絵本の世界、湖畔、グルメ……滋賀の多彩な魅力にふれる

  • 文・写真 こだまゆき
  • 2018年9月11日

ローザンベリー多和田の「フェアリーガーデン」にある妖精の家。羊のマークが可愛らしい

絵本の世界にまぎれこんだようなフェアリーガーデン

滋賀県で唯一新幹線が停車する米原駅。そこから車で15分ほどの里山にある「English Gardenローザンベリー多和田」を訪ねました。ここは多和田という自然豊かな土地にほれ込んだオーナーの大澤恵理子さんが、採掘跡地だった荒れ野原を8年かけて整備し、2011年にオープンさせた観光庭園です。

季節ごとに訪れる楽しみがあるローザンベリー多和田のガーデン

もともとあった木々や植物を生かしながら、季節ごとに違った表情を見せるこだわりのガーデンは“いつか自分の理想の庭を作りたい”という大澤さんの夢が形になったもの。「宿根草の庭」「ローズガーデン」や、ハーブが香る「キッチンガーデン」など七つのエリアからなっています。

SL列車「ミルキーウェイ」に乗り込んで、丘の中腹にある妖精の村へ!

そんなローザンベリー多和田に今年3月、“妖精と暮らす村”をイメージした新エリア「フェアリーガーデン」がオープンしました。さっそく芝生広場の横から出ている赤くて可愛らしいSL列車ミルキーウェイに乗車。なだらかな丘の斜面の全長1キロをゆっくりと進んでいきます。ちなみに列車名の“ミルキーウェイ(天の川)”は、近くを流れる1級河川・天野川にちなむのだそう。羊たちが草をはむ、のどかな風景に夢中でカメラを向けていると10分ほどで妖精たちの村に到着です。

村長さんの家

中はこんな感じ。ユニークな形をした椅子が存在感あります

「ここは村長さんの家です。作るにあたっては村長さんの人格を妄想しました。インテリで読書好き、音楽好き。村人思いの働き者、というコンセプトです」と案内してくれた大澤さん。なるほど読書好きという村長さんらしく、棚には分厚い本が積まれ、机の上には飲みかけのコーヒーカップが置いてあって、今さっきまで椅子に腰掛けていたかのようなたたずまいです。

「私たち人間の気配を感じて慌てて隠れてしまった、そんな気持ちになってもらえたら」。大澤さんのそんな言葉にワクワクしてきました。

外国から取り寄せるなどして集めたという調度品やアンティーク小物も好きな人にはたまりません

物陰から妖精たちがこっそりと見ているような気が

フェアリーガーデンにはこのような“妖精たち”の家々が大小合わせて八つ。村長さんの家のほかに、中に入ることができるスケールの建物が「レストラン」と「バー」です。切り分けたアップルパイやスライスされたハムの断面、ジョッキに注がれたビールの泡など、そのリアルな再現はお見事。本物そっくりに作られているのです。あくまでも“妖精たち”のものなので私たちは食べたり飲んだりはできないフェアリーガーデンですが、おとぎの国の世界にまぎれこんだような世界観に、大人も夢中になってしまうこと間違いなしです。

本物に見えますが、実はすべて作り物、いわゆる食品サンプルです。リアルに見えるようにかなり細かいオーダーをしたのだそう

こちらはバー。妖精たちもお酒を飲むのですね

園内には、本物のカフェやレストランがあるので、季節の花々に囲まれながら優雅なひとときを過ごすことができるローザンベリー多和田。ハーブなどを使ったワークショップが楽しめる体験工房などもあって、家族連れで丸一日楽しめるステキな場所です。9月には萩や彼岸花が咲き出し、10月末からは美しい秋バラが彩ります。メタセコイアの葉がオレンジ色に色づく晩秋の雰囲気も、華やかな春のガーデンとはまた違った魅力があって多くのファンが訪れるそうです。

こんなステキなドアを開けて妖精たちの世界へまぎれこんでみては?

伊吹そば、近江牛、アユ、そしてふなずしアイス?! 滋賀の美食に舌鼓

後半は滋賀県の大きな魅力のひとつ“食”をご紹介しましょう。まずはローザンベリー多和田から車で20分ほどの、彦根城のおひざ元に店を構える「献上伊吹そば つる亀庵」です。実は日本のそば栽培発祥の地とも言われているのが近江の伊吹山のふもと。ここで栽培されたそば粉は評判が良く、江戸時代には彦根藩主の井伊家が徳川幕府に献上品として贈っていた記録もあるほど。しかし生産集落の移転などで次第に生産量が減り、昭和30年頃からはそば栽培は行われていませんでした。

彦根城中堀沿いに店を構える「つる亀庵」

それが最近になって、「伊吹そば」を復活させようと農家さんが作付けを開始。在来種の伊吹そば栽培が復活しました。ここ「献上伊吹そば つる亀庵」では、契約農家から直接仕入れたそば粉だけを使った貴重な在来種100%の伊吹そばを食べることができます。打ち水には環境省の名水百選に選ばれている「泉神社湧水(ゆうすい)」を使用。 “伊吹で育ったそば粉は伊吹の水で打ちたい”という強いこだわりから、毎日職人さんが湧き水をくみに行っているのだそうです。

そばと相性抜群の穴子天ぷらが一緒に楽しめる「あなご天盛りそば 穴子巻き寿司セット」。そばは香りがよくコシが強い伊吹そば100%

この日は琵琶湖のほとりに位置する「休暇村 近江八幡」にチェックインしました。湯冷めしないと評判の天然温泉「宮ヶ浜の湯」につかった後は、お部屋の窓から琵琶湖の絶景を眺める至福のとき。沖合に見えるのは琵琶湖最大の島・沖島で、日本で唯一の湖に浮かぶ有人島です。目の前の宮ヶ浜はこの沖島があることで波が穏やか。休日にはカヌーやスタンドアップパドルボード(SUP)などを楽しむ人たちでにぎわいます。

休暇村近江八幡のお部屋はご覧の通りのレイクビュー

夕食は日本三大和牛のひとつ近江牛を存分に味わえる会席コース「近江牛会席プレミアム」を堪能しました。きめ細やかな霜降り肉のおいしさはさることながら、地元野菜をふんだんに使い、地産地消を考えた大満足のメニューでした。

休暇村は全国に37ヶ所ある国立公園・国定公園などの中に作られたリゾート。中でもここ「休暇村近江八幡」は琵琶湖を目の前に望む絶好の立地で、全室レイクビューとなっています。風情ある近江八幡の古い町並みや、国宝彦根城などの観光と合わせて、琵琶湖国定公園での滞在を楽しんでみてはいかがでしょうか。

近江牛の「すき焼き」、「鉄板焼き」、「ローストビーフ」、「炙(あぶ)り寿司」の4種が入った近江牛会席プレミアム

翌日のランチは再び彦根城周辺に戻って「あゆの店きむら」であゆ尽くしのランチをいただきました。八寸盛には琵琶湖周辺の郷土料理「えび豆」が。やわらかく炊いた大豆と琵琶湖産のスジエビを甘辛く味付けしたこのえび豆、実は私の大好物なのです。

「あゆ寿司 天ぷら膳」は、塩焼き、天ぷら、押し寿司とあゆざんまい。日本酒が欲しくなる御膳です

あゆの店 きむらの彦根京橋店。あれもこれもとお土産選びが楽しいお店

お土産を物色していると、インパクトのある一品を発見してしまいました。なんと、ふなずしアイス! 滋賀の郷土料理で知られる、あの独特の発酵臭がするふなずしをカップアイスにするとは思い切りましたよね。恐る恐る口に入れてみると、これが意外にも(?)おいしいのです。お店の方に教えていただいたのですがこの商品、フナは入っておらず、ふなずしを作る際に一緒に仕込むお米が入っているのだそう。滋賀の発酵食文化の底力を感じた変わり種スイーツでした。

こちらがふなずしアイス(432円)。「まるでレアチーズ」とパッケージに書いてある通り、チーズのような風味が口の中に広がってなかなかおいしい

★English Gardenローザンベリー多和田
http://www.rb-tawada.com/

★献上伊吹そば つる亀庵
http://www.ichien.jp/tsurukian/

★休暇村近江八幡
https://www.qkamura.or.jp/ohmi/

★あゆの店きむら彦根京橋店
http://www.ayukimura.co.jp/kyobashi/

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PROFILE

こだまゆき

こだまゆき

フリーライター。知らない土地での朝食がなによりも楽しみなフォト派のライター。iPhoneで撮るのも一眼レフで撮るのもどちらも好き。自由で気ままな女性ならではの目線で旅のレポートをお伝えしています。執筆業は旅関連の他、ガジェット、雑誌コラム、インタビューなど。趣味は顔ハメパネル。

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