楽しいひとり温泉

温泉+エコツアー 西郷さんの偉業でパワーチャージ「鹿児島県・妙見温泉」

  • 文 温泉ビューティ研究家・トラベルジャーナリスト 石井宏子
  • 2018年1月9日

妙見温泉・妙見石原荘の「七実の湯」

 2018年に早くも注目の観光地となっている鹿児島県。遠いイメージがあるかもしれませんが東京から飛行機に乗れば2時間弱、そして、空港の近くには素晴らしい温泉地が点在しています。今回の妙見温泉(霧島市)は、なんと車で15分の立地、シャトルタクシーだと1200円、路線バスなら380円ですから、飛行機の早割などを駆使すれば、案外気軽に出かけられます。たとえば、朝一番の飛行機に乗って鹿児島空港まで向かうと一日がたっぷり。宿へ荷物を置いて、事前に申し込んでおいたエコツアーへ参加することにしました。宿までお迎えにきてもらい、奥天降川の大自然を満喫して、アウトドアランチもいただいても、お宿のチェックインに間に合います。今回はちょっと欲張りに1泊2日を楽しむパワーチャージの旅です。

エコツアーでガイドの興松さんと天降川を歩いて進む

 ガイドさんと一緒だからこそいけるエコツアーは、長靴を履いて川の中を歩いていきます。天降川流域の川底は約30万年前の噴火で流れてきた火砕流堆積物の上に、度重なる噴火の火砕流の地層がさらに重なり、大きな一枚岩のようになっている地質学的に非常に貴重な場所。国の天然記念物にもなっています。ツアーのクライマックスは、川の向こうに見える洞窟です。

圧巻の「馬込の貫」は川からしか行けないパワースポット

 ここはエコツアーでしか行けないパワースポット「馬込の貫」。あの西郷隆盛氏らが計画し、ここに農業用水路を作るために岩山を手彫りで掘り進めた場所です。実際には岩盤があまりにも硬くて水路は完成できずにこの風景だけが残り、今では川を歩いてしか行けない特別な場所になっています。

妙見石原荘は渓流沿いに温泉が点在する

 空港から近い場所なのに、自然豊かな山里にひっそりといい温泉が湧く妙見温泉。数軒の宿それぞれが自家源泉を持っていて、少しずつ個性が違うのですがどれも名湯。温泉通にも絶賛されています。今回、ひとり温泉で旅するお宿は「妙見石原荘」。落ち着ける数寄屋造りの本館と蔵を移築したモダンな新館、どちらもひとりで宿泊できるプランがあります。

ワイルドな野天風呂でリフレッシュ

 この宿はなんといっても温泉がすごい。生きている地球から湧きたての新鮮な温泉を楽しんでいただくということを大切にして使い方に工夫をしています。自然に湧き出る温泉を真空管のような状態で熱交換して適温にし、そのまま湯船へと注いでいるのです。源泉は7本あるのですが、それぞれをできるだけ鮮度のいい状態で大量に注ぎ込みたいという理由で、源泉の近くに露天風呂や内湯を作っています。大浴場、渓流の露天風呂、貸し切り風呂が二つ、足湯、飲泉、部屋の温泉と敷地に温泉が点在。お散歩しながら温泉巡りをする感じでそれもまた楽しい。

 渓流へ飛び出すように造られた野天風呂「椋の木」(むくのき)は自然と一体になる気分。すがすがしい水音をききながら解放感たっぷりの温泉でリフレッシュできます。泉質はナトリウム・カルシウム・マグネシウム-炭酸水素塩泉。肌の古い角質を優しく落としてすべすべにしてくれる美肌の湯です。7本の源泉はそれぞれ500~700㎎ほどの二酸化炭素ガスも含有していて、血の巡りもサポートしてくれます。

中村好文さん設計の貸し切り風呂「睦実の湯」

 個性的な空間の貸切風呂も魅力的。「睦実の湯」(むつみのゆ)は、建築家・中村好文氏が設計。秘密基地みたいな小屋の狭い通路を通って温泉が見えた時のサプライズ感がすごい。

「の」の字をイメージした丸い湯船

 ダイナミックに渓流に突き出た丸い湯船が圧巻。貸し切り風呂として入るにはとても贅沢(ぜいたく)な大きさです。なめらかな温泉とやさしい木の感触が心地よくて「いつまでも入っていたい。」夜になると湯船の中がライトアップされるので、お湯の中で体を動かすと温泉に含まれる炭酸ガスの泡がライトにあたってクローズップされる新感覚も味わえます。

 七実の湯(ななみのゆ=写真1)は光が差し込む朝の時間がおすすめ。湯口から大量に注がれる新鮮な源泉からプチプチとはじける炭酸の泡がきらきらと輝きます。天女が舞い降りるような美しい温泉を独り占めできるのは“ひとり温泉”の醍醐味(だいごみ)です。

湯宿の中で別世界が楽しめるレストラン石蔵

 食事は宿の中にあるレストラン石蔵でいただきます。昔の看板や、古本、懐かしいガラス食器などで仕切られた楽しい個室空間でひとりでものんびり夕食を満喫。わたしが旅したのは晩秋の時期でしたが、前菜は手編みの蔓(つる)籠に山里を感じる品々が盛られて食べるのがもったいないくらい。濃厚なカキの柚子釜。贅沢な子持ちアユの甘露煮、脂ののったサバずし、もっちりとしたエビイモけしの実揚げなど。日本で唯一作り手の個人名がついている「のざき牛」のゴボウ鍋は上品なお出しと春菊で。薩摩の食材には辛口の薩摩焼酎がぴったり。薩摩切り子のグラスも素敵です。

■「楽しいひとり温泉」ポイント
1. 鮮度にこだわった源泉100%の湯
2. ひとり貸し切り温泉で幸せを独占
3. ここだけの大自然も満喫

鹿児島県・妙見温泉 妙見石原荘
https://www.m-ishiharaso.com/
※奥天降流域エコツアーは3日前までに予約。
NPO奥天降霧島 電話:0995-55-4038

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