絵本のぼうけん

船の絵本、梅雨のごっこ遊びに大活躍!

  • 文・長嶺今日子
  • 2017年7月4日

  

  • 『絵巻えほん 船』作:柳原良平(こぐま社)

  • 『マットくんの ふね ふね ヤッホイ!』作:ピーター・シス(BL出版)

  • 『ふねなのね』文:中川ひろたか 絵:100% ORANGE(ブロンズ新社)

  • 『ベンジーのふねのたび』作:マーガレット・ブロイ・グレアム 訳:わたなべしげお(福音館書店)

  • 『おへやだいぼうけん』作/絵:ほりかわ りまこ(教育画劇)

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 7月に入り、夏休みが待ち遠しい子どもたちですが、沖縄地方をのぞけば、梅雨明けはもう少し先になりそうですね。子どもたちのおうち遊びも、毎日続くと、だんだんエネルギッシュになっていき、大人は、乾かない洗濯物とかたづかない家の中でてんてこまい……。でも、筆者の主宰するブッククラブでは雨の日こそ、絵本を使ったダイナミックな「ごっこ遊び」を提案しています。今回は船をテーマに、子どもたちの想像が広がる絵本を紹介します。

柳原良平さんの船の絵本

 まずは好きな船を探してみましょう。船の絵本といえば思い浮かぶのが、故・柳原良平さんの作品です。柳原さんが船に興味を持ちはじめたのは、京都市に住んでいた小学生の頃。海も港もないこの街で買った、船の絵はがきがきっかけでした。じっと眺めていると航海しているような気分になり、すっかり船に魅せられて、80歳をすぎても船を描き続けたと回想しています(*)。『絵巻えほん 船』(こぐま社)はページを広げると全長2.8メートルの絵巻となり圧巻。大昔の丸木舟から、帆船、貨物船、巨大な客船まで、6千年の船の歴史が一望できます。子どもたちは、きっとお気に入りの船を見つけるでしょう。

部屋の中でオリジナルの船を作ろう!

 自分の好きな船のイメージができたら、こんどは実際に船を作ってみます。『マットくんの ふね ふね ヤッホイ!』(BL出版)では、居間のソファがいろいろなタイプの船に変身。大きな客船で航海に出ると、海の中から謎の怪獣が出現! その正体は!? 文字のない絵本ですが、子どものワクワク心をくすぐります。『ふねなのね』(ブロンズ新社)は、空き箱を船に見立てて、川を探検するストーリー。人気絵本作家、100% ORANGEさんと中川ひろたかさんのコラボによる、ごっこ遊び絵本シリーズの一冊です。段ボールを切ったり、折り紙をはったり、絵を描いたり……。斬新なアイデアで、子どもたちはユニークな船をつくりあげます。

たっぷり遊んだら、船旅の絵本を一冊

 大きな客船は、子どもだけでなく、大人にとっても憧れの存在。横浜の大桟橋に豪華客船が停泊する時には、その姿を見ようとたくさんの親子が訪れています。『ベンジーのふねのたび』(福音館書店)は、客船の中で繰り広げられる、犬のベンジーの冒険物語です。ベンジーの飼い主一家は夏休みの船旅に出発しましたが、ベンジーだけはお留守番。さびしくなってしまった彼は、家族が乗った船によく似た「うみのじょおう」号にこっそり乗りこみ、航海に出てしまいます。その船に暮らす猫、ジンジャーに追いかけられて、やさしいコックさんに助けられたり、こんどはベンジーがジンジャーを危機から救ったり……。スリリングなお話の展開にハラハラ、ドキドキ引き寄せられます。航海の日常もほのぼのと描かれており「ぼくもいつか船に乗ってみたいなあ」、そんな気持ちになる物語です。

 さあ、梅雨空の下、子どもたちはどんな舞台で、どんな遊びを創造するでしょうか。『おへやだいぼうけん』(教育画劇)もごっこ遊びの楽しいヒントになるのでぜひ! 夏の本番にむけて、しばらくは子どもたちの室内の冒険を見守っていただけたらうれしいです。

*『貨物船のはなし(月刊たくさんのふしぎ2014年4月号)』作:柳原良平(福音館書店)より。ただし現在は入手できません。柳原さんの描いた船の絵をもっと知りたい方は、商船三井のサイト<柳原名誉船長ミュージアム>もお楽しみください。

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PROFILE

長嶺今日子(ながみね・きょうこ)

子ども一人ひとりの個性に合わせて絵本を選び届ける「ブッククラブえほんだな!」主宰。子育て支援のイベントやライブラリーの選書も手がける。また、多言語による読み聞かせ活動にも長年携わっている。「ブッククラブえほんだな!」

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