんでくれました。しかし、生魚を買うわけにはいかず、写真を撮るだけでごめんなさい。

スラリとした聖母被昇天大聖堂


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市場の近くにそびえる聖母被昇天大聖堂

聖母被昇天大聖堂はスラリとした美しい大聖堂です。残念ながら、2020年3月の地震で一部が壊れてしまったそうです。

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巨大な城壁の塔です

ザグレブは元々城壁に取り囲まれた街でしたが、現在はあまり残っていません。

屋根の紋章が目印 聖マルコ教会


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聖マルコ教会

聖マルコ教会は、カラフルな屋根が目印。屋根には二つの紋章がタイルで描かれています。

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(左)向かって左側はクロアチア・スラヴォニア・ダルマチア三位一体王国の紋章、(右)向かって右側は、ザグレブの紋章

左側はクロアチア・スラヴォニア・ダルマチア三位一体王国の紋章です。ガイドのケティさんが興味深い話をしてくれました。
「描かれている動物はテンです。クロアチア語でクーナと言い、昔はテンの毛皮を貨幣の代用として使っていたことから、クロアチアの貨幣単位がクーナとなりました」。右側はザグレブの紋章です。

街の守護聖人・聖母マリアをまつる「石の門」


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石の門

石の門は13世紀に作られ、18世紀に現在の姿となりました。

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石の門へ入ると小さな礼拝堂が

門の中に入ると礼拝堂があり、たくさんの人がお祈りしています。熱心に祈っていた若い女性に聞いてみると、「願いがかなう、健康になる」などと言われているそうです。

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近づいてみると、聖母子の祭壇画が

ザグレブの守護聖人とされる聖母マリアがまつられていました。

キノコの濃厚スープやトリュフの料理

散策の後、遅いランチをレストラン「ヴィノドル」で楽しみました。

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パンに入ったキノコのクリームスープ

香ばしいパンの香りとクリームスープの濃厚な味わいがマッチしています。スープにパンを浸していただくと、おいしい! キノコはクロアチア語でヴルガーニィと言い、ポルチーニのこと。ケティさんによれば、雨の後に山でたくさん収穫できるそうです。

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シュトゥルクリ

こちらは、薄い小麦粉の生地でチーズとトリュフを包んだものです。ゆでる場合と焼く場合があります。いずれも、トリュフやポルチーニなどキノコがたくさん採れるクロアチアらしい料理です。

ワインが飲みたくなり、スパークリング「トマツ ミレニウム 辛口」(Tomac millennium Brut)を注文しました。ザグレブから約40kmのヤストゥレバルスコにワイナリーがあります。自然で軽く爽やかな飲み口が魅力。

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リンゴのパイ

リンゴのパイを頼んだら、これはまさに、南ドイツやオーストリアのお菓子、アプフェル・シュトゥルーデルです。リンゴの酸味と甘みが生きていて香ばしく、軽い食事にもなりそうなボリュームがあります。

ケティさんは、ザグレブはドイツの影響、イストラ半島とダルマチア地方はイタリアの影響、スラヴォニア地方はハンガリーの影響が強いと言います。確かに、私もクロアチア各地を何度も旅して、言語や街の風景や食文化などにその傾向があるのを実感しました。

お話ししながらゆっくり食事をとったので、レストランを出るともう夕暮れ時。旧市街の路地を歩きながら、クロアチア各地の印象が心に現れては消え、また現れては消えて行きます。また来ようと思いながら、ザグレブから空港へ向かいました。

■クロアチア・ハートフルセンター
https://croatia.heteml.jp/chc/

■Croatian National Tourist Board
https://croatia.hr/en-GB

PROFILE

相原恭子(文・写真)

慶應大学卒業。ドイツ政府観光局勤務を経て、作家&写真家。「ドイツ地ビール夢の旅」(東京書籍)、「ドイツビールの愉しみ」(岩波書店)、「ベルギー美味しい旅」(小学館)、「京都 舞妓と芸妓の奥座敷」(文春新書)、「京都 花街ファッションの美と心」(淡交社)、英語の著書「Geisha – A living tradition」(フランス語、ハンガリー語、ポーランド語版も各国で刊行)など著書多数。国内はもちろん、国際交流基金・日本大使館の主催でスペイン、ハンガリー、エストニアで講演会や写真展多数。NHK「知る楽」「美の壺」、ラジオ深夜便「明日へのことば」「ないとエッセー」、ハンガリーTV2、エストニア国営放送など出演多数。
https://blog.goo.ne.jp/goethekyoko

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