原田龍二の温泉番長

温泉愛を試された人生初の48度の湯、那須湯本温泉「鹿の湯」

  • 2018年12月3日

“温泉番長”こと俳優の原田龍二さん(撮影=高嶋佳代)

これまで訪ねた温泉の数は、約200カ所。「温泉との出合いは一期一会ならぬ“一期一湯”」と話す温泉番長・原田龍二さんにとって、特に印象深かった温泉をご紹介します。

今回は、栃木県にある那須湯本温泉「鹿の湯」。大の露天風呂好きの原田さんにしては珍しく、内湯しかない共同浴場を選んだ理由とは……?

栃木県・那須湯本温泉「鹿の湯」

しかのゆ

観光客だけでなく地元の人たちからも親しまれている、那須湯本温泉の共同浴場(写真=鹿の湯提供)。開湯は約1300年前、傷ついた鹿がこの温泉で体を癒やしていたという逸話から「鹿の湯」と名付けられた。泉質は、単純酸性硫黄温泉。男女別の内湯があり、41度、42度、43度、44度、46度、48度(48度は男湯のみ)と温度が異なる六つ(女湯は五つ)の浴槽がある。
住所:栃木県那須郡那須町湯本181
電話:0287-76-3098
営業時間:午前8時~午後6時(受付は午後5時半まで)
HP:http://www.shikanoyu.jp
料金:400円(土日祝日は500円)、小学生300円、幼児無料

温泉道を歩む上で、避けては通れぬ温泉だった

栃木県・那須湯本温泉「鹿の湯」の男湯。41度、42度、43度、44度、46度、48度の六つの浴槽がある(写真=鹿の湯提供)

「鹿の湯」は、“温泉俳優”として避けては通れなかった道というか、温泉愛を試された温泉でした。行ったというよりも、温泉に“呼ばれた”という表現の方がふさわしい感じ。

露天風呂好きな僕にしては珍しく、内湯です。ここの温泉は独特で、41度、42度、43度、44度、46度、48度の六つの浴槽があって、奥に行くほど温度が高い。

厳密に守る必要はないようですが、浴場で推奨されている入り方は、まず、かけ湯のような感覚で“かぶり湯”をします。浴槽近くにひざをついてうつむき、ひしゃくで頭にゆっくりとお湯をかけるんです。それを繰り返すこと、200回! ちょっと多い気がしますが、のぼせ防止に効果があるらしいです。

ひしゃくを使って行う“かぶり湯”は、大人は200回、子どもは100回が目安(写真=鹿の湯提供)

浴槽は好きな温度のものを選んでいいそうなので、「どれ……」と、とりあえず一番熱い48度に手を差し入れてみたら、とてもじゃないけど全身いける熱さじゃない。「げ!」と思って一瞬で手を引き抜きました。

だから僕も当初は入る予定がなかったんですよ。なかったんですけど、地元のご年配の方々とお風呂場で話をしていたら、「“温泉俳優”を名乗っているなら入らないと~」と言われてしまって、48度が避けて通れない道になっちゃった。

「鹿の湯」には、「日本の旬を行く!路線バスの旅」(BS−TBS)のロケで行ったのですが、同行したスタッフさんたちも絶対に入れないと思っていたみたい。そりゃそうですよ、だって10秒も手を突っ込んではいられないような温度なんですから。女湯に48度はないので、男だけが試されるお湯です。

入浴をためらいましたが、目の前には実際に入っている人がいるわけだし、僕も入ったら一皮むけるかもしれない。何より、ご年配の方々が「どうするのかな、入るのかな」と腕を組んで見守っていて、もう、「ちょっと僕は……」なんて言えない雰囲気だったから、意を決して入りました。

腰までつけて1分、胸までつけて1分、首までつかって1分という“短熱浴”という入り方がオススメだそうなので、その通りに3分間ジッと我慢。気分的には、道場破りにきているような感覚でした。長老たち(地元のご年配の方々)に新人の力量を測られているようで、とんでもない緊張感がありました。

でもやり遂げたことで変わりましたよ、長老方の僕を見る目は! 「よく入った! “温泉俳優”を名乗ってよし!」みたいな。実際には言われてないですけど(笑)。

温泉道もミステリー道も、奥が深い道

温泉道、ミステリー道について熱く語る(撮影=高嶋佳代)

誤解があるといけないので言っておくと、「鹿の湯」はただ熱いだけの温泉ではありません。約1300年前、鹿がお湯に身を浸して傷ついた体を癒やしていたことから「鹿の湯」と名付けられた名湯で、湯治で訪れる方も多いのだそうです。

自分の好みの温度の浴槽で“短熱浴”を繰り返すと、体がポカポカ温まって気持ちがいい。ちなみに、受付で時間を計るための砂時計を無料で借りられます。温泉の入り方にもいろいろあるんですね。温泉の奥深さを改めて感じました。

「鹿の湯」に入ったかどうかは定かではないものの、『おくのほそ道』で有名な松尾芭蕉もかつてこの地を訪れたことがあるとか。日本全国お仕事で行かせていただいていますが、どこに行ってもよく耳にするんですよね、「芭蕉がきた」というお話は。

だから僕ね、芭蕉って何人もいたんじゃないかと思っているんですよ。限られた人生の中でこうもあちこちに出没できるはずがない。もちろんアクティブな人だったんでしょうけど、それにしたって多すぎるんだもの。絶対、芭蕉の名をかたっていた人が相当数いたはずなんです。……みなさんは、どう思います?

気になるといえば、もうずっと前から会いたくて会いたくて仕方がないのが、すみついた家に幸せをもたらすといわれている“座敷わらし”さん。今年は「世界の何だコレ!?ミステリー」(フジテレビ)という番組でも探しに行かせていただいたんですが、まだご縁がないんですよね。

恥ずかしがり屋さんだとも聞きますし、簡単には会えないのかも……。“座敷わらし”さんについて「これは!」という情報をお持ちの方は、ぜひ番組公式サイト(https://www.fujitv.co.jp/sekainonandakore/)を通じて情報をお寄せください!

先日は同じ番組で、イギリスまで“ネッシー”を探しに行きましたが(最近、インスタグラムのアイコンもネッシーに変えました!)、“ミステリー道”も“温泉道”と双璧をなすくらい突き詰めたい道なんです。昔から、世界の謎を追う雑誌「ムー」が大好きでした。

“ミステリー道”も“温泉道”もどちらも奥が深い道なので、これからもどんどん追究していきたいと思います!

(聞き手・渡部麻衣子)

昔から雑誌「ムー」が大好き(撮影=高嶋佳代)

◆連載「原田龍二の温泉番長」では、この5~6年の間、旅番組で数々の温泉を巡った温泉情報の猛者・原田龍二さんにとって、特に印象深かった温泉を隔週で一カ所ずつご紹介します。次回は、北海道にある“白鳥見風呂”が楽しめる温泉を予定しています。

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PROFILE

原田龍二(はらだ・りゅうじ)

俳優。1970年10月26日生まれ。近況は、ブログインスタグラムで。

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