楽しいひとり温泉

温泉+絶景峡谷 とろりとした硫黄泉から峡谷を眺める 「新潟県・清津峡湯元温泉」

  • 文・写真 温泉ビューティ研究家・トラベルジャーナリスト 石井宏子
  • 2018年10月2日

清津峡の絶景を独り占めできる貸し切り露天風呂

清津峡を眺めるぜいたくな場所にある、新潟県十日町市の清津峡湯元温泉・清津館の宿泊者専用貸し切り露天風呂。こんな絶景を独り占めして温泉に入るだけでも幸せなのに、なんと、ぜいたくにも2種類の源泉が別々の湯船にかけ流されていて、異なる温泉の入り比べができます。

まずは、小さい方の湯船へ。こちらには、小出2号源泉がかけ流しにされています。源泉温度は39.8度、湯船に注がれると36~37度ほどになり、まさに人肌のぬくもり。透き通った青緑色の温泉は、入ってみると、ふんわりと硫黄の香り。泉質は、含硫黄-ナトリウム-塩化物泉で、pH9.1のアルカリ性。とろりとした優しいお湯は、居眠りしてしまいそうなほど心地よい。

あたたかなお湯が恋しくなったら、お隣の大きな湯船へ。こちらは薬師の湯源泉のかけ流し(寒い時期になると加温温泉も同時に注がれます)。源泉温度48度で、今の時期は、源泉100%のかけ流しで、ちょうどいい40℃~42℃くらいの温度。「ふぅううう。あったか~い」。あたたかな温泉も気持ちがいいし、人肌温度のぬる湯も安らげる。と、二つの湯船を行ったり来たりして清津峡の絶景を楽しみます。

大自然の迫力に圧倒される清津峡の渓谷美

この宿のすぐ先は、日本三大峡谷の一つとされる清津峡です。この大迫力の景観は、壮大な地球の活動で作られました。かつて日本列島がまだなかった時代、このあたりは海の底でした。約1500万年前の海底火山の活動によってできた地層に、約700万年前に入り込んだマグマが柱状節理となって固まり、約260万年前にその部分が隆起して地表に現れ、川によって浸食され、こんなダイナミックな渓谷が形成されたのです。

宿のすぐ奥にある清津峡トンネルの見晴らし所

清津峡を目の前で見られる場所が、清津峡渓谷トンネル。全長750メートルに及ぶトンネルの終点がこの絶景の見晴らし所です。2018年の大地の芸術祭で話題となった作品のひとつ「ライトケーブ」(マ・ヤンソン/MAD アーキテクツ)で、渓谷の景観を映す水盤鏡の幻想的な空間を体験できます。

清津峡渓谷トンネルはアート作品にもなっている

長いトンネルの途中にも見晴らし所があって、そこもアートになっているので、楽しみながら絶景散歩。まもなく、清津峡の紅葉も始まります。

宿の隣のカフェの2階にある無料の足湯

トンネル散歩の帰りには、もうひとつのアート作品「ペリスコープ」へ。1階がカフェで、2階は無料の足湯。ここには、トンネルの中から湧き出る温泉が注がれています。天井を見上げると、潜望鏡のように清津峡が映って見えます。

宿敷地にある薬師堂

清津館の敷地にある薬師堂には、上杉謙信公ゆかりの薬師如来像が、清津峡の守り神として安置されています。先々代の館主が祈願中に薬師如来像からかすみが立ち上り、かすかに硫黄の香りがする煙の中から現れた如来さまのお告げで掘り当てたのが、薬師の湯源泉と伝わります。掘削自噴の力で2階にある大浴場まで湯が上がり、源泉かけ流しで注がれています。

本館大浴場「薬師の湯」

男女別の大浴場「薬師の湯」の泉質は、単純硫黄泉、pH9.1のアルカリ性。女性用の内湯はロマンチックな丸いブルーのタイル。首までたっぷりつかれる深さが、ものすごく気持ちいい。つるんとした感触で肌すべすべです。

くつろげる和室の部屋

ゆったりした和室の部屋。ひとりで畳にごろんとできるのもうれしい。広縁の窓からも峡谷が見えます。

大女将の山菜料理が絶品

雪国の知恵が詰まった、山菜料理が絶品。お料理は、大女将(おおおかみ)さんと、孫にあたる現館主の息子さんが担当。代々引き継がれていくというのがステキです。「このあたりは、山菜の宝庫なのよ。春にたっぷり採ってきて塩蔵するの。そうすると、一年中色鮮やかなおいしい山菜が食べられるのよ」と、大女将さんが教えてくれました。ヤマウドやこごみのクルミあえ、三つ葉アケビのお浸し、田舎風ぜんまいの炊き合わせなど、どれもおいしくて、地酒にぴったり。

もちもちでおいしい越後もち豚すき鍋

越後もち豚のすき鍋は、ほんとうに、もっちもちの越後もち豚のおいしさにびっくり。たっぷり野菜のだしがおいしくて、スープまで全部いただいてしまいました。

朝食の最初に出される温泉粥

朝食の始まりは、薬師の湯源泉で炊いた「温泉粥(がゆ)」。ほんのり優しい塩味と硫黄の香りがおいしい。大女将手作りの醤油(しょうゆ)の実。大豆と麹(こうじ)と塩を寒の時期に仕込んでつくる伝統の調味料です。温泉の成分も少し取り込み、内臓を温めて目覚めさせる一品です。

■「楽しいひとり温泉」ポイント
1. ふんわり優しい硫黄泉
2.宿からすぐに絶景散歩に行ける
3.絶品の山菜料理で美容にもいい

清津館
http://www.kiyotsukan.com/

*ひとり宿泊は電話かHPの宿泊予約フォームで受付

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PROFILE

石井宏子(いしい・ひろこ)

いしいひろこ

温泉ビューティー研究家・トラベルジャーナリスト。日本・世界の温泉や大自然を旅して写真撮影・執筆をする旅行作家。テレビにも出演。温泉・自然・食で美しくなる旅を研究する。海外ブランドのマーケティング・広報の経験から温泉地の企画や研修もサポート。日本温泉気候物理医学会会員、日本温泉科学会会員、日本旅のペンクラブ会員、気候療法士(ドイツ)、温泉入浴指導員。著書「癒されてきれいになる おひとりさま温泉」(朝日新聞出版)「地球のチカラをチャージ! 海温泉 山温泉 花温泉 76」(マガジンハウス)ほか。新著「感動の温泉宿100」(文春新書)が19日発売予定。公式サイトhttp://www.onsenbeauty.com

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