楽園ビーチ探訪

ピンク色のビーチへ電動カートでゆっくりと バハマ・エルーセラ

  • 古関千恵子
  • 2018年6月14日

うっすらとピンク色のビーチが大西洋のブルーの海と絶妙なコントラスト

エルーセラの名前が注目を浴びたのは、故ダイアナ妃のハネムーンの地に選ばれたことがきっかけでしょう。しかも、そこにピンク色の砂浜の「ピンク・サンズ・ビーチ」があるとは、なんてロマンチック! 世のカップルたちは、羨望(せんぼう)のまなざしを送りました。今も人気は衰えず、米国の『トラベル+レジャー』誌で「カリブ海のベストアイランド2015」に選ばれています。

ピンク・サンズ・ビーチで見かけた女性グループ

エルーセラは、バハマの首都ナッソーから東へ約90キロ。ひとつの島の名前でもあり、ハーバーアイランドなどの小さな島も加え呼ばれることもあります。魚の骨のような細長い形をしており、東は大西洋、西にはグレート・バハマ・バンクという浅瀬が広がっています。

「巨大ワニに気を付けて!」と、ビーチで声をかけられ、びくっ。2時間かけて作成したというピンクサンドのワニでした

現在この島で見られる建築様式やライフスタイルの素地を築いたのは、17世紀半ばに渡ってきたイギリスの清教徒たち。“信仰の自由”を求めてやってきたことから、ギリシャ語で“自由”を意味する言葉が島の名前の由来となっています。エルーセラで根付いたイギリス文化は、やがてその他の島々にも伝播(でんぱ)していきました。実は、かつてハーバーアイランドが首都だったこともあるのです。

そのハーバーアイランドは、多くのツーリストがお目当てにしている、エルーセラの北部に浮かぶ小さな島。首都ナッソーからはフェリーや飛行機でアプローチができ、どちらでも日帰りが可能です。

島内での移動手段は電動カートがもっぱら。地図によると、町の造りはいたってシンプルで、港と並行した2~3本のメインストリートと、島を横切る細い道が数本走っている程度です。そんな島だから、ゆっくりしたスピードの電動カートがちょうどいい感じ。

ハーバーアイランドで最初にホテルとしてオープンしたという「ピンクサンズ」

船着き場から島を突っ切ったピンク・サンズ・ビーチまでは所要時間15分ほど。期待はいやが応でも高まりますが、インターネットの画像に出ているピンク色そのもののビーチを期待してはいけません。ビーチの入り口からは一見、白く見えるのです。でも、波打ち際の砂はちゃんと、ほんのりとしたピンク色。砂に赤い粒(サンゴの欠片とも、コンク貝との説もあり)が交じっているのがわかります。淡いピンクの砂浜と大西洋のブルーとのコントラストが美しく、わけもなく跳びはねたくなり、約5キロ続くというビーチをどこまでも歩きたい衝動にかられます。

町のパン屋さん「オーサーベーカリー」。店内で食べることもできます

おや、何だろう……。どうやら、よろず屋さんでした

電動カートで町を走れば、淡いブルーやピンクなどのパステルカラーのニューイングランド様式のかわいい家並みや教会が連なり、まるで童話の世界のよう。地図を片手に歴史的な建物をめぐり、ギャラリーや土産物店を訪ねて、フェリーの最終便までのんびりとドライブ。よろず屋さんの前で女性が井戸端会議をしていたり、おじいさんがカートに犬と並んで乗っていたり。地元の暮らしも垣間見られます。

愛犬を助手席に乗せ、気ままにドライブ。島の移動は電気カートが主流です

ミュージシャンのレニー・クラヴィッツはエルーセラにスタジオを構えているとか。デルタ航空機内誌のインタビューでは「ニューヨークの箱の中でのレコーディングに飽きちゃったんだよ。少なくともここでは外が見られるし、木や空が見える。海へ歩いていくこともできる。それって、ずっと憧れていた夢なんだ」と。

この島では、電動カートのみならず、流れる時間も緩やかなのです。

[PR]

ニューイングランド様式の歴史的な建物も現役で使われています

この記事を気に入ったら
「いいね!」しよう

PROFILE

古関千恵子(こせき・ちえこ)ビーチライター

リゾートやカルチャー、エコなどを切り口に、国内外の海にフォーカスした読み物や情報を発信する自称「ビーチライター」。ダイビング雑誌の編集者を経てフリーとなり、“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”を繰りかえすこと四半世紀以上。『世界のビーチ BEST100』(ダイヤモンド・ビッグ社)の企画・執筆、『奇跡のリゾート 星のや 竹富島』(河出書房新社)の共著のほか、ファッション誌(『Safari』『ELLE Japon』など)やウェブサイトに寄稿。http://www.world-beach-guide.com/では、日々ニュースを発信中。

今、あなたにオススメ

Pickup!