• 日系航空会社のマイレージで十分? 米国系航空会社の意外なメリット《知らないと損するマイル活用術②》

日系航空会社のマイレージで十分? 米国系航空会社の意外なメリット《知らないと損するマイル活用術②》

「日系航空会社のマイレージカードを持っていれば十分」と思っていませんか? 「最小の投資」で「最大の利益」が得られるマイル活用術の第2回目。今回は、各航空会社のマイレージプログラムの特徴、マイル加算率の調べ方、マイルをお得に使える裏技をひも解いていきます。実は、米国系航空会社のマイレージを組み合わせると、意外なメリットがあるのです。

(文・橋賀秀紀)

ベストのマイレージプログラムは?

世界には、数多くのマイレージプログラムがありますが、それぞれの使い勝手や還元率には大きな差があります。ただ、日本在住者におすすめできるプログラムは、それほど多くありません。厳選して紹介します。

■ANAマイレージクラブ(全日空・スターアライアンス)

さまざまなショッピングモールでポイント獲得がしやすく、買い物でマイルを貯める人に絶大な人気を誇る。

■JALマイレージバンク(日本航空・ワンワールド)

2018年12月にJAL国際線特典航空券PLUSという変動制のマイルが導入された。ワンワールドの他社特典利用時の必要マイル数は従来のまま。

■マイレージプラス(ユナイテッド航空・スターアライアンス)

古くから日本人に人気の高いマイレージプログラム。ANAの日本国内線は5000マイルから利用できる。あえて特典で遠回りのルートを組む人も。

■アドバンテージ(アメリカン航空・ワンワールド)

ワンワールドに加盟しているので、JALマイレージバンクの代替プログラムとして利用できる。

■スカイマイル(デルタ航空・スカイチーム)

日系航空会社が加盟していないスカイチーム加盟航空会社利用時には重宝する。デルタ スカイマイル アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カードの所有者が年間150万円以上利用すると、デルタ航空のゴールドメダリオン会員を維持できる。

■マイレージプラン(アラスカ航空・アライアンス非加盟)

知る人ぞ知る、マイル加算率が高く、必要マイルの少ない高コスパのマイレージプログラム。片道25000マイルでJALのビジネスクラスのアジア路線が利用できる。

※世界の主要航空会社の多くは、スターアライアンス、ワンワールド、スカイチームのいずれかのアライアンスに加盟している

他にも、エーゲ航空(ギリシャ)やアビアンカ航空(コロンビア)などマニアックな旅行者が使うプログラムもありますが、ほとんどの人は上の6つのいずれかに加入すればよいと思います。

ファーストチョイスとセカンドチョイス

なんとなく貯めている人にすすめたいのは、ファーストチョイスとセカンドチョイスのプログラムをはっきりと決めておくことです。ファーストチョイスに集中して貯めるのが大原則ですが、セカンドチョイスの航空会社のほうが安かったり、時間帯がよかったりするにもかかわらず「マイルにしばられる」ことになりかねません。両者は、それぞれ異なるアライアンス(航空連合)にするのが鉄則です。

米国系の航空会社の優位性

普段あまり飛行機に乗らない人こそ、米国系の航空会社をおすすめします。マイレージの有効期限がない(ユナイテッド航空・デルタ航空)か、あっても一定の期間に少しでもマイルの加算または利用があれば半永久的に期限が延長される(アメリカン航空は18か月に1回・アラスカ航空は3年間に1回)からです。提携するホテルなどを利用したり、マイルを購入したりするだけでも大丈夫です。また、特典利用時に燃油サーチャージを課さないことが多いので、名目上の必要マイル数が日系より多くても、最終的な出費がおさえられるというメリットがあります。

米国系の場合、サポートを不安視する方もいらっしゃるかもしれませんが、ユナイテッド、アメリカン、デルタはいずれも日本語対応の電話窓口があるので心配はいりません。アラスカ航空は限定的に同時通訳がつくものの、基本は英語になるので、中・上級者向きといえるでしょう。

加算率が高いエアラインは?

よいマイレージプログラムは、安い航空券でも加算率が高く、特典航空券に交換する必要マイルが少ないことです。しかし、加算率はどの会社もそれほど大きな差はありません。ビジネスクラスの加算率は150%、プレミアムエコノミーは100%、エコノミーの割引運賃やパッケージツアーは最大で50%(加算対象外もあり)が相場です。

加算率は予約クラス(ブッキングクラス・サブクラス)によって厳密に決められています。このクラスは、ビジネスやエコノミーといったサービスのクラスではありません。同じエコノミークラスでも、航空券の金額に応じてアルファベット1文字で表示したクラスで分類しているのです。簡単にいえば、高い航空券は予約が入りやすくマイレージもたくさん貯まる一方、非常に安い航空券やツアーなどでは予約がとりづらく、マイレージもあまり貯まらないわけです。自分の航空券の予約クラスを知るのに手っ取り早いのが、オンラインの航空券予約サイトです。例えば、HIS、HIS系のサプライス、エクスペディアなどでは、区間ごとの予約クラスを表示してくれます。

オンライン旅行会社のエクスペディアで航空券を検索し、「フライトおよび手荷物料金の詳細を表示する」をクリックすると、エコノミー(B)のように予約クラスが表示される

自分が乗る航空券の加算率は何%?

次に予約クラスごとの加算率を調べる必要があります。マイレージプログラムの公式サイトのほか、「マイルで得々」というサイトのマイレージプログラム別(航空会社別)マイル加算率チャートは非常に分かりやすいです。筆者がよく利用するWhere to creditというサイトは、航空会社名と予約クラスのアルファベットを選ぶだけで、加算率が一覧で表示されるすぐれものです。例えば、スターアライアンス加盟の航空会社で、ANAにつけるか、ユナイテッド航空につけるか迷っているときなどに重宝します。

Where to creditというサイトでは、プログラムごとの加算率が一目瞭然。ブリティッシュエアウェイズのビジネスクラスのディスカウント運賃に用いられる予約クラス「Ⅰ」では、JALでの加算率が100%だが、アラスカ航空には250%加算されることがよみとれる

どのくらいのマイルが貯まるのか

次は実際にどのくらい貯まるかです。多くの人が利用している区間であれば「マイルで得々」の区間マイル数チャートで調べることができます。空港の3レター(成田国際空港ならNRT、関西国際空港ならKIXといった略称)が分かる人ならGreat Circle Mapperというサイトがおすすめです。

Great Circle Mapperというサイトでは、空港の3レターを入れると、区間ごとのマイル数とルートの地図がすぐに表示される

搭乗券は最後まで捨てない

かつては搭乗時にカウンターでマイレージプログラムのカードを提示して、加算してもらうシーンもよくありました。ですが、これは未加算のリスクが高く、おすすめできません。航空会社のサイトで予約する場合は、あらかじめログインすれば自分のマイレージ番号が登録されますが、問題は旅行会社経由で予約した場合。あらかじめマイレージ番号を入れられるところもありますが、それがない場合は航空会社に電話などを通じて依頼する必要があります。その際には航空券番号か予約番号が必要になります。申請時には航空券のEチケットの控え(PDF)や搭乗券の原物を撮影したものが必要になります。そのため、搭乗券はマイル加算するまで廃棄しないよう気をつけましょう。

マイルのスイートスポットを見つける

一方、マイルを使う場合の必要マイル数は、航空会社によって大きな違いがあります。ある程度は有償航空券の金額に比例しています。しかし、「買うと高いのに特典航空券だと必要マイル数が少ない区間」が存在します。有償航空券の金額が分かれば、その金額を特典航空券の必要マイル数で割ることで、マイル単価を割り出せます。

ファーストクラスかビジネスクラスで使うのが得

マイル単価という意味では、ファーストクラスやビジネスクラスで特典を利用するのが得だといえます。有償航空券ではビジネスクラスの金額がエコノミークラスの3倍以上ということは珍しくありませんが、特典航空券の場合はせいぜい2倍程度です。区間ごとの必要マイル数については、各航空会社のサイトのほか、「マイルで得々」の特典航空券必要マイル数チャートが便利です。マイレージプログラムごとに必要マイル数を比較したい場合に便利なのは、MILEZ.BIZです。

欧米など長距離路線で貯め、アジア路線で使う

マイルは、距離に比例して加算されます。そのため、日本から北南米や欧州、アフリカなど、長距離路線は航空券を購入してマイルを加算し、日本から東南アジアなど短距離路線では、特典航空券でマイルを消費するのが賢い方法です。

特典航空券の枠は限られており、ピーク時のハワイ線などは激戦となります。しかし、中国やジャカルタ、インド路線など、特典航空券でも比較的予約が入りやすい区間もあります。行き先を柔軟に変更できる場合に使うのもマイレージプログラムとうまくつきあう方法といえるでしょう。

JAL、ユナイテッド、デルタ、アメリカン(2019年12月下旬から)は、いずれも自社の特典航空券を利用する場合、「ダイナミックプライシング」とよばれる、需要と供給の変動に応じて必要マイル数を変える仕組みをとっています。このため、人気の高い時期と路線で交換しようとすると非常に多くのマイル数が必要になります。しかし、「提携航空会社」で利用する場合には、従来どおりの必要マイル数が適用されるので狙い目といえます。

10万円で南アフリカに行くと沖縄行きが2回無料に

あまりマイルが貯まっていないものの特典航空券を利用したい。そんな人におすすめなのがJALマイレージバンクのどこかにマイル(往復6000マイル~)やANAの今週のトクたびマイル(片道3000マイル~ 2019年度まで)といったキャンペーン。これは、閑散期の比較的空きが多い路線を航空会社がランダムに公開し、その区間であれば通常よりも少ないマイル数で利用できるというものです。

ユナイテッド航空のマイレージプラスでは、ANAグループの日本国内線を片道5000マイル(一部長距離路線は8000マイル)で利用できます。この片道では乗り継ぎが16時間程度までならば大回りのルートをとることも可能です。たとえば羽田空港→那覇空港→静岡空港と飛んでもトータルわずか5000マイル。静岡空港と東京駅の間は新幹線を利用すれば3時間程度。青春18きっぷの発売時期なら空港と駅を結ぶバス代も含めて約3000円で移動することができます。現在、東京発ヨハネスブルグ往復のエチオピア航空は最も安いもので総額約10万5000円(2020年3月上旬出発)。ユナイテッド航空での加算率は75%(Uクラス)なので、1往復すると約1万3500マイル加算されます。この1回の旅行で東京→沖縄→静岡の弾丸旅行を2回することも可能となるのです。

次回は、買い物で効率よくマイレージを貯める方法について、裏ワザも含めて紹介していきたいと思います。

PROFILE

橋賀 秀紀

トラベルジャーナリスト。特に航空券・マイレージをはじめとした海外旅行全般を扱う。東京都出身。訪問国は123か国・渡航回数200回以上。著書に『エアライン戦争』(宝島社)など。記事の内容についてのお問い合わせ・取材の依頼などについては hashigahideki@gmail.comまで。