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リフレッシュ旅におすすめ!こだわり食材で料理体験、体験型ミュージアム 平昌冬季五輪、観光ガイド

  • 後編
  • 2018年2月23日

平昌の代表的な観光スポット、月精寺。境内へと続くモミの並木の美しさも有名だ。森の香りでリフレッシュ

 盛り上がりをみせる平昌冬季五輪もいよいよ終盤。五輪が開かれている江原道の魅力を前編:江陵に引き続き紹介します。今回は、開・閉会式やジャンプ競技などが行われる平昌郡エリアです。

 平昌冬季五輪は、シンボル的存在のスキージャンプ台があるアルペンシア・リゾートを中心に競技が行われ、メイン会場になっています。ソウルからバスで約2時間の山間部にあるこの地域は、四季折々の自然が豊かな癒やしスポットです。

モミの森が美しい 古刹(こさつ)・月精寺

 平昌エリアの代表的な観光名所といえば、五台山国立公園の中にある「月精寺(ウォルジョンサ)」。新羅時代の643年に建立された曹渓宗の寺で、広大な敷地内に60の寺と八つの庵があります。五台山は、古くから仏教の聖地として知られ、その中心を担う月精寺は当時から多くの仏教徒が訪れています。

約1キロ続くモミの木の並木。木々の香りは癒やし効果たっぷり

 月精寺へ向かう入り口の一柱門をくぐると、約1キロにわたってモミの木々が並びます。モミの森とも呼ばれるこの並木道は、樹齢数百年になる木もあるといわれ、迫力があります。取材したのは昨年2月。辺りは雪が残り、川の水面は凍るほど寒い日でしたが、木々の間からこぼれる日差しの優しさやモミの木の香りを感じたり、キラキラ光る凍った水面の幻想的な風景を見たりしていると、自然と身体も心も解きほぐされていくような気持ちになりました。ここは、韓国の大ヒットドラマ「トッケビ(韓国語で鬼の意味)」のロケ地で、ところどころにゆかりの写真スポットもあります。

 モミの森を抜けると、月精寺の境内へ。門の装飾も、色鮮やかでフォトジェニック。ついカメラを構えてしまいます。

境内にある門の天井を見上げると色鮮やかな装飾が。フォトジェニック!

 境内には、国宝に指定されている「八角九重石塔」があります。高麗時代に建立されたといわれ、高さ約15メートル。塔の周りを願い事をしながら歩くと、願いがかなうといわれています。

 チリン、チリン――。山に囲まれた静寂な空気の中、塔の鐘が風に揺れ、その音が響きます。「何を願おうか」。そう思って歩き始めましたが、さえた音を聞きながら、ゆっくり歩を進めていると、いつの間にか自身を見つめ直す時間になっていました。ガイドのイ・ジュジンさんは月精寺でのテンプルステイ(宿坊体験)をきっかけに、月精寺とその環境に魅了され、ソウルから移住してきたそうです。実際に月精寺で時間を過ごすと、イさんの気持ちに共感できました。

八角九層石塔

 心身ともにリフレッシュし、いつもの旅とは違う経験をしたい方におすすめなのが、月精寺でのテンプルステイです。座禅や瞑想(めいそう)、精進料理など寺の生活を体験したり、数珠やモクレンの灯籠をつくったりするプログラムがあり、滞在日数に応じて内容を選ぶことができます。韓国の俳優ペ・ヨンジュン氏がフォトエッセーの中で、テンプルステイをする様子を紹介したこともあり、滞在した部屋には写真が飾られていました。

テンプルステイ(宿坊体験)ができる韓屋風の施設。部屋はシンプルでテレビなどはない

月精寺、月精寺テンプルステイ

住所 : 江原道 平昌郡 珍富面 五台山路374-(강원도 평창군 진부면 오대산로374-8)
入場料:大人3000ウォン、13~18歳1500ウォン、8~12歳500ウォン
電話番号: 月精寺 033-339-6800、宗務所 033-339-6618、テンプルステイ 033-339-6606
休業日: 年中無休(テンプルステイは要確認)

豊かな自然が育むヘルシー韓国料理に挑戦

 韓国の伝統的な食文化を体験できるのも自然豊かな江原道ならでは。旅行の決め手に韓国料理を挙げる人も多いかもしれません。そんな方におすすめなのが「韓国伝統飲食文化体験館 静江園」。韓国伝統料理を実際に作ることができる施設です。

静江園

 敷地に入ると、庭一杯にずらりと並ぶつぼにまず驚かされます。つぼには、しょうゆやみそ、コチュジャンなどが保存されていて、その数約500。もちろん、ここでの料理に使われます。

 今回は「トッポギづくり」(1万2000ウォン)に挑戦してみました。トッポギというと唐辛子を使った辛いソースを絡めた屋台料理のイメージが強いですが、ここで作るのは「宮中トッポギ」。その名の通り、かつて宮廷で食べられていた料理を再現した、野菜たっぷり具だくさんのしょうゆベースのトッポギです。

宮中トッポギのつくり方のデモンストレーション

 体験では、材料や調味料は下準備してあり、手順も、具を切る、炒めるなど簡単なので、料理が不慣れな人も挑戦しやすくなっています。タマネギ、ピーマン、ズッキーニ、にんじんなど野菜たっぷりで彩りも鮮やか。作っている最中から食欲がどんどんわいてきます。野菜と豚肉を炒めた後、しょうゆとごま油、水あめを合わせたもので味を付け完成です。

出来上がった「宮中トッポギ」。野菜たっぷりでヘルシー。トッポギも、もちもちした弾力がやみつきになる

 ビビンバは、時間の関係で先生が代わりに実演してくれました。山菜や野菜など10種類以上の具を使い、大きな器で一気に具とご飯を混ぜて作ります。野菜の種類の多さにもびっくりですが、そのダイナミックさにも驚きました。

山菜や野菜など10種類以上の具を大きな器で混ぜ合わせてつくるビビンバ。野菜は敷地内で有機農法で栽培されている

 そして、待ちに待った試食の時間。どの料理も野菜たっぷりでとてもヘルシーです。「宮中トッポギ」は優しく上品な味わい。ビビンバは野菜本来の味が感じられ、館内で作られた調味料類も素材に調和し、とてもおいしい。もちろん、自分で作った料理なので味は格別。ですが、旅の味を家で再現できるヒントを得られるのも料理体験の魅力だと感じました。こだわりの伝統食と文化を一緒に体験できるぜいたくな時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。敷地内には伝統的な韓屋もあり、宿泊することもできるそうです。

韓国伝統飲食文化体験館 静江園

住所 : 江原道 平昌郡 龍坪面 金堂渓谷路2010-13<龍坪面>(강원도 평창군 용평면 금당계곡로 2010-13<용평면>)
料理体験:トッポギ12000ウォン、ビビンバ15000ウォンなど ※メニューや価格は事前の予告なく変更になる場合があります。
電話番号:033-333-1011

お手本は日本のあの美術館 安藤忠雄氏設計のミュージアムSAN

 ソウルへ戻る途中、江原道の南部・原州(ウォンジュ)に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。原州はソウルから電車やバスで約1時間半、山々に囲まれた街です。

ミュージアムSAN。ミュージアム本館へ続くウォーターガーデンは、取材時には水が入っていなかったが、水が入っていると本館が水の上に浮いているように見えるという

 原州の標高273mの山あいに、世界で活躍する安藤忠雄氏が設計した「ミュージアムSAN」があります。「Space」「Art」「Nature」の頭文字を取ったその名の通り、四季折々、刻々と自然が変化する自然の中で、建築と芸術が一体となった空間が見事な美術館です。

 ウェルカムセンターを抜けると、雄大な自然が目の前に広がります。「春には庭いっぱいにセイクチの花が咲き誇ります」と担当者。そして、本館へと向かう道は約180本のシラカバの並木が続きます。道中に設置された彫刻に足を止めながら、自然美を背景にした芸術を楽しむこともできます。シラカバ並木を抜けると、目の前に赤色の巨大なオブジェが現れます。奥には安藤氏の作風だと一目でわかるミニマルな建築物。ここが本館です。外壁には国内産の石が使用されています。

 館内に入ると、打ちっ放しのコンクリートでつくられた無をテーマにした空間や光と影が織りなす芸術美など、安藤氏の世界観が随所に感じられます。担当者によると、この美術館は日本の瀬戸内海に浮かぶ直島の地中美術館を参考にしたそう。オーナーが現地を訪れ感動し、安藤氏に設計を依頼したといいます。

『二つのベンチに座るカップル』。奥に見えるのがなめらかな石の曲線が美しいストーンガーデン。自然と展示が調和している

 本館を出ると、そこは石の盛山が点在するストーンガーデン。古墳をモチーフにした、滑らかな曲線の美しい九つの石の山が連なります。

 ストーンギャラリーの先には、見どころの一つ「ジェームズ・タレル館」。光と空間の芸術家と呼ばれるアメリカのジェームズ・タレルの体験型の作品が展示されています。「Horizon」という作品の部屋に入ると、目の前に黒い階段が。階段の先には四角いフレームが見えます。部屋の色が変わると、そのフレームも光や影によって見え方が変化し、自分がいる空間も別世界に移ったような感覚になります。「階段を上ってきてください」。そう促され、「どこへ行くのだろう」と思いながら、フレームのところまでたどり着いてびっくり。フレームは窓のようになって、外の景色が広がっています。下からフレーム越しに観賞していたのは外から差し込む光だったのです。自分が作品から飛び出すとは。そんな気持ちで外へ出ると、今度は目の前に雄大な自然が広がります。ジェームズ・タレルの作品の数々は、驚きと感動の連続で、まさにここでしかできない特別な経験。五感をフル回転させて、ぜひ楽しんで下さい。

ジェームス・タレルの作品の中を進むと、目の前には自然の眺望が広がる

眼下に山々に囲まれたゴルフ場が広がる

 原州は韓紙の生産地としても知られ「ペーパーギャラリー」のほか、版画工房や近現代画家の彫刻作品が展示される「チョンジョギャラリー」なども見逃せません。じっくり鑑賞するなら3時間くらいみておいた方がいいでしょう。

夜の姿も幻想的

ミュージアムSAN

住所:江原道 原州市 地正面 月松里 山129-5 (강원도 원주시 지정면 월송리 산129-5) 
入館料:大人28000ウォン、小中高校生18000ウォン(ミュージアム+ジェームズ・タレル館)、大人12000ウォン、小中高校生10000ウォン(ミュージアムのみ)
開館時間:ミュージアム10:30~18:00(最終入館17:00)、ジェームズ・タレル館11:00~17:30(同16:30)
休館日:月曜、1月1日、ソルラル当日、チュソク当日
問い合わせ:033-730-9000
http://www.museumsan.org/enewweb/index.jsp(韓国語・英語)

 韓国への旅行はいつもソウルという人も、韓国は初めてだけど、平昌冬季五輪をきっかけに関心を持ったという人も、豊かな自然と、韓国の文化、そして芸術を楽しみに江原道を訪れリフレッシュしてみてはいかがでしょうか。(&TRAVEL編集部)

■取材協力:韓国観光公社

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