楽しいひとり温泉

山人料理のひとり囲炉裏ごはん 「群馬県・水上温泉」

  • 文・写真 温泉ビューティ研究家・トラベルジャーナリスト 石井宏子
  • 2018年9月4日

ひとり温泉でも囲炉裏料理のオプション可能

おいしい秋は、もう、そこまで来ています。せっかくの旅ですから、ひとり温泉だって、思いっきりおいしいものを食べたいと思いませんか? いえ、むしろひとり旅だからこそ、こよいは温泉とおいしいものを豪快に楽しんでしまいましょう。

ひとり貸し切り温泉でのんびりぜいたくな時間をすごしたら、個室に仕切られた食事処で、炭火で「ひとり囲炉裏ごはん」。これが意外にもテンションがあがって楽しさ倍増なのです。

宿の入り口には開放的なカフェスペースがある

群馬県・水上温泉は谷川連峰からのミネラルたっぷりの水が森を育み、山里のおいしい恵みがいっぱいです。「蛍雪の宿 尚文」は兄弟で営む宿。兄の阿部尚樹さんが経営を担当、弟の阿部達也さんが料理長として腕をふるいます。おじいさんの代から営んでいた民宿を引き継ぎ、少しずつ改装して古民家風のモダンな宿になりました。好きな部屋を選んでひとり宿泊を予約する「一人旅プラン」があるので気楽に母屋の客室に泊まったり、ご褒美に露天風呂付の離れに泊まったり自由自在です。

部屋の木札を置いて、無料で温泉を貸し切りにできる

ここの温泉は画期的な仕組み。貸し切り風呂の「蛍雪の湯」だけでなく、男女別大浴場の2つの「岩の湯」も夕食後の時間は貸し切り温泉になります。自分の部屋の木札は1枚。パブリックラウンジの近くに木製ボードがあって、好きなお風呂の好きな時間の予約札と入れ替えます。その時間に入浴して、まだ、ほかに空いているところがあれば、また、部屋の札を置くという仕組み。夜なら、ひとりで大浴場に、のびのび入るなんてこともできて、とってもぜいたく。

貸し切り温泉の「蛍雪の湯」

貸し切り風呂「蛍雪の湯」は、木々の緑を眺める気持ちのいい温泉。数名は一緒に入れそうなくらい広くて幸せです。とろんとした感触のアルカリ性単純温泉。ph9.3と高めで、せっけんのようなクレンジング作用で、お肌の古い角質を落としてすべすべつるつるにしてくれます。湯船の中の温度は少しぬるめになっていて癒やされます。窓を開けると山からの涼風を感じて爽やか。

囲炉裏料理プランにするとこんな個室で食べられる

お待ちかねの夕食です。プラス1080円で囲炉裏プランにグレードアップ、個室の食事処には囲炉裏があり、炭がたかれています。料理長は自ら狩猟に出かける猟師でもあり、山のことや野山で生きる動物を知り尽くしているからこそ、それを一番おいしい方法でと、フランスのジビエ料理も研究し、この宿の名物・山人料理を考えました。

近隣の生産者さんの野菜をまるかじり

前菜は大地の恵みと新鮮野菜まるかじり。辛子麹(こうじ)と、イワナと牛乳で作る自家製ソースで里山の旬を楽しみます。感激したのは、お品書きに今日の夕食でいただける野菜がずらりと記載されていたこと。その数はなんと、13種類。しかも、生産者さんの名前や収穫した畑の地域の名前なども一緒に書かれているのです。なじみ深いインゲンもあれば、スイスチャードやゴルゴ、この地域の小菅さんが作るジャンボニンニク、ヤマウドやワラビなどの保存食と多彩。雪国の知恵が詰まったみなかみ町の食の奥深さを感じます。

群馬の地酒や季節限定酒もそろう

群馬県の永井酒造の季節限定酒「水芭蕉 純米大吟醸おりがらみ生酒」を発見。グラスで1合から注文できるので、ひとり温泉の晩餐(ばんさん)にぴったりです。かすかに発砲を感じるクリーンでフレッシュな味わいが肉料理にも合います。

囲炉裏で食材を焼きながら肉料理を味わう

尾瀬豚のいぶし焼きが、芳ばしい薫製の香りにつつまれて登場。甘くてコクのある脂が後を引くおいしさ。囲炉裏で、肉厚のしいたけをじっくり焼きながら、お肉をつまみます。

熱々焼き立てで運ばれるアユの塩焼き

焼き立て熱々で運ばれてくるアユの塩焼き。そのままガブリと味わうと、背脂がのりのり。秋に向かうとアユってこんなに脂がのってコクが出てくるものなのですね。

季節のごはん。夏はとうもろこしごはん

囲炉裏の後ろでコトコトお釜で炊かれていたのはトウモロコシごはん。お茶わんの隣に、そっと置かれたのは、バター。うわー、おいしすぎて、これは大変です。

「大丈夫です。ご一緒に薬膳スープをお持ちいたしますから」

胃腸を整え、体を温めて元気にしてくれる尚文特製の薬膳スープは、ニラや根菜、きのこもたっぷりの汁鍋。これを飲むと、たくさん食べたのに不思議とすっきり。夜もぐっすり眠れました。

■「楽しいひとり温泉」ポイント
1.ひとり美食を囲炉裏で楽しむ
2.貸し切り風呂で温泉も独り占め
3.気分と予算に合わせて部屋を選べる

蛍雪の宿 尚文
https://www.syoubun.com/

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PROFILE

石井宏子(いしい・ひろこ)

いしいひろこ

温泉ビューティー研究家・トラベルジャーナリスト。日本・世界の温泉や大自然を旅して写真撮影・執筆をする旅行作家。テレビにも出演。温泉・自然・食で美しくなる旅を研究する。海外ブランドのマーケティング・広報の経験から温泉地の企画や研修もサポート。日本温泉気候物理医学会会員、日本温泉科学会会員、日本旅のペンクラブ会員、気候療法士(ドイツ)、温泉入浴指導員。著書「癒されてきれいになる おひとりさま温泉」(朝日新聞出版)「地球のチカラをチャージ! 海温泉 山温泉 花温泉 76」(マガジンハウス)ほか。新著「感動の温泉宿100」(文春新書)が19日発売予定。公式サイトhttp://www.onsenbeauty.com

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