あの街の素顔

ベトナム、メコンデルタの町ミトーでジャングルクルーズ!

  • 文・写真 鈴木博美
  • 2018年11月26日

ホーチミンシティーから日帰りツアーが人気のミトー

  

ベトナム南部の玄関口ホーチミンシティー。経済成長真っただ中のエネルギッシュな街から、ひと足伸ばした日帰りツアーで人気なのが、メコンデルタの町ミトー。メコン川に浮かぶ中州を巡るボートツアーでは、日本で体験できないアクティビティーと地元の名物料理でベトナムビギナーからリピーターまで1日楽しめる。

ミトーは個人でも行くことができるが、ホーチミンシティー発の現地ツアーに参加するのが一般的。料金は内容によって多少の違いはあるが、ひとり10米国ドル程度からある。

  

ホーチミンシティーから南西へ車で1時間30分ほどのメコン川沿岸の町ミトー。ここからボートに乗り込み、トイソン島と呼ばれる中州に渡る。トイソン島は、ベトナムでも有数の南国フルーツの宝庫。小さいながらも果樹園が点在し、色とりどりの南国の花が咲くのどかな島だ。

ミトーのおもてなしは普通じゃない! 銘菓やフルーツに舌鼓

  

  

トイソン島に上陸すると、さっそくアクティビティーが始まる。「ここに指を突っ込んで」。訪れたのは養蜂場だ。蜂の巣を持った女性に言われるがまま、恐るおそる蜂が密集する板に指を近づけると、指を持たれて巣の中に押し込まれた。指先についた蜜をなめてみる。島特産のリュウガンの花から採取したハチミツは、爽やかな甘さが上品でフルーティーな香り。店内ではたっぷりのハチミツとキンカンを搾ったお茶を飲ませてくれる。ハチミツの他にも美容効果の高いロイヤルゼリーやプロポリスも、日本よりも格安で販売しているのに目がくらむ。

  

ハチミツ茶を飲んでくつろいでいると、巨大なニシキヘビを肩にかけたお兄さんが後ろに立っていた。聞くとハチミツ屋のペットだそうで、とてもおとなしくフレンドリーなヘビなのだとか。そうは言っても小動物くらいなら簡単にのみ込めそうな巨体だ。「抱いてみろ」。されるがまま蛇をショールのように肩にかけられると、ずっしりと重く肌は意外にもツヤツヤしている。慣れるとつぶらな瞳が愛らしくさえ思えてくる。蜂の巣に指を突っ込んだりヘビを巻いたりと、ミトーのおもてなしは普通じゃない。

  

次にココナツキャンディー工房を見学した。ココナツの果肉を圧搾して取り出したココナツミルクと砂糖を煮詰め、それを細長く伸ばしていく。固まったらカットして出来上がりだ。できたてのまだ温かいキャンディーは生キャラメルのようにやわらかく、ココナツの甘い香りが口いっぱいに広がる。試食にもかかわらず、食べるのが止まらない。

  

一口サイズに切断されたココナツキャンディーを素早い手さばきで次々に包装していく女性たち。一人で1日2000個ほど包むという。ベトナムの女性は本当に働き者だ。ココナツキャンディーは、一袋に20個入りで100円ほど。手頃な価格の上に、冷めてもおいしいのでお土産にもちょうどいい。

ココナツキャンディー工房を後にし、果樹園を訪れ季節のフルーツを試食した。マンゴー、パパイア、パイナップルなど南国を代表するフルーツに加え、ベトナムらしいドラゴンフルーツやランブータンなどがテーブルに並ぶ。蒸し暑いベトナムではフルーツが体を潤し気分もスッキリする。ところで、この国ではカットフルーツにムォイオットと呼ばれる塩と唐辛子を混ぜたものをつけて食べる習慣がある。甘みが引き立ち、よりおいしく食べられるというのだ。

フルーツを食べていると、歌のお姉さんたちと楽隊が各テーブルを回ってきた。伝統音楽の演奏で旅を盛り上げてくれる。外国の歌も覚えているようで、日本人には「幸せなら手をたたこう」を歌ってくれた。すると、お姉さんの一人がさりげなくテーブルにカゴを置いた。フルーツの皮を入れるものかと思ったらチップ入れだった。ベトナムでは様々なシチュエーションでチップが必要となる。もちろん義務ではないが、1万ドン札(約55円)と2万ドン札(約110円)を用意しておくとスムーズだ。

渋滞が「映える」ジャングルクルーズ

  

果樹園を抜けると、いよいよミトーのハイライト、ジャングルクルーズだ。頼りない手こぎ舟に大人が4、5人乗り込み、ベトナムの笠「ノンラー」をかぶって出発する。船頭を務めるのは地元の女性たち。ニッパヤシやマングローブが生い茂る水路を小舟で巡る。生い茂るヤシと木漏れ日、茶色の川がエキゾチックな雰囲気を漂わせている。

  

手こぎボートは外国人ばかりでなくベトナム人観光客にも大人気。時間帯によっては手こぎボート渋滞が起こり、狭い水路はボートで埋め尽くされてしまう。その光景がかえって「映える」ようで、みなセルフィーで写真を撮りまくっている。すれ違うボートに手を振る世界各国の観光客の楽しげな笑顔が印象的だ。

【動画】「ミトーでジャングルクルーズ」の様子


ミトーの名物、エレファントフィッシュと風船餅

  

アクティビティーを楽しんだ後はランチ。ミトーの名物料理であるエレファントフィッシュの姿揚げと巨大な卵のような風船餅といったインパクトが強い料理がテーブルをにぎわせる。象耳魚と書くエレファントフィッシュは、淡白な白身魚で野菜と一緒にライスペーパーで巻き、生春巻きにして食べる。もち米を風船のように膨らまして丸く揚げた風船餅は、もち米の甘みとカリッと揚がった表面の香ばしさとが相まって、後を引くおいしさ。どちらもお披露目した後に店員が食べやすくほぐしてくれる。

ハチミツに南国フルーツ、ジャングルクルーズ、エレファントフィッシュ……。ミトーは気軽にメコンデルタの恵みを満喫できるところ。最近はメコン川を望むおしゃれなブティックホテルなどもオープンしているので、1泊2日のプチ旅行にも注目したい。

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■取材協力
ベトナム航空

PROFILE

鈴木博美

鈴木博美
旅行業界で15年間の勤務を経てフリーの旅行家に。旅を通じて食や文化、風土を執筆。日本航空機内誌のほか、新聞雑誌等に海外各地の旅の記事を寄稿。著書に一人旅に役立つ電子書籍「OL一人旅レシピ」インド編、ベトナム・カンボジア編、エジプト編、世界中のおいしい料理をおうちで作る「いつもの食材で作る世界の料理レシピ」。ブログ「空想地球旅行」で旅のあれこれを発信中。

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