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予期せぬ出会いがあるから、旅って楽しい!「星野リゾート 界 アンジン」で知る伊東の魅力

  • &TRAVEL編集部
  • 2018年9月5日

星野リゾート 界 アンジン「サンブエナデッキ」

週末、近場で行ったことのない場所へ旅に出たいという話をしていたら、同僚の伊東は? のひと言に誘われて出かけることにした。

伊東といえばハトヤがあったり、新しい観光スポット「道の駅伊東マリンタウン」があったり。伊豆シャボテン植物公園に大室山、城ケ崎海岸、伊豆高原など見どころは満載だ。

東京駅から新幹線と伊豆急行を乗り継いで2時間弱。熱海駅の5駅先にある伊東駅に到着した。東京駅から特急踊り子号(直通105分)を利用すると乗り換えもなく快適だ。

改札を出ると、のぼりを掲げ持つ宿からの出迎えや、「ようこそ伊東温泉へ」という年季の入った立て看板に、おお温泉街にやってきたな、と気分が盛り上がる。

私が1泊2日で泊まる宿は、「星野リゾート 界 アンジン」だ。駅から車で5分、徒歩でも約15分なので、街を散策しながらゆっくり向かうことにした。

商店街のアーケードを歩いていると、「ぬくもーる」という店の看板が目に入った。店内に足を踏み入れると、通称「さゆりちゃん」と呼ばれる女性に出会った、伊東を愛し、伊東の魅力を発信しようとしている人だ。

「ぬくもーる」は、伊東商工会議所が認定するブランド「いとうのいいもの」を取り扱うアンテナショップだと、さゆりちゃんが教えてくれた。伊東の海や山・里が育んだ地域資源を素材にして生まれた優良な製品、商品の認定制度だ。

いろいろ質問していたら、「さゆりちゃんの勝手に観光大学」に入学することになった。さゆりちゃんがこの店でお客さん相手に開いている座学で、足で稼いで調べたおすすめ観光スポットを紹介している。

講義は伊東駅の発車ベル音楽が「みかんの花咲く丘」であることからはじまり、徳川家康の外交顧問だった英国人ウィリアム・アダムズ(三浦按針 みうらあんじん)と伊東との縁、伊東の文学と進む。観光名所、名産品は地図に自ら書き込み、タブレットを使って丁寧に説明してくれる。30分ほどの講義を受けた「卒業生」は、延べ1000人はくだらないとか。

伊東アンテナショップぬくもーるのさゆりちゃん

「元々おしゃべりが好きで、伊東のことを話していたら、店員としての仕事とは別に、いつの間にか勝手に観光案内をしていたの。伊東に来て良かったと思ってもらいたいと願って、おせっかいながら道行く人に話しかけては、伊東の楽しみ方を伝えたりもしているのよ」

熱い思いは、その日、日本を覆っていた熱波にも負けないほどだった。

途中、若者3人が店に入ってきて、伊豆半島を舞台にダイビング部に所属する少女たちの日常を描いたマンガ『あまんちゅ!』(天野こずえ著)の公式グッズやポスターの前で記念撮影をしていた。ポスターは激レアで、この店以外の場所ではなかなか見られないのだとか。店はファンの間では聖地巡礼に欠かせないスポットになっているようだ。

若者グループは「明日は聖地でダイビングを楽しむんですよ」と笑顔で話しながら店を出た。

思いつきで立ち寄った店だったけれど、持参した3冊のガイドブックにはない、おもしろい情報を得ることができた。旅は出会い次第で全く方向性がかわるものだ。

この先、どんな出会いがあるのだろうとワクワクしながら、「星野リゾート 界 アンジン」に向かった。

星野リゾート 界 アンジン 外観 

星野リゾート 界 アンジン」は、海や船旅をイメージして作られた全室オーシャンビューの絶景温泉宿だ。一歩足を踏み入れると、非日常の広々とした空間があり、木材をふんだんに使ったインテリアには、大きな窓から差し込む光が柔らかく反射していた。開放的な空間に誘われて、思わず深く息を吸い込んでみた。

チェックインすると、さわやかな笑顔で迎え入れてくれたのがサービスチームマネジャーの加藤志門さん。清潔感のある制服姿がとてもさわやかだ。

フロント横のオブジェに気がつき、加藤さんにたずねてみた。

「船の舵(かじ)を操作する輪形の把手(とって)や、船のパーツを埋め込んだオブジェです。実際に使われていた船の古材や船具がいろいろなところに組み込まれているので、見るたびに発見があるかもしれませんね」

勢いづいた私は、温泉のこと、食事のこと、界 アンジンの楽しみ方と、質問攻撃を浴びせかけてしまったのだが、加藤さんは終始変わらぬ穏やかな笑顔で答えてくれた。

期待に胸を躍らせながら、滞在する「按針みなとの間」オーシャンビュースイートの扉を開けると、目に飛び込んできたのが太平洋を望む抜群の眺望。しばし見とれてしまった。

部屋は77㎡と広く、芸術的な造形の木製パーテーションで間仕切りがされている。リビングには大きな窓とモダンなインテリア、色と形の異なるシングルソファ、ウッドテーブル、オブジェが並び、ぜいたくな空間にうっとりとしてしまう。

ワークスペースには、アナログのレコードプレーヤーがあり、好きなレコードを聴くこともできる。デジタル録音された音楽を耳にすることが多い私には、レコードの音がとても新鮮でぬくもりがあるように感じられ、ゆったりとくつろげた。

「星野リゾート 界 アンジン」提供

さて、旅の疲れには温泉が一番。最上階の露天風呂では屋根がなく空が見える開放感を、屋内の大浴場では海を見下ろす絶景を堪能し、旅の幸せをかみしめる。仕事の疲れはどこかへ吹き飛び、身も心もほぐされていく。ああ、まさに夢見心地な至福の時間だ。

「星野リゾート 界 アンジン」提供

入浴後、湯上がり処にはとっておきの楽しみが用意されていた。お風呂上がりの冷たい一杯だ。この一杯のための入浴と言ってもいい。

フレーバーティーやフレッシュジュースなど冷たいドリンクやアイスキャンディーが……。さらに、時間限定で2種類のクラフトビール、フルーティーで味わいのある「よなよなエール(ヤッホーブルーイング)」と、苦みとコクが癖になる「インドの青鬼(ヤッホーブルーイング)」を専用サーバーから自分で好きなだけ注ぐことができるのも粋な計らいだ。

普段はセルフサービスだが、どうしてもうまくビールを注ぐことができなかった私を見かねて注いでくれた加藤さん

クラフトビールを持って、湯上がり処に隣接する「サンブエナデッキ」に出た。まるで船の甲板にいるようだ。遠くに初島を眺めながら湯上がりの一杯を心ゆくまで堪能した。

温泉に入って、ビールでほろ酔い気分になったところで、いよいよお待ちかねの夕食の時間。プライベート感のある半個室でゆっくりと食べられた。

宝楽盛り(写真は2人分です)

相模湾で採れた新鮮な魚介を使った会席仕立ての料理は、伊豆名産ニューサマーオレンジを使った先付けから始まり、お椀(わん)、宝楽盛り、揚げ物、蓋物(ふたもの)、台の物は金目鯛(きんめだい)とあさりの香煎包み焼き、ご飯もの、甘味と、それぞれが頃合いを見て運ばれてくる。どれも工夫が凝らされていて目でも舌でも楽しめる。

中でも特に気になったのが、英国のアフタヌーンティーのケーキスタンドのような食器に乗せられた宝楽盛りだ。盛りつけが上品で、見た目にも華やか。食べ方に決まりはないそうだが、英国のアフタヌーンティーセットをいただくように、下から順番に食べてみた。

食後に1階ロビーで催された「ご当地楽」は、星野リゾートオリジナルの映像に合わせて従業員の弁士が語った。『青い目のサムライ紀行』という、三浦按針(ウィリアム・アダムズ)の物語だ。内容をある程度知っていても、臨場感のある映像と、弁士の抑揚のある声が一体となると、その世界に引き込まれてしまう。気がつくと30分を過ぎていた。

開放感のある屋上は、海風が気持ちいい

一夜明けて、早朝から屋上でストレッチをする「オーシャンストレッチ」に参加した。

水平線から昇る朝日に照らされながら、マットのストレッチ。肌に海風を感じながらゆっくり体をほぐし、優雅な気分を味わった。

さて、温泉に入って、朝食だ。

朝ごはんは、ご当地ジュース、炊き合わせ、蒸し物の温泉玉子、練り物、魚貝類のだしのうまみとシンプルな味付けの潮汁(うしおじる)、白米とみそ汁、と自宅ではなかなか味わえない体にやさしい和食膳だった。

中でも、界 アンジンオリジナルの自家製イカメンチが絶品!! 外側はサクサクで内側はふわふわの食感が絶妙だ。

ご当地朝食

朝食を済ませ、ゆっくり荷造りをしたら、チェックアウトの時間が近づいてきた。ふと、加藤さんが最初にかけてくれた言葉を思い出した。

「みなさん最初はとても緊張した面持ちですが、だんだんリラックスされて心身共に柔らかくなって帰られるんですよ」

心地よい時間と空間へ導いてくれたのは、私の心をほぐしてくれた加藤さんの温かい気持ち、にほかならない。

伊東でみつけたお気に入りの店

スイートハウスわかば

駅へ向かう途中、往路で気になった店に寄った。喫茶店『スイートハウスわかば』だ。店の前で大勢の人が順番を待っていたので気になっていた。

ランチのピーク時間は過ぎているのに、若い女性や年配のグループでほぼ満席だ。着席して周りを見渡すとほとんどの人がサンデーを食べていた。

メニューを見ながらどれにしようかと悩んでいると、マスターが声をかけてくれた。

「初めて食べるなら、サンデーか、あんみつか、プリンだね。ソフトクリームがたくさん乗っていておいしいから」

スイートハウスわかば「季節のブルーベリーサンデー」

注文して待つこと数分。ソフトクリームにブルーベリーソースがたっぷりとかかった「季節のブルーベリーサンデー」が運ばれてきた。

一口食べてみると、ソフトクリームの甘さと濃厚さとひんやり感が次から次へと口中に幸せを運んでくる。この店の味のとりこになってしまい、完食した瞬間、プリン・アラモードを追加で注文していた。

ぷるんとした自家製プリンと、ぷっくりとしたソフトクリームのキュートなビジュアルに心を奪われてしまった。

スイートハウスわかば「プリン・アラモード」

マスターは、ソフトクリームに並々ならぬこだわりがあるようだ。1948年に創業し、当初は手作りのアイスキャンディーやアイスまんじゅうがウリだったが、後にソフトクリームを目玉商品にした。横浜にも姉妹店があるという。

「昔ながらの味を大切にしたいので、どちらの店舗もできる限り、スタッフみんなで手間をかけて手作りしている。それがおいしさの秘訣(ひけつ)なんだよ」

この情熱がある限り、この店のソフトクリームを愛してやまない人が途切れることはないだろう。熱いハートをもつマスターとの出会いも忘れられない伊東の思い出になった。

知らない街で、知らない道を、迷いながら歩いていたら、予期せぬ出会いがあった。そこで感じたワクワクとドキドキから新しい発見があり、街と旅の印象も変わった。

次の旅は、ガイドブックを3冊から1冊に減らして、気楽に身軽に楽しめそうだ。

界 アンジン周辺 ぶらり散歩……フォトギャラリーでみる

(&編集部・秋田美幸)

■取材協力
星野リゾート 界 アンジン
住所:静岡県伊東市渚町5-12
電話:0570-073-011(界予約センター)
HP:https://kai-ryokan.jp/anjin/

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