極上のワイルドジャーニー

ナミブ砂漠の絶景に魂が震える ナミビア「リトルクララ」

  • 文 山口由美
  • 2016年5月17日

ナミブ砂漠、ソッサスフレイを代表する砂丘、デューン45 (c)Wilderness Safaris

  • 2013年、ナミブ砂海(サンドシー)」として世界遺産になった。まさに砂の海が広がる (c)Wilderness Safaris

  • 砂漠を渡る風が砂丘に美しい風紋を描く (c)Yumi Yamaguchi

  • 砂漠の乾いた質感をイメージしたインテリアがかっこいい (c)Wilderness Safaris

  • プールサイドから外観を見る (c)Yumi Yamaguchi

  • 客室もクールなイメージでまとめられている (c)Wilderness Safaris

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■赤い砂丘とクールモダンなロッジ

 世界各地を旅してきて、これまで最も感動した景色はどこかと問われれば、アフリカ南部、ナミビアのナミブ砂漠と答えると思う。感動を口に出すタイプではない私が、ありとあらゆる感嘆詞を連発し、それでも足りないと思った。それがナミブ砂漠の中心地、ソッサスフレイの絶景だった。

 世界にはあまたの砂漠があるが、「月の沙漠」がイメージされるような砂丘となると、実は限られる。サハラ砂漠の奥地には、極上の砂丘があるというが、そこに行くには何日もかかる。ソッサスフレイは、アクセスが容易であるにもかかわらず、美しい砂丘があることで知られている。

 もっとも容易と言っても、ナミビアの首都ウイントフックまで、南アフリカのヨハネスブルクから空路約2時間。さらにそこからソッサスフレイまで車で半日、チャーター軽飛行機で約1時間の距離である。

スタイリッシュなインテリア

 私が初めて訪れた二十数年前は泊まるところもなかったソッサスフレイだが、今はキャンプサイトから高級ロッジまで、周辺にはさまざまな宿泊施設がある。その中で砂丘の絶景が広がるナミブ・ナウクルフト国立公園のゲートに近く、ひときわスタイリッシュなのが、このリトルクララだ。砂漠のあちこちに映えている枯れ木のフォルムをデザインに生かしたモノトーンのインテリアは、何ともクールでかっこいい。

 南部アフリカを中心にワイルドでラグジュアリーなサファリロッジを展開しているウィルダネス・サファリ社による運営。同社のロッジは、どこでもそうだが、宿泊客それぞれに旅館の仲居さんよろしく経験豊かなレンジャーがついて、滞在中、さまざまアドベンチャーツアーをアレンジしてくれる。

 数ある砂丘の中でとりわけ美しいのが「デューン45」である。名前が数字というのが、『星の王子さま』の物語に出てくる惑星のよう。実際、ナミブ砂漠の風景には、どこか別の惑星に紛れ込んだような雰囲気がある。

紅白の中継でMISIAが熱唱

 アフリカのサファリでは、夕日を見ながらのカクテルタイムを「サンダウナー」と呼ぶ。飲み物を用意してデューン45をめざす。

 ナミブ砂漠は、砂の色それ自体も美しい。鮮やかなアプリコット色の砂は、夕刻の光を浴びるとひときわ美しく赤く染まる。

 このデューン45。実は2012年12月31日のNHK紅白歌合戦でMISIA(ミーシャ)が中継で歌った場所でもある。記憶にある人も多いだろう。テレビに突如映し出された非現実的な造形。あれがデューン45だったのだ。二十数年前、私が初めて目にし、魂が震えた風景でもある。

 デューン45は、眺めているだけではつまらない。少し大変だが、自分の足で頂上まで登ると感動もひとしおだ。そして、下りは、かかとから踏み込んで、砂の流れに乗って一気に駆け下りる。砂丘と一帯になる瞬間。砂漠を旅するだいご味である。

 太陽の光が傾くに従って、砂丘の色はアプリコット色から深紅へと移ろう。そして、夜の闇と一体化するのである。

〈旅のデータ〉日本からのアクセス:日本からのアクセス:成田からヨハネスブルグまで南アフリカ航空などで香港経由約18~19時間。ヨハネスブルグからウイントフックまで南アフリカ航空などで約2時間。「リトルクララ」の紹介はこちら。日本人スタッフのいる予約窓口はこちら

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 そこに泊まるだけで、かつては探検家にしか許されなかった非日常の体験ができる宿が世界にはあまたある。驚異の大自然、息をのむ絶景、未知なる文化に出会える、極上でワイルドな旅を紹介します。

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PROFILE

山口由美(やまぐち・ゆみ)ライター

yamaguchi yumi

1962(昭和37)年、神奈川県箱根町生まれ。慶応大学法学部卒。海外旅行とホテルの業界誌紙のフリーランス記者を経て作家活動に入る。旅を主なテーマにノンフィクション、紀行、エッセイなど幅広い分野で執筆。欧米、アジアのほか、南太平洋、アフリカなど、世界各地を取材旅行で訪れる。2012(平成24)年、『ユージン・スミス 水俣に捧げた写真家の1100日』で第19回小学館ノンフィクション大賞を受賞。主な著作に『箱根富士屋ホテル物語』(小学館文庫)、『世界でいちばん石器時代に近い国 パプアニューギニア』(幻冬舎新書)、『熱帯建築家 ジェフリー・バワの冒険』(新潮社)など。

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