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日本の「食」に高い関心 料理の祭典「マドリード・フュージョン」開催

  • &TRAVEL編集部
  • 2018年1月24日

「マドリード・フュージョン」の会場で料理を披露するポルトガルのシェフ

 世界中からシェフや生産者、フードジャーナリストらが集まる食の祭典「マドリード・フュージョン」が1月22日からスペイン・マドリードで開かれている。24日までの3日間、スペイン内外のシェフや食の専門家による実演発表やワークショップが開かれ、ワインやオリーブオイルなどが展示されている。料理界の流行を学んだり、商談に結びつけたりしようと、会場は多くの人の熱気にあふれた。

食品業者などがブースを出展する会場

 2002年から開催されているマドリード・フュージョンは、ヨーロッパを中心に料理界に影響力がある。メーンホールでは、プレゼンイベント「TED Conference」さながらに、ワイヤレスマイクを身につけた各国を代表するシェフらが、新しいレシピや料理にかける思いを紹介していく。調理の実演も行われ、技術を惜しみなく来場者に披露するのも支持される理由の一つだ。芸術作品のように美しく盛りつけられた料理が披露されるたびに、参加者から大きな拍手が送られていた。

ワインのテイスティング会場。スペイン産ワインがずらり

パンの業者の出展。直接話を聞けるのも来場者には魅力

 また、世界中から出展された多彩な食材を見比べながら、新たな組み合わせ(フュージョン)を探すことができるのも魅力の一つ。生産者から直接話を聞き、自らの目と舌で味わって確かめることができるとあって、展示会場も多くの人たちでにぎわっていた。

生ハムを目の前で切ってくれるブースには常に人だかりができていた

ワイナリーの担当者に話を聞きながらテイスティング

ペルーのブースでは、ペルー産のパワーフードを使ったドリンクを紹介

 今年は、日本が招待国に選ばれ、日本からも料理人が招かれた。

 初日に登壇したのは、東京・神保町にある日本料理店「傳」の料理長・長谷川在佑さん。「進化する東京―日本料理」と題して、伝統的な日本料理を、若い人や外国人にとって食べやすいよう工夫した調理方法を、写真を使いながら説明した。

スッポンの椀物を例に、「傳」の長谷川さんの店で提供される料理と伝統的な料理を比較。「骨まで食べやすく工夫しています」

 長谷川さんは懐石料理の一品で、通常は赤飯やすし、そばなどでつくられる「おしのぎ」をアレンジしたものをその場で調理してみせた。長谷川さんの「おしのぎ」は、生ハムでスペイン風味を加えたもち米などを詰めたフライドチキン。チキンの入れ物は、長谷川さんの顔写真が入った、某有名ファストフード店風。

フライドチキンを壇上で揚げる長谷川さん。この後、「突然ですが今日誕生日の人いますか?」とユーモアを交え、会場の人に試食を呼びかけた

 長谷川さんは「日本料理で一番大切なことは相手を思って作ること。伝統的なものをしっかり残すためには、食べる人に合わせていくことも大切。日本にも、世界中の食材が入ってくるが、どの国でも、伝統を大切にしながら、新しいものに挑戦してほしい」と呼びかけた。

 また、展示会場では、日本の包丁についてプレゼンテーションが行われた。日本ブースのプロデュースを担当した結城摂子さんは「外国人から『日本の包丁は、買ってもすぐに切れなくなる。だまされた』という声を多く聞き、包丁を研ぐことを知らないと気づいたことがこのプレゼンをするきっかけになった」と話す。

世界中のシェフにファンを持つ包丁「高村作」。製作する高村刃物製作所の高村さん(右から2人目)が研ぎ方の過程を一つ一つ丁寧に説明したセミナーは立ち見が出るほどの盛況ぶり

 プレゼンテーションでは、世界中のシェフが愛用する包丁「高村作」をつくる高村刃物製作所(福井県越前市)の高村光一さん、日出夫さんらが、一つ一つの作業の段取りを丁寧に説明しながら、包丁の研ぎ方を実演。参加者は身を乗り出すように、熱心に包丁を研ぐ姿を見つめていた。

日本酒と料理のペアリング。スペインではお酒を温かく飲むことになじみがないが、今回は熱燗も提供

 さらに、日本酒と料理のペアリングに関するセミナーには、ほぼ満席の約40人が集まり、日本の「食」への関心の高さをうかがわせた。参加者からは「日本酒と料理にこんなに様々な組み合わせがあるとは知らなかった」との声があがっていた。

日本酒と料理のペアリングに関するセミナー。参加者たちは、料理と一緒に試飲を楽しんだ

(文・&Travel編集部)

■取材協力

スペイン政府観光局

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