楽しいひとり温泉

涼しくてあったまる! 夏の魅惑「新潟県・貝掛温泉」

  • 文・写真 石井宏子
  • 2018年8月8日

野趣あふれる岩の露天風呂のぬる湯で癒やされる

夏の肌と体はとってもがんばっています。特に今年のように酷暑の夏は、ノースリーブや半袖で出かけて肌が紫外線にさらされてしまったり、夜も冷房のお世話にならないと眠れなくて、夜中に冷え冷えになって目覚めてしまったり。夏は意外にも隠れ冷え症に悩まされることもあります。

そんな時は、ぜひ、温泉でしっかり体を温めていただきたいのですが、夏は暑いから、熱い温泉に入るなんて・・・。と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。実は、夏こそおすすめしたい温泉があるのです。それはぬるめの温度で湧く源泉をそのまま利用している温泉で、通称「ぬる湯」と呼ばれています。

特に温度が34度~37度の場合は“不感温浴”、37度~39度の場合は“微温浴”といって、筋肉の緊張を緩めて副交感神経優位へとスイッチが切り替わり、神経を鎮静させてストレスリリースできます。体温よりやや高い、ほんのりと温かい温泉ですから、長くゆっくりとつかることができますので、温泉の恩恵もたっぷりといただくことができるのです。

バス停から徒歩10分ほどで一軒宿の貝掛温泉へ

貝掛温泉は、上越新幹線越後湯沢駅からアクセスできます。路線バスで20分の停留所から10分ほどの道を、山や渓流を眺めて、てくてくと歩くのも楽しいですし、早く温泉につかりたいという時には、タクシー利用だと駅から15分で宿の玄関前でおろしてもらえます。

貝掛温泉は一軒宿ですから、この宿だけで入れる温泉です。ぬるめの温度で心地よいというだけでなく、鎌倉時代に開湯し700年の歴史を持ち、戦国時代には上杉謙信公の隠れ湯として将兵の傷を癒やし英気を養う湯となり、江戸時代になると「目の湯」として湯治に利用され、明治時代には「快眼水」という名の目薬として内務省の製造販売許可を得たという薬効のある温泉として知られてきました。

内湯は深めでゆったり入れる

貝掛温泉の源泉温度は36.2度、大きな露天風呂のすぐ横に自噴する源泉があり、大浴場の内湯と大露天風呂に新鮮な温泉をそのまま注いでいる湯船があります。体温より少し高いくらいの温度で、体の負担が少なくゆっくりと長く入っていられます。

毎日お湯を抜いて掃除し、新しい温泉に入れ替えていますので、とってもフレッシュ。源泉がたっぷりと注がれる湯船に入ってじーっとしていると、肌の表面に微細な泡がびっしりとついてきて感激します。内湯では湯船のふちにヒノキの枕木がおいてあります。そこに頭をのせてぬるい温泉に身を委ねていると、ほわ~っと体が温まってきて、うっかり眠ってしまいそうな心地よさです。隣には加温した42度のあったかい温泉の湯船もあり、温冷交互浴をしたり、さっと温まったりして仕上げることもできます。

湯口から大量に注がれる新鮮な源泉

泉質は、ナトリウム・カルシウム-塩化物泉、pH7.7の弱アルカリ性。この塩などのミネラル濃度が涙の成分に近く、古くから「目によい温泉」として遠くから通う人もいる温泉でした。ぬるめの源泉がどどどっと大量に流れ込む新鮮な湯口から手でくみ取りながら目を近づけてパチパチまばたきすると「あー気持ちいい」。パソコンやスマートフォンで酷使した目の疲労やドライアイなどの悩みがスッキリ楽になる気がします。そして、フレッシュ源泉で目を洗うというこの湯治法を行うと目だけではなく、実は同時に顔も源泉ですすぐことになるので、お肌もしっとり保湿されて一石二鳥。なんと、美肌湯治にもなってしまいます。

畳でごろりとするのも気持ちいい

緑豊かな場所に建つ宿は静かに過ごせる落ち着いた雰囲気。湯上がりに畳で大の字になれるのもひとり温泉のだいご味。ぬる湯でゆったりリラックスして、今夜はゆっくり眠れそうです。

体にいいお料理も登場

夕食のお刺身は、ベニマス。調べてみたら、このベニマスの赤い色はアスタキサンチンという成分に由来するもので、抗酸化作用が期待できるそう。なるほど!と感心してしまいました。 

貝掛名物の薬膳玄米粥

貝掛名物「薬膳玄米粥(やくぜんげんまいがゆ)」は、古来より目の湯治には、肝臓・脾臓(ひぞう)に活力を与える療養がよいと伝わることから、それを意識して、クコの実、ニンジン、とうもろこし、さつまいも、いんげん、あずきを、南魚沼産コシヒカリの玄米で炊き上げたぜいたくな「目のごちそう」。小さなすり鉢でゴマをすって、一緒にいただきます。

米どころの南魚沼らしいお出迎え

新潟県の南魚沼郡といえば、極上コシヒカリ米の産地ですね。貝掛温泉の玄関では米俵が出迎えてくれます。ぬる湯とおいしいごはんで、夏の疲れを癒やすひとり温泉の旅です。

■「楽しいひとり温泉」ポイント
1.ぬる湯で暑さを吹き飛ばす
2.目にもいい湯で一石二鳥
3.体と目に優しい食事

貝掛温泉
http://www.kaikake.jp/

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PROFILE

石井宏子(いしい・ひろこ)

いしいひろこ

温泉ビューティー研究家・トラベルジャーナリスト。日本・世界の温泉や大自然を旅して写真撮影・執筆をする旅行作家。テレビにも出演。温泉・自然・食で美しくなる旅を研究する。海外ブランドのマーケティング・広報の経験から温泉地の企画や研修もサポート。日本温泉気候物理医学会会員、日本温泉科学会会員、日本旅のペンクラブ会員、気候療法士(ドイツ)、温泉入浴指導員。著書「癒されてきれいになる おひとりさま温泉」(朝日新聞出版)「地球のチカラをチャージ! 海温泉 山温泉 花温泉 76」(マガジンハウス)ほか。新著「感動の温泉宿100」(文春新書)が19日発売予定。公式サイトhttp://www.onsenbeauty.com

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