原田龍二の温泉番長

硫黄島の名湯で思わず涙、空も海もお湯の色も美しすぎて

  • 2018年10月9日

“温泉番長”こと俳優の原田龍二さん(撮影=岡村智明)

これまで訪ねた温泉の数は、約200カ所。「温泉との出合いは一期一会ならぬ“一期一湯”」と話す温泉番長・原田龍二さんにとって、特に印象深かった温泉をご紹介します。

今回は、鹿児島県・硫黄島にある「東温泉」。美しいエメラルドグリーン色のお湯がなみなみとたたえられた、野趣あふれる露天風呂です。

鹿児島県・硫黄島「東温泉」

ひがしおんせん

活火山の硫黄岳が年中噴煙を上げる、硫黄島東部に湧く露天風呂(写真=公益社団法人 鹿児島県観光連盟提供)。泉質は硫黄ミョウバン泉。強酸性のため、お湯に触れると肌がピリピリするという。島へは、鹿児島港からフェリーで約4時間。港から東温泉へは徒歩で40分ほど。湯船からは日中も絶景を楽しめるが、島の人によると「実は夜もオススメ。天然のプラネタリウムを見上げながらの入浴は気持ちがいいですよ」。島には野生化したクジャクが多く生息していて、中でも全身真っ白な白クジャクは「見ると幸せになれる」とのうわさも。
住所:鹿児島県鹿児島郡三島村硫黄島
電話:09913-2-2370(三島村観光案内所)
営業:年中無休
HP:http://mishimamura.com/tourism/394/
料金:無料

ついに訪問、エメラルドグリーンの名湯に涙

泣きました。感動のあまり、湯船で泣きました。それが、今回ご紹介する鹿児島県・硫黄島の東温泉です。

仕事で訪ねたのは確か去年の夏だったかな。目の前は大海原、背後にはゴツゴツとした岩肌を流れ落ちる滝。そして、お湯の色は澄んだエメラルドグリーン。天気が良かったから海と空のコントラストもすごくきれいで、自然が作り出した美に感動しました。

ずっと前からうわさでは聞いていたんですよ。「硫黄島の温泉は名湯だ」って。でも、鹿児島港からフェリーで島に渡るのにも4時間近くかかるというので、おいそれとは行けませんでした。

念願かなっての訪問ですから、活火山の白い噴煙を上げる硫黄島の姿を遠く船上から捉えた瞬間、胸が高鳴りました。硫黄島の温泉は鉄分をたっぷり含んでいるそうで、島の周りの海は温泉の成分と混じり合って黄土色をしていました。

噴煙を上げる鹿児島県・硫黄島の硫黄岳(写真=公益社団法人 鹿児島県観光連盟提供)

島の周りの海は、海底から湧く鉄分を含んだ温泉の影響で黄土色をしている(写真=公益社団法人 鹿児島県観光連盟提供)

島内には他にも温泉がありますが、地元の人に聞いてもやっぱり東温泉が一番オススメみたいです。海に面した岩場に大きな浴槽が二つ、小さな浴槽が一つ。当然脱衣所はないのでポーンとその場で脱いで、硫黄の香りがするお湯に体を沈めました。

海に向かって全裸で仁王立ちはしません

美しいエメラルドグリーン色をした湯をたたえる露天風呂(写真=公益社団法人 鹿児島県観光連盟提供)

さて、こんな開けた場所にある温泉なので、日頃から「開放感が……」とか、「腰にタオルは巻かない!」などと言っている僕のことだから、入浴ついでに海に向かって全裸で仁王立ちでもしたんじゃないかと聞かれたのですが、それはね、していません。

こう見えて、そういうことはしないんですよ。ワイルドな場所が好きなだけで、僕自身はどちらかというと神経質な人間です。日記を毎日つけているような、きちょうめんなところもありますしね。

そんな性格だから仕事のときはゆとりをもって早めに家を出るのが習慣なんですが、26年の長い芸能生活の中で一度だけ遅刻をしたことがあります。その日は北海道に行かなければならなかったのに、起きたのはフライトの30分前。「やばい。絶対間に合わない」と思っていたらマネジャーからも「どうした?」って電話がきて、「いま……起きた……」と声を絞り出しました。

関係者の皆さんには平謝りですよ。本当に申し訳なかった。でもね、後から思ったんです。「時間通りに家を出ていたら事故に遭っていたんじゃないか? だから起きられなかったんじゃないか? あの遅刻にも意味があったんじゃないか?」って。

……まぁ、遅刻はしちゃダメなんですけど(笑)、僕が言いたいのは、“この世で起こるすべてのことには意味がある”ということ。大失敗ですら意味がある。だから、僕は、反省はしても、後悔したり落ち込んだり引きずったりすることは全くありません。

結局、失敗を重ねないと大きな成功にはたどりつけない。失敗なしで手にした成功じゃ真の達成感は得られないと思うんですよね。スコンとうまくいかない人生の方がおもしろいし、僕の性には合っている。だから、簡単にはたどりつけない秘湯にも心ひかれるんです。

(聞き手・渡部麻衣子)

◆連載「原田龍二の温泉番長」では、この5~6年の間、旅番組で数々の温泉を巡った温泉情報の猛者・原田龍二さんにとって、特に印象深かった温泉を隔週で一カ所ずつご紹介します。次回は静岡県・西伊豆にある、駿河湾を望む温泉を予定しています。

[PR]

この記事を気に入ったら
「いいね!」しよう

PROFILE

原田龍二(はらだ・りゅうじ)

俳優。1970年10月26日生まれ。近況は、ブログインスタグラムで。

今、あなたにオススメ

Pickup!