楽しいひとり温泉

温泉+竜宮城 キジハタやアワビが「舞い踊る」迫力の食事 「長崎県・壱岐湯ノ本温泉」

  • 文・写真 温泉ビューティ研究家・トラベルジャーナリスト 石井宏子
  • 2018年12月25日

壱岐島で注目の小島神社

長崎県の壱岐島は天比登都柱(あめのひとつばしら)と呼ばれ、神話では天と地がつながる世界の中心とされた場所です。そんな島に1500年も湧き続ける温泉があるというので、パワーをいただく旅にでかけました。島内には千社もの神社があるとされ、神社庁に登録されている神社だけでも約150社。ギネス世界記録級の神社密度、中でも注目されているのが小島神社です。神社は小島の裏側にあって、引き潮の時間だけ参道が現れてお参りができます。満ち潮にキラキラ輝く海の参道もきれいでした。

海の断崖に立つ「猿岩」のサンセット

夕日を眺めに猿岩へ。ほら。猿がサンセットを眺めているように見えませんか? 猿岩は、天比登都柱である壱岐島が動かないように支えている8本の柱のひとつといわれています。

大きな太陽が海のかなたに沈みます

ドラマチックなサンセット。壱岐は東京よりも1時間も日の入りが遅いのにびっくり。日本は広い!

源泉の濃厚さを感じる平山旅館の内湯

壱岐湯ノ本温泉には7軒の宿があり、全て自家源泉を持っています。平山旅館の自家源泉も自噴泉。源泉温度66.5度、泉質はナトリウム-塩化物泉で成分総計は1キロあたり16.53グラムもあります。こんなに熱くて濃厚な温泉がすぐ下から湧出(ゆうしゅつ)を続けているなんて感動的です。炭酸ガスが1キロあたり128.4ミリグラム、鉄分も含有し、入るとじんじんと皮膚の血行が良くなってぽかぽかに温まります。

露天風呂ではちょっと熱めの温泉で発汗

大浴場の露天風呂。温泉のミネラルがとても豊富だからか、植えた木がすぐにジャングルのように生い茂ってしまうのだそうです。根のはりかたもすごい迫力で、生命力を感じます。

スタンダード料理の刺し身盛り合わせにびっくり

驚きは温泉だけではありません。夕食の前菜を食べていたら、仲居さんが抱えるように運んできた刺し身の盛り合わせ。キジハタ(アコウ)の薄造りと皮の湯引きはスダチをしぼったポン酢で。歯ごたえとうまみが広がります。タイ、イサキ、ブリ、サザエと、おいしすぎて狂喜乱舞。壱岐と対馬の間の海域は特別にミネラル豊富な場所があって、おいしい魚がとれるのだそうです。新鮮なお魚でおなかいっぱいにできるなんて幸せです。それにしても、これ、スタンダードのお料理だそうです。しかも、ひとり分。「うちの宿は、容赦なくお料理が出てきますから、どんどん召し上がってくださいね」。仲居さんの「容赦ない」の形容詞に爆笑してしまいました。はい、容赦なく出してください。大歓迎です。

イカ漁のシーズン到来。この日はアオリイカの生き造り

つづきましてアオリイカの生き造りが登場。わわわ、まだ動いていますよ。「お刺し身を召し上がっていただいたら、残りは唐揚げにしますから、どうぞお早めにお召し上がりくださいね」「はい。そうします」

おいしいアワビが育ちます

さらに、イセエビのお造りが出て、その後に、アワビの肝バターソテー。まるで竜宮城のようなにぎわいです。厚切りのアワビはぷりっぷりの食感。濃厚な肝ソースをたっぷり絡めてほおばり、壱岐の地酒、純米大吟醸酒「横山五十」をワイングラスで味わいます。華やかな香りが引き立つ飲み方だそうです。

壱岐の郷土料理・タイそうめん

しめは壱岐の郷土料理・タイそうめん。塩焼きしたタイをだしにした鍋にそうめんを投入。壱岐では、鍋には必ずそうめんを入れると決まっているそうです。もう、おなかいっぱいなのに、つるつると入ってしまいます。

朝食もすごいんです

平山旅館は朝ごはんも“容赦なく”すごかった……。自家栽培の無農薬野菜がニョキニョキと畑から生えているようなサラダ。アジの干物、通常の3倍の大豆を使っているという壱岐豆腐が一丁まるごと出てきて「軽く3人分ほどありますから、お好きなだけ切って召し上がってください」。しかし、このお豆腐がなにもつけなくてもパクパク食べてしまえるおいしさ。大豆の甘みが生きています。お魚と野菜ざんまいのお食事と温泉パワーも働いて、とってもすっきり。

引き潮の時だけ海に参道が現れて参拝できる小島神社

引き潮の時間に合わせて、チェックアウト後に、再び小島神社へ行ってみると、海の中に立派な参道が現れていました。神社があるのは島の裏手を上ったところ。ぐるりと島を一周して戻ってくるのが正式参拝です。お参りできて幸せ。神様ありがとうございました。

■「楽しいひとり温泉」ポイント
1.福岡から1時間で行ける島旅
2.濃厚パワフルな温泉でスッキリ
3.新鮮な魚ざんまいで栄養補給

奥壱岐の千年湯 平山旅館
http://www.iki.co.jp/
*空、星、風、月の部屋のみ、イセエビとアワビ付き。

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PROFILE

石井宏子(いしい・ひろこ)

いしいひろこ

温泉ビューティー研究家・トラベルジャーナリスト。日本・世界の温泉や大自然を旅して写真撮影・執筆をする旅行作家。テレビにも出演。温泉・自然・食で美しくなる旅を研究する。海外ブランドのマーケティング・広報の経験から温泉地の企画や研修もサポート。日本温泉気候物理医学会会員、日本温泉科学会会員、日本旅のペンクラブ会員、気候療法士(ドイツ)、温泉入浴指導員。著書「癒されてきれいになる おひとりさま温泉」(朝日新聞出版)「地球のチカラをチャージ! 海温泉 山温泉 花温泉 76」(マガジンハウス)ほか。新著「感動の温泉宿100」(文春新書)が10月に発売された。公式サイトhttp://www.onsenbeauty.com

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