原田龍二の温泉番長

湯畑かと思ったら露天風呂だった「藤七温泉 彩雲荘」

  • 2018年9月10日

“温泉番長”こと俳優の原田龍二さん(撮影=岡村智明)

これまで訪ねた温泉の数は、約200カ所。「温泉との出合いは一期一会ならぬ“一期一湯”」と話す温泉番長・原田龍二さんにとって、特に印象深かった温泉をご紹介します。

今回は、緑豊かな景勝地・岩手県八幡平にある「藤七温泉 彩雲荘」。標高約1400メートルの東北最高所から絶景を見渡せる、開放的な露天風呂です。

藤七温泉 彩雲荘

とうしちおんせん

内湯のほか、六つの露天風呂(混浴5、女性専用1)と宿泊者専用露天風呂(男女別、各1)がある宿(写真は紅葉の時期の様子。藤七温泉 彩雲荘提供)。泉質は単純硫黄泉。源泉かけ流しのにごり湯には湯の花が浮かび、温泉の底にたまった泥を使ったパックも人気。白濁した湯は、朝焼けに照らされるとオレンジ色に染まるという。
住所:岩手県八幡平市松尾寄木北の又
電話:090-1495-0950
営業:4月下旬~10月下旬(日帰り入浴は午前8時~午後6時)
HP:http://www.toshichi.com
料金:一泊二食付き一人13110円から(一室1名利用の場合)。日帰り入浴は600円(小学生以下は300円)。※広間利用の場合は1140円。

旅のお供はロックンロール、目隠し旅じゃつまらない

秋田にいるかと思えば3日後にはもう九州に飛んでいて、その後は間髪を容れずに栃木へ移動――。

ブログやインスタグラムをのぞいてくださっている方はご存じだと思いますが、こんな風に、僕はお仕事でしょっちゅう旅に出ています。“Life is journey”、“この世に生まれ落ちた瞬間から旅は始まっている”が信条の自分にとっては、お仕事でも旅をさせていただけるのはありがたいことです。

「遠足は家に帰るまでが遠足だ」と学校の先生は言いますけど、それって「遠足(旅)は玄関を出た瞬間から始まっている」ということでもありますよね? だとすれば、目的地に着くまでの移動時間も旅のうち。楽しむために、僕は新幹線や飛行機に乗っているときは好きな音楽を聴いて過ごしています。

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ジャズや、インドネシアの民族音楽のガムランも好きですが、新幹線ではロックンロールかヒップホップを聴くのが定番。「秘湯を目指す旅にロックンロールはフィットしないのでは?」と言われても、好きなんだからしょうがない。高校のときから音楽の趣味はぜんぜん変わらなくて、新しいジャンルの曲を聴いてもやっぱり原点に戻ってしまいます。

旅は、道中も大事なんですよ。バラエティー番組で、出川哲朗さんや松村邦洋さんがとある場所まで目隠しされて運ばれて、パッと外された瞬間「うわーっ」ってリアクションをする場面がありますけど、ああいう感じでサプライズで温泉に連れていかれて、「さぁどうぞ!」とアイマスクを外されても、僕はちっとも喜べない。温泉そのものだけじゃなくて、温泉に至るまでの道のりも楽しみたいですから。

湯畑みたいに見えた、手作りの湯船

「藤七温泉 彩雲荘」は、緑豊かな景勝地・岩手県の八幡平にあります。八幡平頂上のバス停から2キロくらいかな、曲がりくねった車道を上へ上へと歩いていたら、突然“わーっ”と視界が開けて湯船が“ぽんぽんぽーん”と目に飛び込んできた。一気に気分が高揚して、早く入りたい気持ちになりました。

原田さんが湯畑と見間違えた、「藤七温泉 彩雲荘」の露天風呂(写真=藤七温泉 彩雲荘提供)

まだ厚い雪が残る時期の露天風呂の様子(写真=藤七温泉 彩雲荘提供)

最初、湯畑だと思ったんですよ。草津温泉みたいに源泉が高温で入れないからここで湯もみして、入るところはまた別の場所にあるのかなって。でも、この場所こそが湯船でした。訪ねたのが午後3時くらいで他に入っている人もいなかったし、教えてもらわなかったら温泉とは気づけなかったかも。

温泉を管理している方に聞いたところによると、露天風呂は手作りなんですって。ホースやパイプはむきだしで、湯船の周りには石がゴロゴロ。山肌にあるので、作るのにだいぶご苦労されたと思います。よくここに作ってくださったなと。標高約1400メートル、東北最高所の露天風呂は見晴らしがよくて気持ちいい。秘湯好きの僕でもなかなかお目にかかれない類の温泉でした。

荒涼としたビジュアルなので特徴的なお湯かと思いきや、見た目に反して泉質は意外にマイルド。硫黄の匂いはほのかにありますけど、クセのある温泉じゃない。素直な、入りやすい温泉でした。白濁のお湯は股間を隠すにも好都合ですしね。湯畑(湯船でしたけど)を見た瞬間に「よっしゃ入ろう!」と思った直感を裏切らない、いいお湯でした。

天候に恵まれれば雲海を見ることもできる、東北最高所の露天風呂(写真=藤七温泉 彩雲荘提供)

山の秘湯のご多分にもれず、こちらの宿も一年の半分くらいは雪に閉ざされて休業してしまいます。今年も10月末には営業を終了し、再開は来年4月下旬になるとのこと。ちょうど今くらいの時期から山の木々が色づき始めるそうなので、冬がくる前に訪れてみてはいかがでしょうか。

(聞き手・渡部麻衣子)

◆連載「原田龍二の温泉番長」では、この5~6年の間、旅番組で数々の温泉を巡った温泉情報の猛者・原田龍二さんにとって、特に印象深かった温泉を隔週で一カ所ずつご紹介します。次回は、日本人のみならず外国人にも人気だという群馬県の温泉を予定しています。

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PROFILE

原田龍二(はらだ・りゅうじ)

俳優。1970年10月26日生まれ。近況は、ブログインスタグラムで。

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