楽しいひとり温泉

温泉+モダン建築 由布岳を望む森のヴィラ 由布院「山荘わらび野」

JR九州の特急「ゆふいんの森」が8か月ぶりに全区間運転再開しました。3月1日に久大線が昨年の豪雨災害から全線復旧したことで、由布院駅(大分県由布市)への鉄道旅が復活したのです。博多駅(福岡市)から特急列車に乗って行く由布院駅までの鉄道旅は、わくわくする旅心が盛り上がります。昨春の旅を思い起こしてご紹介します。(トップ写真:山荘わらび野・メゾネットラグジュアリースイートの露天風呂)

■連載「楽しいひとり温泉」は、全国各地の温泉をめぐり、温泉・自然・食で美しくなる旅を研究する、温泉ビューティー研究家の石井宏子さんが、テーマごとにひとり温泉にぴったりなお宿を紹介します。

ダイナミックな景色を見下ろすハイデッカー仕様

リゾート特急「ゆふいんの森」は3月1日から全区間で運転を再開

リゾート特急「ゆふいんの森」は3月1日から全区間で運転を再開

鉄道で由布院駅に降り立ちたくて、博多駅から特急「ゆふいんの森」に乗車。朝に東京を出発する飛行機に乗って福岡空港からJR博多駅へ移動すれば、昼過ぎに由布院駅に到着する列車に間に合うのです。丸いフォルムが印象的なリゾート列車は、内部もクラシカルなホテルのような内装で、優雅な気分になります。

高い位置からパノラマビューが楽しめる

高い位置からパノラマビューが楽しめる

先頭車両は全面窓。運転席から広がる風景は、緑の中へ滑り込んでいくような錯覚を覚えます。床面の高いハイデッカー仕様の車両で、座席からも高い目線からダイナミックな景色を楽しめました。2時間ほどの旅路があっという間に感じました。

湯布院周辺の野菜たっぷりのフランス料理

ランチは駅近のフランス料理店へ

ランチは駅近のフランス料理店へ

由布院駅から徒歩3分ほどの一軒家レストラン「ラ ヴェルヴェンヌ」でランチ。オーナーシェフの渡辺さんがご夫妻で営むフランス料理店です。南仏で料理の腕を磨き、湯布院地区の野菜などの食材や風土が気に入って住み着いたというシェフのお料理が楽しみです。

前菜は湯布院周辺の野菜たっぷりサラダ仕立て

前菜は湯布院周辺の野菜たっぷりサラダ仕立て

由布岳が育む土と水と空気で育った野菜たっぷりのランチコース2500円(税別)。この日の料理は色鮮やかなニンジンのスープから始まり、前菜は、添田産のイノシシのパテのサラダ仕立て。シェフが生産者や市場へ出向いて仕入れる野菜は、つややかで味わいが濃くひとつひとつの野菜の特徴を楽しめておいしい。

大分・佐賀関のスズキのポワレ

大分・佐賀関のスズキのポワレ

メインは魚料理。この日は大分の佐賀関のスズキのポワレです。関サバ、関アジで知られる佐賀関の魚と湯布院の野菜。チンゲン菜の菜花、カブなど歯ごたえも楽しめる春野菜がたっぷり。オマールエビのアメリケーヌソースとからんで野菜の甘さをより一層感じます。スズキの上にはほろ苦い春菊のソース。皮はぱりっと、身はふっくらと焼き上がって、魚だけを楽しみ、野菜と一緒に味わい、ソースと絡めてまた、ひと口と、いろいろな楽しみが詰まった一皿でした。デザートはクレームブリュレ。優雅な旅ランチでした。

森にたたずむ石造りのモダン建築

アートのような建物に宿泊

アートのような建物に宿泊

山荘わらび野は、由布岳を望む森の敷地に、石造りのモダンなヴィラが点在しています。コンクリートキューブのように見える建物は、近寄ってみると木目の風合い。杉の丸太を型枠にしてコンクリートを流し込む特別な工法で、自然の木肌の持ち味が映し出された彫刻のようになっていて森の風景に溶け込みます。

日田石の床は裸足で歩ける温かさ

日田石の床は裸足で歩ける温かさ

室内も、石張りなのに裸足で歩ける温かさ。大分産の日田石の床は床暖房になっていて、石のじんわりとした不思議なぬくもりに包まれます。リビングのソファからは、森の緑の向こうに由布岳。静かでゆったりとした時間に心が和みます。この日は友人と一緒だったので、1階に内湯の温泉と2階に露天風呂もあるメゾネットラグジュアリースイートに宿泊。他に、ひとり宿泊プランで泊まれる部屋も全て温泉付きのスイートヴィラです。

ウェルカムスイーツはオリジナルのカヌレ

ウェルカムスイーツはオリジナルのカヌレ

ウェルカムスイーツの「カヌレ」が絶品。外側がカリッとほろ苦く、中はもっちりとして上品な甘さ。カヌレはオリジナルで、由布院駅前通りに宿の直営店「カランドネル」があります。

敷地の森にヴィラやレストランが点在する

敷地の森にヴィラやレストランが点在する

夕暮れ迫る敷地の森は、ロマンチックな風景に変わっていました。カーブを描いた小道を歩いて、レストラン「中屋敷」へ向かいます。心地よい音楽が流れるダイニングでお待ちかねの夕食です。

大分の海と山の幸や郷土料理も楽しめる夕食

大分牛のローストをごぼうのソースで

大分牛のローストをごぼうのソースで

春を味わうタケノコの素焼きから始まり、関アジやマダイなどのお造りなどに続き、肉料理は大分和牛のローストビーフ。粗みじん切りのごぼうソースで香りと食感を楽しみ、バルサミコソースは肉の甘さを引き出します。焼いた小タマネギもすごく甘くて、ワインがすすむお料理です。

郷土料理「りゅうきゅう」を自家製米で味わう

郷土料理「りゅうきゅう」を自家製米で味わう

しめのごはんは「りゅうきゅう」。新鮮な魚を甘辛く漬けにしてゴマなどで味付けしたものを熱々のごはんにのせていただく大分の郷土料理です。わらび野の自家製米を土鍋で炊いたごはんの上に、ゴマだれ漬けタイ、サワラ、カンパチをのせて、ワサビと山芋のとろろをかけてぱくり。さっぱりとおいしくて最後までいただいてしまいました。

朝の空気を浴びて温泉へ

朝日に輝く由布岳を眺める部屋の露天風呂

朝日に輝く由布岳を眺める部屋の露天風呂

春を待つ由布院の朝は、びっしりと霜が降りています。ピンとした冷たい空気を感じながら、あったか~い温泉へどぼん。泉質は、アルカリ性単純温泉でpH9.0。とろりとしたやわらかさを感じる肌触りで、肌の古い角質を優しく落としてなめらかに整える美肌の湯です。チェックアウトは12時ですから、朝ごはんの後、もう一度温泉に入ってのんびり過ごせます。

山荘わらび野
http://www.warabino.net/

*ひとり宿泊「極上のひとり旅」プランあり。
*メゾネットスイートのひとり利用は電話で相談。

ラ ヴェルヴェンヌ 
https://www.facebook.com/laverveine.jp

■「楽しいひとり温泉」ポイント
1.リゾート特急で旅路も楽しい
2.温泉街で美食ランチ
3.優雅な温泉付きヴィラ

BOOK

温泉+モダン建築 由布岳を望む森のヴィラ 由布院「山荘わらび野」

全国ごほうびひとり旅温泉手帖 いい湯、いい宿、旅ごはん!

石井宏子さんの著書「全国ごほうびひとり旅温泉手帖 いい湯、いい宿、旅ごはん!」(世界文化社)。温泉ビューティー研究家・旅行作家ならではの、旅してみつけた、女性がひとりで安心して楽しめる温泉宿を紹介するハンディーな一冊。公共交通機関で行ける、自分へのごほうびで泊まりたい、いい宿を全国から厳選し、あわせて、女性目線で選んだ周辺の立ち寄り先、ランチやスイーツも取り上げます。ひとりでも楽しい観光列車も登場します。税別1400円。

PROFILE

石井宏子

温泉ビューティー研究家・トラベルジャーナリスト。日本・世界の温泉や大自然を旅して写真撮影・執筆をする旅行作家。テレビにも出演。温泉・自然・食で美しくなる旅を研究する。海外ブランドのマーケティング・広報の経験から温泉地の企画や研修もサポート。日本温泉気候物理医学会会員、日本温泉科学会会員、日本旅のペンクラブ会員、気候療法士(ドイツ)、温泉入浴指導員。著書に「癒されてきれいになる おひとりさま温泉」(朝日新聞出版)、「地球のチカラをチャージ! 海温泉 山温泉 花温泉 76」(マガジンハウス)、「感動の温泉宿100」(文春新書)などのほか、「全国ごほうびひとり旅温泉手帖 いい湯、いい宿、旅ごはん!」(世界文化社)が11月に発売された。

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