楽園ビーチ探訪

イルカがあいさつに来た! 西オーストラリアのモンキーマイアで興奮

  • 文・写真 古関千恵子
  • 2018年11月1日

モンキーマイアにイルカたちがやってくるようになったのは今から40年ほど前。人間とイルカの交流が続いています

西オーストラリアのモンキーマイアへ行こうと思ったきっかけは、1枚の写真でした。それは浅瀬に横たわり、キュッと上がった口元が笑っているようなバンドウイルカ。野生のイルカがこんなに人間に心を許すのか、と興味津々になったのです。

モンキーマイアは西オーストラリアの中心都市パースから北へ約850キロ。飛行機なら1時間45~55分、車なら約10時間の、かなりの遠路です。旅のスタイルは飛行機で行く日帰りツアーや、ラグジュアリーなバスで行く2~3日ツアーがほとんどで、予算があまりない一人旅にとっては高嶺(たかね)の花のツアーばかり。迷っていたところ、見つけたのが“無国籍バスツアー”です。

総走行距離1700キロ。ミニバンに10人がぎゅうぎゅう詰めに乗り込み、旅は続きます

これは目的地ごとに参加者をつのり、いろんな国の見知らぬ者同士がバスに乗り込んで、数日間ともに旅をするという現地発着ツアーです。旅を通して友達ができる、英語力がアップするなどのメリットがあり、そして何より、安い! 

とことんまっすぐな道は気持ちがいいものです

選んだのはパース発着の、ピナクルズ、カルバリー、ハメリンプール、シェルビーチ、モンキーマイアとインド洋岸をミニバンで周遊する3泊4日ツアー。メンバーはドイツ、イタリア、イギリス、台湾、そして日本からやってきた10人。往復およそ1700キロをミニバンに乗り込み、みんなで自炊し、ドミトリーや牧場に泊まり、観光スポットを回ります。

奇岩が連なるピナクルズ。このころはまだ出会ったばかりでグループは打ち解けていない雰囲気

お目当てのモンキーマイアでは、このエリアで唯一の宿泊施設モンキーマイア・ドルフィンリゾートに滞在しました。ファミリーヴィラやキャンプサイト、ドミトリーなどあらゆる旅行スタイルに対応し、レストランやバー、ショップ、マリンアクティビティーセンターも集合した、ちょっとしたリゾートビレッジのようなところです。

1泊を経ただけでも、連帯感が生まれるから不思議です。この日のディナーは共同キッチンで野菜や肉を調理し、屋外でバーベキュー。食べながらメンバーの一人が「明日、早起きしてイルカ、見に行かない?」と提案。皆、賛成し、その日は早めに就寝。翌日7時にイルカの集まる桟橋へぞろぞろと向かいました。

旅はみんなで自炊。サンドイッチやバーベキュー、タコスなど、気軽なメニューを手分けして作ります

肌寒い夜明け前、ほかに誰もいない桟橋で待つことしばし。徐々に朝日の気配が感じられる頃、水面下を眺めていたメンバーが2匹のカメを発見。「あ、カメ!」「ほんとだ!」「イワシの群れもすごい」「でも、イルカは来ないね」「来るかなー」などと話していた矢先に、水面から背ビレが出ているのを発見しました。

モンキーマイアで早朝、イルカを期待して待機中

イルカはプシュー、プシューという呼吸音を立てながら、桟橋へゆっくりと近寄ってきます。すぐそばまで来ると、くるりとカラダを反転させ、おなかを見せたのです。遊びに誘うようなちゃめっ気たっぷりなしぐさに、皆びっくりして写真を撮るのも忘れるほど。そして誰かが、朝焼けの空に架かる大きな虹を見つけ、ふたたび歓声。

レンジャーによるイルカたちの餌やりは毎日午前に3回開催されます。

イルカがやってくる桟橋近くのビーチに集合し、一列に並んで彼らの登場を待機。この日は10分ほど待ったところで、3頭がやってきました。レンジャーの合図でひざ丈まで海に入ると、イルカたちは知り合いを探すような目つきで人々をチェックした後、レンジャーの背後に回って餌をおねだり。希望者の中から選ばれたラッキーな数人が、餌の小魚をあげることができます。その後もイルカたちは姿を消したり、また現れたりと、約40分間、触れ合うことができました。

桟橋前にあいさつにやってきた3頭のイルカたち

圧倒的な大自然を前に感動を分かち合い、寝食をともにしていると、ちょっとした絆も生まれ、貴重な体験に。ただし、ランダムに集まるメンバーなので、グループの雰囲気になじめるか否かが、旅の成功のカギを握るようです。

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PROFILE

古関千恵子(こせき・ちえこ)ビーチライター

リゾートやカルチャー、エコなどを切り口に、国内外の海にフォーカスした読み物や情報を発信する自称「ビーチライター」。ダイビング雑誌の編集者を経てフリーとなり、“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”を繰りかえすこと四半世紀以上。『世界のビーチ BEST100』(ダイヤモンド・ビッグ社)の企画・執筆、『奇跡のリゾート 星のや 竹富島』(河出書房新社)の共著のほか、ファッション誌(『Safari』『ELLE Japon』など)やウェブサイトに寄稿。http://www.world-beach-guide.com/では、日々ニュースを発信中。

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