魅せられて 必見のヨーロッパ

摂政ルイトポルトが愛した「魔法の森」  ドイツ・ベルヒテスガーデン

ツアーの行き先としてはメジャーでないけれど足を運べばとりこになる街を、ヨーロッパを知り尽くした作家・写真家の相原恭子さんが訪ねる「魅せられて 必見のヨーロッパ」。今回はドイツのベルヒテスガーデン国立公園です。バイエルン地方で人気の摂政ルイトポルトが愛した「魔法の森」を歩きました。

休暇でリフレッシュするヨーロッパ人に人気

おこもりが続く中、皆様はいかがお過ごしでしょうか。おうちに居ながら、私の心は世界へ飛んで行きます。

今回から〈神秘的なエメラルド色の湖水にうっとり  ケーニヒス湖とオーバー湖〉に続く形で、ドイツ・ベルヒテスガーデン国立公園の各地を散策します。

ベルヒテスガーデンはオーストリアへ心臓のような形に突き出た地域。1週間から数週間、休暇を利用してリフレッシュするヨーロッパ人に、特に人気の観光地です。

ちなみに、長さ約450kmのアルペン街道は、西にあるボーデン湖からここベルヒテスガーデンのケーニヒス湖に至ります。アルプスの山々、森林、清い流れや湖、牧草地など自然を満喫できる美しい村や町を結ぶ街道です。

ヒンター湖を望む宿

ベルヒテスガーデン中央駅からバスでヒンター湖に到着。霧雨の後、6月の夕暮れ時。水色の空に浮かぶ紫色の雲に思わず見とれました。湖畔の宿「ゼークラウゼ」にチェックイン。ベランダから目の前にヒンター湖が見えます。

摂政ルイトポルトが愛した「魔法の森」  ドイツ・ベルヒテスガーデン

目の前にヒンター湖。林の向こうにそびえるのは、この地域のシンボルとも言えるヴァッツマン山です

「魔法の森」をハイキング

翌朝、ホテルの前のヒンター湖畔(こはん)を森の方へ歩きました。この道は「魔法の森(Zauberwald)」のハイキングロードになっています。

摂政ルイトポルトが愛した「魔法の森」  ドイツ・ベルヒテスガーデン

振り返ってみると

何軒か建物が見えます。その一軒が宿泊している宿。この地域は岩山がたくさんあります。

摂政ルイトポルトが愛した「魔法の森」  ドイツ・ベルヒテスガーデン

ヒンター湖の透明で清い水に思わず見とれます

ベルヒテスガーデンは風景画家に好まれた地域で、特にヒンター湖周辺のこのあたりの風景は、19世紀を中心にヨーゼフ・ヘーガーなど多くの画家が描きました。

摂政ルイトポルトが愛した「魔法の森」  ドイツ・ベルヒテスガーデン

思わずシャッターを切りたくなる美しい風景


 

摂政王子ルイトポルトゆかりの石碑

ルイトポルト・フォン・バイエルン(1821~1912)がここを好んだと記した石碑がありました。彼はノイシュヴァンシュタイン城で知られるバイエルン王ルートヴィヒ2世の叔父にあたり、バイエルン王国の摂政(Prinzregent=プリンツレゲント)となりました。彼は人気があり、ちなみにミュンヒェン周辺ではその名にまつわるケーキ、プリンツレゲンテントルテやルイトポルトトルテがあります。チョコレートを使ったおいしいケーキです。

摂政ルイトポルトが愛した「魔法の森」  ドイツ・ベルヒテスガーデン

(左)ルイトポルトについて記した石碑、(右)緑の世界へ迷い込んだかのようです

子供の頃から静かな場所が好きな私には、夢の世界のように心地よいです。

細い道もありますが、スニーカーで充分歩けます。川が流れる音が響くひと時。リラックスしますね。

摂政ルイトポルトが愛した「魔法の森」  ドイツ・ベルヒテスガーデン

川に沿って道は続きます

川の流れにも、思わず見入ります。

摂政ルイトポルトが愛した「魔法の森」  ドイツ・ベルヒテスガーデン

ペパーミントゼリーのように爽やかな水の色

摂政ルイトポルトが愛した「魔法の森」  ドイツ・ベルヒテスガーデン

「Zauberwald(魔法の森)」と書かれた立て札が

帰り道、宿などが並ぶ湖の対岸を眺めました。

摂政ルイトポルトが愛した「魔法の森」  ドイツ・ベルヒテスガーデン

童話に出てきそうな、のどかな風景に癒やされます

かなり歩いた一日。ベランダでビールを1杯飲んで、湖畔へ出ました。また霧雨が降り始めた初夏の宵(よい)です。

摂政ルイトポルトが愛した「魔法の森」  ドイツ・ベルヒテスガーデン

青い空と湖水、白く霧がかかる林がロマンチック

翌日は、オーストリアへ国境を越えてハイキングをする予定。山の天気は変わりやすいですが、晴れることを期待して部屋へ戻りました。

■ドイツ観光局
https://www.germany.travel/en/home.html

PROFILE

相原恭子(文・写真)

慶應大学卒業。ドイツ政府観光局勤務を経て、作家&写真家。「ドイツ地ビール夢の旅」(東京書籍)、「ドイツビールの愉しみ」(岩波書店)、「ベルギー美味しい旅」(小学館)、「京都 舞妓と芸妓の奥座敷」(文春新書)、「京都 花街ファッションの美と心」(淡交社)、英語の著書「Geisha – A living tradition」(フランス語、ハンガリー語、ポーランド語版も各国で刊行)など著書多数。国内はもちろん、国際交流基金・日本大使館の主催でスペイン、ハンガリー、エストニアで講演会や写真展多数。NHK「知る楽」「美の壺」、ラジオ深夜便「明日へのことば」「ないとエッセー」、ハンガリーTV2、エストニア国営放送など出演多数。
https://blog.goo.ne.jp/goethekyoko

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