楽園ビーチ探訪

箱庭のようなリセナン島で南国を満喫 パプアニューギニア

  • 文・写真 古関千恵子
  • 2018年10月4日

パプアニューギニアで白砂ビーチは、実は貴重。9月~1月はこの浜にも海ガメが産卵にやってきます©Tetsuo Suzuki

パプアニューギニアのリセナン島の第一印象は、まるで30年前のモルディブ。歩いて1周できる小さな島に南洋の自然がたっぷりと残り、滞在中、素足で過ごせる。客室数が少ない。白砂ビーチと海がきれい。そうした条件をそろえた島は、実はそうそうありません。だから、リセナン島に上陸した際、ほぼ一目ぼれでした。

日没後の宵闇が迫る空の色の移ろいも圧巻©Tetsuo Suzuki

首都ポートモレスビーから国内線で約1時間30分。ニューアイルランド島の北西部カビエンの沖、ボートで約20分の海に浮かぶ一島一リゾート、「リセナン・アイランド・リゾート」。350メートル×80メートルの小さな島は、パプアニューギニアでは貴重な白砂のビーチに縁どられています(一部、リーフ)。内陸部は熱帯の木々がうっそうとしげるジャングルで、白砂の小道で結ばれた7室のバンガローとレストランなどが点在しています。

窓ガラスのない、伝統的な建築様式のバンガロー。2室1棟が3ユニットと共同施設1棟の計7棟 ©Lissenung Island Resort

バンガローはサゴヤシの幹で編んだ壁と、マングローブなどのウッドの床、サゴヤシの葉でふいた屋根の伝統的なスタイル。窓枠にガラスはなく、エアコンもなく、つねに海からの風がカーテンを揺らしています。シャワーは海水をさっぱり洗い流せる真水(ゆくゆくは温水を目指しているとか)、タオルやシーツは毎日洗い立てのものと交換してくれます。掃除も行き届き、部屋のあちこちにプルメリアの花がそっと飾られています。ネイチャーリゾートにありがちな「自然の中だから仕方ない」というあきらめがありません。

客室前にテーブル&チェアが置かれ、くつろぎのスペースに

島の中央にあるメイン棟内のレストランは、ヤシの葉でふいた屋根に白砂の床、長いテーブルをゲスト全員で囲みます。木の楽器をカンカンカンと鳴らすのが食事の合図。テーブルには、巨大なロブスターやサワラ、島内の畑で育てた野菜、カビエンの市場で仕入れたフルーツなどが並びます。魚介類は地元の漁師が持ち込むのですが、小さなロブスターは仕入れません。海の資源を育てることが大切であることを、地道に伝えているそうです。

リセナン島の犬たちと一緒に、近隣の無人島ラル島へピクニック

朝は、波の音と澄んだ鳥の鳴き声で目覚めます。窓のすぐそばで鳥の羽ばたきを耳にすることも。時折、視界を横切る色鮮やかなカワセミは4種類、島の周囲をシュノーケリングすればクマノミが8種類(島の浅瀬には、ひざ下の深さでもクマノミがたくさん!)。ダイビングスポットにはジュゴンが出没することも。夜は満天の星の下、姿は見えなくてもツンとしたにおいから、有袋類のクスクスが近くにいることがわかります。

地元漁師が持ち込んだ、巨大なロブスター。夜はこれが刺し身になってテーブルに登場

9月から1月にかけては、タイマイやアオウミガメの産卵シーズン。毎朝、スタッフは近隣の島々もチェックして、卵を保護し、産卵のお手伝いをしているそう。一昨年の話では、保護した卵の数は47カ所の産卵場所から5000個以上。珍しいことにタイマイが多く、アオウミガメとの比率は8対2。2カ月後の11~4月には赤ちゃんウミガメが見られるかも。「とても忙しいけれど、いい仕事。楽しんでやっているよ」というのは、オーストリア人オーナーのディエットマー・アモンさんです。

アモンさんがこの島と出会ったのは1995年のこと。もともとこの島は「パラダイス・アイランド」と呼ばれ、地元の人がバーベキューやキャンプに訪れる島でした。「ここでリゾートとダイビングサービスをやってみないか?」と、チャンスをもらい、その翌年の1996年には共同シャワーの4室のバンガローをスタート。それから少しずつ部屋を増やしていったそうです。

クマノミは日本でみるものと、模様が微妙に異なります

「リセナン」とは、地元の言葉で「休憩する場所」という意味。とっておきのリラックスを求めて、片道2日かけてヨーロッパから訪れるゲストも。ちなみに、宿泊は12歳以上。大人のための南の島です。

満天の星もまた見事 ©Fumiyo Nozaki

取材協力/ニューギニア航空
http://www.airniugini.jp/

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PROFILE

古関千恵子(こせき・ちえこ)ビーチライター

リゾートやカルチャー、エコなどを切り口に、国内外の海にフォーカスした読み物や情報を発信する自称「ビーチライター」。ダイビング雑誌の編集者を経てフリーとなり、“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”を繰りかえすこと四半世紀以上。『世界のビーチ BEST100』(ダイヤモンド・ビッグ社)の企画・執筆、『奇跡のリゾート 星のや 竹富島』(河出書房新社)の共著のほか、ファッション誌(『Safari』『ELLE Japon』など)やウェブサイトに寄稿。http://www.world-beach-guide.com/では、日々ニュースを発信中。

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